スキルアップしたいとは思っていても、何から手を付けたら良いかわからないという看護師の方も多いのではないでしょうか。スキルアップへの一番の近道は資格を習得することです。このコラムでは、スキルアップに有利な資格や、分野別におすすめの資格を解説。資格取得以外のスキルアップ方法もご紹介していますので参考にしてみてください。
スキルアップへの一番の近道は資格を取得することです。ここでは、認定看護師と専門看護師、ケアマネジャーについてご紹介します。
看護師としてスキルアップするのに有利な資格は認定看護師の資格です。
看護主任や看護部長などの役職についている看護師が多く取得しています。
認定看護師は、高度な看護技術と知識を持ち、看護師に対する指導や相談活動を行う方のことです。看護師を指導する役割もあるのでさらなるスキルアップが目指せるでしょう。
認定看護師には感染管理やがん薬物療法看護、緩和ケアなど、全部で19分野あります。
認定看護師になるには、日本看護協会が指定する認定看護師教育機関に6カ月以上通わなくてはなりません。認定看護師教育機関に入るには看護師免許が必要。また、認定看護分野で3年以上の実務研修を含め、合計5年以上の実務研修が必要です。
認定看護師教育を修了し、認定試験に合格すれば認定看護師として登録されます。
各医療分野の専門知識を極めたい方は専門看護師の資格の取得をおすすめします。病院だけでなく、訪問看護ステーションや大学等の教育現場などで、幅広く活躍しています。
専門看護師は、より困難で複雑な健康問題を抱えた人やその家族をサポートする方のことです。各分野の専門知識と技術を用いて、医療機関や施設などで「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」の6つの役割を果たし、地域の看護の質の向上や、保健医療福祉に貢献しています。
専門看護師になるには、看護師免許が必要です。看護師として5年以上の実務経験(うち3年間以上は専門看護分野の実務経験)が必要とされる看護系大学院修士課程に入り、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得しなくてはなりません。看護系大学院修士課程を修了し、認定審査(書類審査・筆記試験)に合格すれば専門看護師として登録されます。
ケアマネジャーは、認定された特定の介護者をサポートする方のことです。
主に、居宅介護支援事業所や介護予防支援事業(地域包括支援センター)などで活躍。高齢化による在宅医療が増えている近年では、ケアマネジャーの知識を活かして訪問看護師として活躍できるでしょう。
ケアマネジャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。
受験の条件は、保健・福祉・医療に関する国家資格等に基づく業務や支援相談員・生活相談員・相談支援員・主任相談支援の業務を5年以上かつ900日以上満たすことです。
ここでは民間資格について分野別にご紹介します。
民間資格とは、民間団体や企業が、独自の審査基準を設けて任意で認定する資格です。まずは、取得がしやすい簡単な資格から挑戦していくことをおすすめします。
消化器系に携わる方におすすめ資格は、消化器内視鏡技師や栄養サポートチーム専門療法士、日本口腔ケア学会認定資格などです。
消化器内視鏡技師とは、医師と連携して内視鏡や胃カメラに従事した業務に携わることができる資格です。近年では、胃カメラなどの普及により、専門的な知識や技術が多く求められています。
栄養サポートチーム専門療法士とは、主に栄養を摂取することが難しい患者さんへ栄養管理やサポートする専門資格です。医師、管理栄養士、薬剤師、歯科医師などと連携して業務を行います。
日本口腔ケア学会認定資格とは、高齢者や患者さんの口腔ケアの指導に携わることができる資格です。口腔ケアの知識は口腔専門病院や介護施設など、さまざまな現場で活かすことができます。
呼吸器系に携わる方におすすめ資格は、3学会合同呼吸療法認定士や禁煙支援士です。
3学会合同呼吸療法認定士とは、呼吸機器の管理や呼吸療法が業務としてできる資格です。
呼吸器に関する知識やケアをチームで支援していきたい方におすすめの資格といえるでしょう。なお、看護師は2年、准看護師は3年の実務経験が必要です。
禁煙支援士とは、禁煙を希望する患者さんの指導を行うための資格です。
禁煙支援士の資格には初級・中級・上級があり、段階を踏んだスキルアップが目指せます。
循環器系に携わる方におすすめ資格は、循環器専門ナースや人工心臓管理技術認定士、心臓リハビリテーション指導士などです。
