准看護師から正看護師へ!必要な費用や年数など気になる不安を解消

2020.7.26

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准看護師から正看護師になることで、知識や経験のみではなく活躍できる場を広げたいと考える人が多いようです。しかし、働きながらとなると学費や期間などの疑問がつきもの。本コラムでは、実際にかかる期間や費用のほか、准看護師と正看護師の違いなどを解説しています。准看護師として勤務していてこれから正看護師への道へ進もうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

准看護師と正看護師の違い

この項では、正看護師と准看護師の違いを説明します。

資格の違い

正看護師は、最低3年以上の看護学校または大学を卒業後、資格取得試験に望みます。正看護師免許は、厚生労働省から発行された「国家資格」です。
対して准看護師は、高校の衛生科や看護系大学、専門学校のほか2年課程の准看護師養成所(全日制・定時制・通信制)を修了後、資格取得試験を受験。准看護師免許は、都道府県知事から発行された資格です。各自治体から発行される資格ですが、全国で使用できます。

業務内容の違い

どちらも医療機関や事業所で、ケガや病気で治療を受ける患者さまの療養の世話と、診療の補助が主な業務内容です。
業務上の違いはありませんが、厳密にいうと、正看護師は医師の判断に加えて自身の判断でも処置を行えますが、准看護師は医師と正看護師の指示を受けて処置を行わなければいけません。

給与や待遇の違い

給与水準は、「指示を出す」側の正看護師の方が高い傾向があります。また、キャリアプランにおいても、管理職や新人への教育・指導といった役割は正看護師が担うことがほとんどです。

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准看護師が正看護師になるためのフロー

ここでは、准看護師から正看護師を目指す際のフローをいくつかご紹介します。

看護師学校養成所を修了

看護師学校養成所の2年課程を修了することで、国家試験の受験資格を得られます。看護師学校養成所2年課程は、下記の3種類があります。

全日制

通学の2年課程で朝から夕方までの授業が設定され、正看護師資格への最短ルートと言われています。最終学歴が高卒の方は、准看護師として実務経験3年以上が全日制への入学条件です。

定時制

昼間型と夜間型の2種類があります。平日の昼間や夜間など短い時間で設定しているので、通う期間は3年間など長くなることが多く、履修例としては1、2年次は座学、3年次は主に実習を行います。全日制と同じく最終学歴が高卒の方は、准看護師の実務経験3年以上が入学条件となります。

通信制

通学する必要がない2年課程で、最終学歴が高卒の場合は准看護師として実務経験7年以上が入学条件です。通信教材での座学のほか、実習は2年間で50日以上と規定された登校と指定された病院での実習があります。また、通信制には2年課程のほか短期集中コースを受講することもできます。

上記でいう実務経験は、就業した場所や勤務形態を問いません。

国家試験を受験

上記の教育課程を修了後、正看護師資格を取得できる国家試験を受験することができます。
国家試験を受験するスケジュールは、以下のようになります。

・前年の10月下旬に受験願書配布
・11月中に必要書類の提出
・年明け2月頃に試験本番

国家試験は年に1回、定められた12の都道府県で実施されます。
試験科目は、概ね基礎看護学・成人看護学・老年看護学・小児看護学・母性看護学・精神看護学などの約11科目です。

参照:厚生労働省「看護師国家試験の施行

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正看護師になるための費用

正看護師になるために必要な学費の主な内訳は、下記のとおりです。

入学金

看護養成所などへ入学する際に必要となります。10万円から30万円が一般的です。

授業料

教育課程には2年制や3年制があるので、通う年数分が必要となります。
公立の看護学校だと1年間の授業料は、約40万円程度で、私立は約100万円と2倍の学費が設定されています。全国平均でいうと、約85万円と言われています。

教材費

教本や実習で使用する教材の費用です。例えば1年次には、聴診器や血圧計を約1万円で購入することが多くあります。

諸経費

ユニフォーム代や実習に参加するための費用、交通費、該当者はワクチンの摂取が必要となります。都度、支払いが発生することがあるので、多めに想定しておくとよいでしょう。

上記の費用の金額は、入学する学校によって異なります。しかし、公立とはいえ医療系の学校は、授業で使用する専門性の高い医療機器を購入したり、効果な教材を使用したりすることもあり、授業料以外の諸経費は多く見積もる必要があります。

奨学金や給付金制度

准看護師から正看護師へステップアップをする際、多額の学費が必要となり、不安要素のひとつと言われています。しかし、下記のような経済的支援を受けることができます。

給付金

定められた受給条件を満たしていれば、自治体や入学する看護学校などから給付金を利用できます。

奨学金

一般的には、返済が必要な「給付型」と条件を満たせば返済が必要のない「貸与型」の2種類があります。日本看護協会や自治体、病院が運営する奨学金があります。

上記のほか、現在勤務する医療機関が資格支援制度として費用の一部負担やシフトの調整などを実施していることもあります。

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正看護師になるための準備

働きながら正看護師の資格取得を目指す人も多くいます。そのためには、下記のような準備が必要となります。

情報収集

看護学校に入学する際の時期や費用について、通学する場合は学校の場所など自分に無理のない履修方法であるかの情報を集めることをお勧めします。
費用面で不安がある場合は、勤務先の病院で資格取得支援制度があるかや奨学金について調べておきましょう。
また、国家試験の実施日程や願書の提出日は年によって異なるので、試験に関する情報も早めに収集するとよいでしょう。
これらの情報は、各自治体の研修会などに参加することで集めることもできます。

プランを立てる

情報収集の結果をもとに、自分の勤務スタイルや生活スタイルに無理なく資格取得が可能かのプランを立てましょう。
学校への入学時期や教育課程を修了するのは何年後か、及び国家試験への受験時期などの予定を立てることで、目標が可視化できます。
入学時期は今すぐは無理でも、現在の仕事の状況が一段落し入学できるのはいつ頃なのか目安を立てることも重要です。

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正看護師になるメリット

正看護師になることで、以下のように看護師としての将来のキャリアプランに広がりを持たせることができます。

自身の判断で看護業務ができる

国家資格を持つ正看護師は、医師の指示とともに自身の判断で処置を行うことができ、より自主的に看護業務が実践できます。経験やスキルを積むことで自分が望む看護業務を実践できるでしょう。

待遇や給与が上がる

正看護師になると、給与や手当、利用できる福利厚生などの待遇が上がります。これは、保有している資格の違いからと言われています。

さらなるキャリアを構築

正看護師として経験を積むと、他の看護師への指示や業務の管理など、管理職に就くことができます。
さらにその後、専門性の高い看護を実践できるステージへキャリアを構築できます。
主に以下のようなキャリアアップを目指せます。

・認定看護師
・専門看護師
・認定看護管理者
・助産師
・移植コーディネーター
・保健師

がんや精神科医療、急性期など幅広い科目があり、自分の興味を持ったものや知識を深めたいと考えた分野において、専門知識を活かして高い水準の看護を実施できます。また、看護スタッフの教育や管理など、管理職に就くために有利な資格もあります。
そのため、自分がなりたい看護師像に近づくことができるでしょう。

ここまで、准看護師から正看護師へのステップアップについて紹介しました。
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