
ウイルスは目に見えないことから、知らず知らずのうちに感染しているものです。
特にエアロゾルは接触や飛沫よりも気づきにくいため、院内感染拡大を引き起こす要因ともなり得ます。
そこで国立大学法人電気通信大学に在籍する石垣 陽准教授をはじめとする研究グループが、エアロゾル感染による院内感染対策の研究に取り組んでいます。
院内感染拡大防止に向けてどのような対策を取れば良いのか関心がある看護師さんは、ぜひ最後までご覧ください。
新型コロナウイルス感染拡大防止の対策の一つとして、室内の換気を行うことが挙げられています。
これは、感染者が「換気の悪い密閉空間」にいた場合、感染者から放出されたウイルスを含むエアロゾルがしばらく空中を漂い、近くにいる未感染者がそれを吸い込むことでエアロゾル感染が起きるリスクがあるためです。

しかし、国立大学法人電気通信大学の石垣 陽准教授と、i-パワードエネルギー・システム研究センターの横川慎二教授をはじめとする研究グループが、他施設や他研究グループとともに行った調査によって、単なる換気だけでは対策が不十分であるケースがあることが明らかになりました。
このような不適切な換気によってエアロゾル感染が起きる可能性が高まり、結果として感染拡大に繋がる恐れもあると言います。
今回の調査から新たに導き出されたエアロゾル感染の要因は、2つあります。
1つ目は、「気流に乗ったエアロゾルによる風下汚染」です。
集団感染が起きたある高齢者施設でのCO2センサーネットワークを駆使した再現実験によると、感染者が入居していた個室から、吸引力が強い換気扇が設置されたデイルームへ気流が発生していたことが判明。そのために、風下となるデイルームの利用者にエアロゾル感染が広がったと結論づけられました。
そこで同フロア内では、陰圧と陽圧の圧力差を考慮した換気方法が求められるようです。
そして2つ目に、「送風機・扇風機によるエアロゾルの飛散」が挙げられています。
これは工場の事務室で起きた集団感染を、CO2トレーサーガス法で再現実験したことで判明しました。
当時は空気の逃げ場がない状況で送風機が使用されており、それにより発生した気流によって、感染者から放出されたウイルスを含むエアロゾルが辺りに広がった可能性の高さが説かれています。
そこで送風機や扇風機を使用する場合は、室内の空気を外へ押し出すように外向きに設置したり、空気の淀みがあるような場所に向けたりすることが有効だと考えられるようです。
以上2つの要因から、研究グループは「送風機や扇風機の設置方法の見直し」と「施設内での気流の確認と管理」がエアロゾル感染へのリスク減少に繋がるとしています。

医療福祉機関の現場で働く看護師さん、ICTやICNなどで活躍する方にとって、これらは院内感染対策を図るうえで有益な情報となるのではないでしょうか。
なお、こちらの動画ではエアロゾル感染についての座学と医療機関でのチェックポイントがまとめられているので、動画を視聴することでエアロゾル感染への理解をより深められるかもしれません。
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