看護師一年目の方の中には、具体的な仕事内容や1年間をどう過ごすのか分からなくて不安な方もいるでしょう。このコラムでは、一年目の看護師の仕事内容を1日のスケジュールと年間のスケジュールを用いて解説します。また、教育制度や個人目標の設定についてもご紹介。一年目の看護師が抱えやすい悩みや、その対処法もまとめています。看護師一年目の方は必見です。
一年目の看護師は、看護学校で基本的な知識やスキルを身に付けています。しかし、看護師として働くには仕事に慣れ、看護学校で学んだことを現場で実践できるようにならなければなりません。そのため、一年目の看護師を受け入れる医療機関では教育制度を整えています。研修も実施されるため、一年目の看護師は実際の現場で必要となる看護スキルの習得が可能です。
ここでは、一年目の看護師の1日のスケジュールと年間スケジュールをご紹介します。
一年目の看護師の1日は以下のとおりです。一年目の看護師は基本的に先輩看護師と業務を行います。
出勤し、その日の担当患者さんの確認や情報収集、申し送りを実施。先輩看護師と1日の業務の流れを確認します。
担当患者さんのもとを回り、バイタルサインの測定や保清などを実施。このとき、自分一人でできる業務は先輩看護師の力を借りずに行います。
検査の介助や点滴を実施。点滴をする際は先輩看護師とダブルチェックを行い、インシデントの防止に努めます。このとき、扱う薬剤について説明できるように事前に勉強しておくと良いでしょう。
休憩に入ります。
カンファレンスに参加し、担当患者さん以外の状況も把握します。
その日行った看護行為を記録します。
先輩看護師とその日の業務について振り返ります。夜勤担当者に引き継ぎが完了したら退勤です。
一年目の看護師は、研修を通して段階的に看護業務を学びます。年間スケジュールは以下のとおりです。
病院ではなく研修センターなどでオリエンテーションや研修を受講。研修の中ではグループワークなども行い、現場に出る前の心構えや看護師としての基本を再度学習します。
病院に入り、病棟に配属されてプリセプター制度が開始。まずは日勤の業務を先輩看護師から教えてもらい、ここで日常業務の基本を学びます。
日常業務に慣れてきた頃、担当患者さんの受け持ちが開始。また、配属科の医療措置に関する処置や検査の補助など、専門的な業務の研修が始まります。
夜勤に向けての研修が始まります。
夜勤が始まります。夜勤が入ると、夜勤も含んだシフト勤務がスタート。プリセプター制度で先輩看護師から指導を受けながら、目標をクリアしていきます。
夜勤で患者さんの受け持ちが開始します。夜勤ありのシフト勤務に慣れてくるのもこの時期でしょう。
入職して半年が経ち、日勤と夜勤の業務でできることが増えてくる時期です。
看護師の仕事にも慣れてきて、日勤業務で独り立ちする人も出てきます。
夜勤が始まって約4カ月ほど経つ時期です。早い人は夜勤業務で独り立ちします。
看護過程の研修が始まります。また、緊急入院の対応や検査出しの対応を一人で行うようになる人もいるでしょう。
病状がより専門的な患者さんの受け持ちが始まる時期でしょう。人工呼吸器や気管切開をしている患者さんの対応を任せられる場合もあります。
一年目の最後の研修が実施されます。
多くの看護師は、総合病院や大学病院へ就職します。そのため、一年目は病棟へ配属されることが多いでしょう。基本的に研修を受けた後に実践を積んでいきますが、具体的な目標設定や研修方法は病院によって異なります。これから就職先を決める看護師は、研修がどのように行われているか事前に確認すると良いでしょう。
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看護師一年目の新人看護師のために、病院側は教育プログラムを用意しています。中でも、プリセプター制度は、ほとんどの病院で導入されている研修制度です。ここでは、プリセプター制度について解説します。
プリセプター制度とは、看護学校で学んだことと、実際の看護の現場で求められることのギャップを埋めるための教育制度です。学生時代と入職後のギャップで受けるショックは「リアリティショック」と呼ばれ、これは一年目の看護師が離職してしまう要因の一つ。そのため、プリセプター制度は、看護学校で学んだ基礎知識をもとに看護実践能力を高め、入職後の不安を和らげるために実施されています。
プリセプター制度では、一年目の看護師を「プリセプティ」、先輩看護師を「プリセプター」と呼び、1年間にわたりマンツーマンで指導を実施。先輩看護師の経験は3~4年程度なことが多いようです。
また、研修中の一年目の看護師は、先輩看護師と一緒に担当患者に看護を提供。その中で、一年目の看護師は先輩看護師に基本的な看護技術や薬の知識、医療機器の操作方法などを教えてもらいます。また、先輩看護師と一緒に看護を提供することで、一年目の看護師はアセスメントや患者との関わり方を学べるでしょう。