循環器専門ナースとは、心臓循環器疾患患者を高度な知識やケア技術でサポートする看護師のことです。循環器系の知識をより深めたい看護師が多く取得しています。
人工心臓管理技術認定士とは、補助人工心臓に関する技能や知識を有する能力を認定する資格のことです。心臓移植患者や補助人工心臓を使った患者さんのサポートを医師と連携して行います。
心臓リハビリテーション指導士は、循環器疾患の治療や動脈硬化性疾患の予防と患者教育ができる方のことです。運動心臓病学や運動生理学を理解し、臨機応変に患者さんをサポートします。
精神科に携わる方の資格には、臨床心理士や音楽療法士などがあります。
臨床心理士は、患者さんの相談内容に応じて心のケアを行います。
臨床心理学に基づいた知識は精神科での勤務においてとても役立ち、日本のストレス社会が拡大・加速する現状では臨床心理士はかかせない存在です。
音楽療法士は、音楽の力を活用して高齢者や障害者の心身のサポートをおこないます。
海外で注目されているのに対して、日本での知名度はまだ低い資格といえるでしょう。主に医療機関や福祉施設などが活躍の場となります。受験資格を得るためには、医療や福祉の分野での臨床経験が必要です。
がん看護に携わる方におすすめの資格には、医療リンパドレナージセラピストや弾性ストッキングコンダクター、認定がん医療ネットワークナビゲーターなどがあります。
医療リンパドレナージセラピストとは、リンパ浮腫の症状に悩む患者さんに対して治療を行う方のことです。医師と連携して患者さんの症状を理解し、本人やご家族にも指導する役割もあります。
弾性ストッキングコンダクターとは、弾圧ストッキングを使って静脈疾患やリンパ疾患の予防や治療を行う方のことです。医師と連携してストッキングの種類やサイズなど患者さんのニーズに合った対応をします。
認定がん医療ネットワークナビゲーターとは、地域におけるがんに基づく医療サービスをがん患者さんに提供する方のことです。がん患者に対して情報を多く提供することでがん医療の発展に貢献できます。
救急・ICUに携わる方におすすめの資格には、BLS(一時救命処置)やACLS(二次救命処置)、PALS(小児二次救命処置)、JPTECプロバイダーなどがあります。
BLSとは、AEDの使用を含めた心停止後の一時緊急処置のことです。
医療従事者のみならず一般の人も受講でき、看護師は最低限取得しておきたい資格といえます。
ACLSとは、病院や医療施設において医師を含む医療従事者のチームによって行われる心肺蘇生法のことです。ACLSプロバイダーコース・ACLSリニューアルコース・ACLSインストラクターエッセンシャルコースがあります。
PALSとは、小児患者の心肺停止時に行う救命処置法のことです。PALSプロバイダーコース・PALSリニューアルコース・PALSインストラクターエッセンシャルコースがあります。
JPTECプロバイダーとは、病院に搬送される前の傷病者の処置をする方のことです。
救急隊や消防士と同じような知識を取得できるので現場でもスムーズな対応ができるでしょう。
施設などで介護に携わる方におすすめの資格には、認知症ケア専門士や高齢者ケアストレスカウンセラーなどがあります。
認知症ケア専門士とは、認知症に関する情報を認知症の方やその家族に提供する方のことです。また、人材の養成を目的とした認知症ケア上級専門士というものがあり、さらなるスキルアップが目指せます。
高齢者ケアストレスカウンセラーとは、高齢者が抱えているストレスをケアする方のことです。高齢者特有のストレスや心理状態を理解し、高齢者だけでなくその家族に対するストレスケアも行っています。
「スキルアップしたいけれど、資格取得までは考えていない」という方もいるのではないでしょうか。ここでは、資格取得以外のスキルアップ方法についていくつかご紹介します。
e-ラーニングとは、インターネットを活用した学習方法のことです。
自宅や職場などで、空いた時間に自分のペースで学習することができるので忙しい看護師には適しているといえます。
職場内研修にはOJT・Off-JT・プリセプターという制度があります。
OJTとは、先輩に指導を受けながら実践的な業務をする制度です。特に新人看護師はプリセプターと呼ばれる先輩看護師のもとで指導を受けることによりスキルアップが目指せるでしょう。
なお、職場から離れたところで外部講師による研修を行うことをOff-JTといいます。
大学や専門学校に通うと職場では学べない高度な知識を習得できます。
働きながら学校に通うことも可能ですが、両立が不安な方はしっかりと計画を立ててから行動するの
が良いでしょう。
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