施設で活躍する看護師へのインタビューシリーズ。今回は「社会福祉法人みねやま福祉会 峰山乳児院」に勤務する中野 実夏さんを取材。病院勤務を経たからこその思いや、乳児院で働くやりがいについて伺いました。
プロフィール
中野 実夏(なかの みなつ)さん(写真左)
「社会福祉法人みねやま福祉会 峰山乳児院」(京都府)勤務の29歳。看護学校卒業後、大学附属病院の整形外科に3年勤務し、バセドウ病を発症し退職。しばらく療養し、2017年10月より現職。現在症状は落ち着いている。現在は育休中で2021年4月に復帰予定。休日は子どもと海で散歩するのが日課。
ーー現在の職務内容について教えてください。
当施設は乳児院なので、主な仕事は保育業務ですね。乳幼児の遊び相手をするようなイメージです。看護師としては乳幼児の健康管理や通院の付き添い、2カ月に1回の小児健診の補助をしています。夜勤もあり、看護師と保育士がローテーションで担当していますよ。
当施設が預かる乳幼児は生後7日~3歳くらいまでで、定員は20人です。4歳以上になると同法人の児童養護施設に移られるケースが多いですね。
ーー乳児院で働くまでの経歴を教えて下さい。
看護学校卒業後、ドクターヘリでフライトナースとして働きたいと思っていたので、大阪府内の大学附属病院に就職しました。ただ、就職できたのは整形外科で、救急や集中治療室への異動希望は人員の都合で通らず、思うような部署で働けませんでした。それでも経験を積もうと思い、3年ほど働き続けたのですが、バセドウ病を発症し、療養のため退職して地元の京都に戻ることにしました。
しばらく療養して病気が落ち着いた頃、また働こうと思い、看護資格を活かせる仕事を探しました。そこで乳児院の仕事を知ったんです。子どもの面倒を見るのは好きだったので興味が湧きましたね。私は過去に小児科で働こうと考えたこともありますが、幼い病気の患者さまを看る責任は大きいと考え、踏みとどまったんです。しかし、乳児院では、元気な子どもたちのお世話や健康の管理をしつつ、異変がいれば対応します。保育士に近い仕事をしながら看護師としての仕事も全うできるのが、自分に合っていると感じました。
ーー乳児院で働くのに不安はありましたか?
ありました。病院退職後に初めて乳児院の存在を知ったので、そこでの看護師の仕事内容が漠然としかイメージできずに不安でした。実際に働きはじめてからは、病院とのギャップを感じることもありました。たとえば薬を使う際、病院では看護師は医師から指示を貰う立場だったのが、乳児院では保育士に指示を出す立場に変わり、指示を出す難しさを知りましたね。困ったことがあれば、ベテランの看護師スタッフが2人いるので、相談するようにしています。
ーー乳児院の仕事でおもしろいところはどこですか?
乳幼児と楽しく遊びつつ、看護や保育の仕事ができるところです。子ども好きな私にとって元気な乳幼児の面倒を見られるのは乳児院で働く魅力ですね。
▲1歳3カ月になるお子さんとの一枚。晴れた休日は外で遊ぶことが多いのだとか
ーー施設看護の大変なところはどこですか?
大人数で生活する場という都合上、感染症対策に気を使わなければならないところです。過去に、当施設の子どもがRSウイルスに感染してしまったことがありました。RSウイルスは、ほとんどの子どもが2歳までにかかる感染症です。一般的には鼻水や熱などの軽い症状で済みますが、場合によっては重症化することもあります。
当時からエプロンの消毒や手洗いなど感染症対策は徹底していましたが、感染力の強いウイルスということもあり、施設内で感染してしまったんです。すると感染した子は症状が悪化して、結局入院する事態になってしまいました。そのときに、「早く病院に連れていけば良かった」「感染対策をもっと徹底すればよかった」と思いましたね。
一方で以前、ノロウイルスの感染があった際は、病院勤務で得た感染対策の知識や経験を活かして迅速に対応できました。感染対策は病院勤務の頃から特に気をつけて、勉強をしていた分野なんです。現在は施設としても対策をより強化していますし、私も過去の経験を活かして感染予防に重きを置いて看護を行っています。
ーー施設看護師として大切にしていることを教えて下さい。
乳幼児の体調を把握することです。乳児院では容態の急変や集団感染が起こることもあります。看護師は乳幼児の些細な変化に気付き、できるだけ症状の悪化や感染拡大を未然に防がなければなりません。感染対策など日頃から意識しつつ、乳幼児の体調を日々観察するのが看護師として大切なことだと思います。また、乳幼児に異変があったときは、病院に連れて行くと判断するタイミングも気をつけていますね。
ーーこれから施設看護師としてどんなことに?を?れていきたいですか?
周りのスタッフから頼られる看護師になりたいです。先輩のベテラン看護師2人は、仕事のことからプライベートのことまで何でも相談できる存在で、話しているとほっとします。自分もそんなスタッフになりたいですね。
ーー施設看護に興味がある看護師へ??お願いします。
施設看護師として乳幼児の様子を看るのには、知識がある程度必要だと思います。そのため、いきなり乳児院で働くよりは医療機関などで経験を積んでからのほうが良いかもしれません。私は大学附属病院の整形外科で、その科の疾患だけでなくさまざまな症状を看てきました。乳児院では保育士に指示を出すこともあるので、そういうときに病院勤務の経験が生きていると思います。
ーーありがとうございました。
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