先輩看護師は技術的なことだけでなく、一年目の看護師の精神的なサポートも実施。一年目の看護師が一人で悩みを抱えないように、精神的なケアを行うことが先輩看護師には期待されます。
しかしその一方で、日常業務をこなしながら一年目の看護師を指導する先輩看護師の負担は大きめ。先輩看護師と一年目の看護師の関係性が良好でないと、マンツーマンの指導の効果が薄れてしまうため、病院側は相性を考えて組み合わせる必要があるでしょう。
プリセプター制度を通して、一年目の看護師は先輩看護師と親密な関係になり、さまざまなアドバイスを得られるでしょう。相性が良ければ、慣れない業務を楽しめるかもしれません。プリセプターとなる先輩看護師によって指導方法は異なりますが、一つひとつ目標をクリアして業務を覚えましょう。
看護師一年目として働き始めたら、まずは個人目標を立ててみましょう。ここでは、個人目標を立てる際のポイントをご紹介します。
個人目標を立てるときのポイントは以下のとおりです。
個人目標の内容は、できる限り具体的にします。目標設定で重要なことは、誰が見ても評価できる内容であるということです。一年目の看護師の個人目標でよくみられるのが主観的な内容。「〇〇をできるようになる」「〇〇を頑張る」などは、評価する側からみると達成したのか分かりにくくなります。また、どれだけ努力したのかは本人にしかわからないため、評価基準が明確ではありません。そのため、目標設定をする際は「〇〇の勉強をして〇〇までにレポートを提出する」や「〇〇の資格を取得する」など、客観的にみて分かりやすいものにしましょう。
個人目標を決める際は、どのくらいの期間の目標になるのか確認してから設定します。個人目標を決めるタイミングは、病院によって違いますが、基本的に1年に一度か、半年に一度。設定する目標はその期間内の間に達成できる内容にします。また、設定期間より短い時間で達成できる目標は作らないようにしましょう。この場合、目標達成できても余裕があるとみなされ、評価が下がる可能性があります。
個人目標は、自分が達成できる範囲で設定しましょう。難しい目標にしてしまうと、達成までの道のりが厳しく、途中でモチベーションが下がってしまう可能性があります。反対に、簡単すぎると目標として適切とはいえないでしょう。自身の現状に合った目標でないと、上司からの評価も低くなってしまいます。自分が立てた個人目標が適切か分からない方は、上司や先輩看護師に確認してみると良いでしょう。
看護師は給料が高いといわれている職業ですが、一年目の新人看護師の初任給はいくらなのでしょうか。ここでは、最終学歴別にご紹介します。
日本看護協会の「2019年病院看護実態調査」によると、専門学校を卒業した新卒の看護師の予定初任給の平均は、税込給与総額で26万4,307円です。基本給与額の平均は20万1,263円となっています。
日本看護協会の「2019年病院看護実態調査」によると、大卒で新卒の看護師の予定初任給の平均は、税込給与総額で27万2,018円。基本給与額の平均は20万7,856円です。
専門学校卒と大卒の初任給の差額は、平均税込給与総額の場合、7,711円。平均基本給与額だと、6,593円となっています。初任給の金額に大きな差はないようです。しかし、年収で考えると、平均税込給与額の差額はおよそ9万円、平均基本給与額だと約8万円となります。ここに賞与が加わると、さらに年収に差が生まれるでしょう。
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一年目の看護師の中には、新しい環境で仕事を覚えなければならないため、精神的な負担を感じる人もいるでしょう。ここでは、看護師一年目の人が抱えやすい悩みを紹介します。
一年目の看護師にとって、同じ時期、同じ環境からスタートした同期の存在は心強いものです。しかし、スタート地点が同じだからこそ、同期と自分を比較してしまい悩んでしまう人もいます。
悩んでいる理由でよく挙げられるのは「自分だけ仕事ができない」というものです。同期に追いつくために勤務後に毎日勉強しても、なかなか結果が出なくて、しんどさを感じる人もいるでしょう。中には、「自分は看護師に向いていない」と退職を考える人もいます。
看護師は職業柄、女性がほとんどです。そのため、看護師同士の人間関係が悪い職場もあります。そのような場合、職場の雰囲気はあまり良くないでしょう。中には、一年目の看護師への接し方が厳しく、仕事を教えてもらえなかったり、行き過ぎた指導を行っていたりする職場もあります。また、職場の人間関係は良好でも、同期に上手く馴染めず孤立してしまう人もいるようです。
看護師一年目は、覚えることが多く、常に勉強をする必要があります。勤務終了後は勉強会があることも多く、帰宅しても睡眠時間を割いて勉強しなければならないでしょう。また、入社してしばらくは、慣れない環境で心身ともに疲れが溜まってしまう時期。新人ゆえに休みを取りにくい場合や、残業の負担が大きい場合もあります。
