「あなたにとっては、なんのへんてつもないものでも、患者さんにとっては宝物なことがある。」
看護学生で実習に行くときに、最初にそう習った。
そして、いろんな患者さんのベッドサイドに立って看護をしていると、本当にそう思う。
この漫画の患者さんにとっては、ミカンが宝物だった。いや、ミカンに詰まった孫との思い出が宝物だったんだと思う。
歳をとり、自分の記憶が途切れるようになったとき、私は一体何を思い出すんだろう。
今、何気なく食べている家族とのご飯も、いつか宝物のような記憶になるのだろうか。
もうとっくに大きくなった孫に、ミカンを握って、声を大にして応援している患者さんを見ていて、ふとそう思った。
中山有香里
【『看護師メシ』バックナンバー】
『看護師メシ』vol.3 ~休憩室を襲う「カップ焼きそば」~
『看護師メシ』vol.4 ~特別感がある「パン屋さんのパン」~
『看護師メシ』vol.10 ~折れた心を癒やした「天津飯」~
『看護師メシ』vol.11 ~無言のコミュニケーション「隠しオヤツ」~
『看護師メシ』vol.12 ~後輩の差し入れ「アップルパイ」~
『看護師メシ』vol.13 ~職員食堂の人間模様と「カツ丼」~
『看護師メシ』vol.14 ~落ち込む新人時代と「炊き込みご飯」~
『看護師メシ』vol.15 ~かたくなな患者さんの「娘さんのお弁当」~
【プロフィール】
中山有香里
看護師?イラストレーター。著書に『ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術『悲しいくらい人に聞けない看護技術』(メディカ出版)
Twitter:@musashi_0303
Instagram:@zurukan.yukari33
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