看護師一年目の方の中には「まだ一年目だけど辞めたい」と思っている人もいるでしょう。そのような人は、退職の意志を固める前に、以下で紹介する対処法を行ってみてください。
毎日の勤務や勉強で体力が持たないと感じている方は、まず休日は好きなことをして、しっかり休むようにします。勉強熱心な方の中には、「せっかく時間があるから勉強したい」と思う人もいるでしょう。しかし、しっかり休息を取らないと疲れは蓄積してしまいます。体力が限界を迎える前に、適度に息抜きをしましょう。また、上司やプリセプターに業務量の調整を相談するのも一つの手段です。
看護師として向いていないと思っている人は、「なぜ向いていないと思うのか」を考えるようにしましょう。向いていないと思う理由は人それぞれですが、看護技術や仕事の進め方で悩む人が多いようです。
理由が分かったら、プリセプターや先輩看護師に相談します。一年目の看護師が抱える悩みは、看護師であればほとんどの人が経験したものでしょう。そのため、プリセプターや先輩看護師などに相談すれば解決の糸口が見つかる可能性があります。看護師に向いていないと感じている人は、まず周囲の人にアドバイスを求めるようにしましょう。
人間関係の良し悪しは、働き続けるうえで重要な要素のため、上司や先輩看護師、状況によっては人事部などに相談すると良いでしょう。相談しても状況が改善されない場合は、異動を希望するのも一つの手段です。異動が叶わなければ、転職を考えてみても良いでしょう。
しかし、どの職場でも人間関係の悩みは付き物。すべての人が良好な人間関係を築けている職場は多くはありません。自分が苦手な人でも、上手に付き合えるようにある程度のコミュニケーション能力は身に付けておきましょう。
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もし一年目で辞めたいと思ったら、自分が今後どのように働きたいか明確にしてから転職先を探しましょう。一年目の看護師におすすめの転職先は以下のとおりです。
プライベート重視で働きたい場合は、クリニックがおすすめといえます。
クリニックは基本的に夜勤がなく、土日祝日が休み。病院によっては固定の曜日が休日となります。また、外来業務中心で急患対応もあまりないため、残業は少なめ。勤務後や休日の予定が立てやすいといえるでしょう。
しかし、小規模なクリニックの場合は、人が少ないため急な休みは取りにくい傾向にあります。また、クリニックによっては担当する業務が限られるため、幅広い看護経験を積みたい人には向いていないでしょう。
患者一人ひとりに寄り添った看護を行いたい人や地域医療に携わりたい人は、訪問看護ステーションがおすすめです。
高齢化が進む日本では訪問看護の充実は必要不可欠。国は地域医療のさらなる充実を図っています。そのため、訪問看護ステーションの施設数は増え、求人も増加するでしょう。また、夜勤手当はありませんが、給料は比較的高めなようです。
訪問看護ステーションのデメリットといえば、利用者宅への移動が自動車や電動付き自転車なこと。長距離を移動する場合もあるため、ある程度の体力が求められます。
最先端の医療に携わりたい人は、大学病院に転職すると良いでしょう。
大学病院では、最先端の医療を行っており、勉強会も多め。最先端医療を学べる環境が整っており、常に最新の知識や技術を身に付けられるでしょう。また、給料や福利厚生など、勤務条件も比較的充実しています。
大学病院で働くデメリットは、研修医が採血や点滴などを行うため、看護師が基礎的な看護を行う機会が少ないことです。基本的な看護技術を磨きたい人は物足りないでしょう。
美容に興味がある人やプライベート重視な人、高収入を得たい人は、美容クリニックが適しているでしょう。
美容クリニックの大半は予約制を導入しているため、残業は少なめ。病棟を持っていないクリニックであれば夜勤もありません。また、美容クリニックの主な診療は「自由診療」。施術の料金設定はクリニックが自由に決められ、それは看護師の給料に反映されます。そのため、美容クリニックの看護師の給料は高めになるのです。クリニックによってはインセンティブ制度を採用している場合もあります。
働きながら美容の知識を身に付けられるほか、従業員価格で施術を受けられるクリニックもあるため、美容に興味がある人は働きがいがあるでしょう。
しかし、美容クリニックでは疾患を持つ患者に関わることはありません。医療行為を行う機会は減るため、スキルアップは難しいでしょう。今後、病院で働こうと思っても転職は厳しくなる可能性があります。また、販売ノルマを設定していたり、土日祝日に開院していたりするクリニックもあるため、転職する際はしっかり確認するようにしましょう。
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