
本記事では、看護師と医療従事者の方々が、キャリアアップや新たなスキルの獲得を目指せる注目の組織をご紹介します。それぞれテーピングの実践講習、看護師限定のワーキングホリデー、医療通訳のための研修、そして中国医学の基礎講座といった幅広い学びの機会を提供しています。
より良い医療を提供したい、専門性を高めたい、そんな向上心をお持ちの方々にとって、きっと明日からの現場に役立つ情報となるはずです。次からは、各組織が提供するユニークなプログラムと、そのメリットについて詳しく見ていきましょう。
一般社団法人 日本アスリートライフサポート協会は、2022年に設立された組織です。スポーツ現場で発生しうる、さまざまな救急対応を必要とする場面で的確に対応できる人材の育成のほか、各種講習会やセミナーの実施、イベントでの救護活動などを通して、スポーツ界の安全に貢献することを目指しています。
特に脳振盪、熱中症、心肺停止といった生命に関わる事態への迅速な対応に焦点をあて、人材育成と知識・技術の普及に注力。医師や看護師、トレーナー、救急救命士、栄養士など、多様な職種の専門家が集まり、アスリートをトータルサポートできる体制を構築し、スポーツ界全体の安全向上に寄与しています。

「JIN’s TBC(Taping Boot Camp)」は、スポーツ現場でテーピングを巻く際に自信を持って対応できるようになるための実践重視型の講習会です。「スポーツ現場で活動しているが、テーピングの技術に不安がある」「選手のサポートをしたいが、テーピングについてよくわからない」といった方々にとって最適な学びの場を提供しています。
同講習会の特徴は、とにかく「巻いて巻いて巻きまくる」こと。1回の講習で5時間の実践時間を確保し、専門家の指導のもと、テーピング技術を徹底的に習得できます。
講習会は初心者向けのLEVEL1と上級者向けのLEVEL2(現在準備中)があり、それぞれのレベルに合わせて学ぶことができます。
講習会のタイムスケジュールとしては、受付とガイダンス終了後にテーピング概論講義を行い、休憩を挟みつつ「足関節捻挫基本」「足関節捻挫応用」「肉離れ」「指」の4つの実技を実施する流れです。
なお、同講習会は、日本健康運動看護学会の健康スポーツナースおよび日本スポーツ救護看護学会のスポーツ救護ナース更新講習会としても認定されており、参加者の約3/4が看護師とのこと。
こうしたスポーツ現場以外でも、同講習会で得たテーピング技術は役立ちそうです。たとえば、ツアーナースとして活躍している方や、応急処置に携わる看護師の方々は、ぜひとも心得ておきたい技術なのではないでしょうか。

「スポーツメディカルラリー(SMR)」は、スポーツ中に発生するさまざまな症例に対応できる能力を養うことを目的とした、ユニークな実践型学習イベントです。参加者はチームを組み、リアルなシナリオが設定された複数のブースを回り、模擬患者に対する救護シミュレーションを行います。
昨年のSMRでは、自転車落車事故、ハンガーノック、熱中症、落雷による心停止というシナリオを設定した4つのブースを準備しました。
このSMRは単なる競技ではなく、シミュレーションを通して計画・実行・評価・改善のプロセスを経験し、チームでの対応を振り返ることで、より適切な対応方法を見出すことを重視しています。参加資格は設けておらず、学生から社会人まで、さまざまな分野の専門家が一堂に会し、現場力やマネジメント力、そして考える力を養うことができます。
スポーツ救護のシミュレーション対応を通して、多くの立場の人の考えや行動に触れることができるのも大きな特徴です。スタッフや参加者には看護師や看護学生も含まれており、臨床以外でのスポーツ現場をベースとした看護を学べます。
こうしたSMRへの参加は、多職種連携の理解、想定外への対応力を磨く貴重な機会となるでしょう。スポーツ現場での経験は、医療現場の緊急時対応にも応用できる大きな強みとなります。
株式会社ワールドアベニューは、「世界に通用するキャリア形成を支援する」というミッションを掲げ、教育を通して社会変革に貢献することを目指す教育支援会社です。1995年の設立以来、長年の留学サポート実績と海外教育機関との強力なネットワークを活かし、個人・法人向けの留学支援事業、英語や医療従事者向けのオンライン教育サービス、法人向けの集客・Webマーケティング支援など、多岐にわたるサービスを提供してきました。
同社は、学ぶ楽しさをテクノロジーと人間力の両面から後押しすることで、クライアントの人生における成功に寄与することを目指しています。いまのAI時代において必要とされるリスキリングの重要性を認識し、生涯学習の促進にも注力している企業です。

「看護師限定ワーキングホリデー」は、日本の正看護師資格と経験を活かして、オーストラリアで看護助手(アシスタントナース)として有給で働くことができる、看護師限定のワーキングホリデープログラムです。英語学習、オーストラリアの看護助手資格取得、そして看護助手としての有給インターンシップという3つの要素が1年間のプログラムに凝縮されています。
「1年間で英語力を高めつつ海外の医療・看護現場を経験したい」「看護師の経験を活かしながら海外生活を楽しみたい」といった看護師の方々の希望を叶える留学プログラムで、年間300名以上が参加しています。

同プログラムの特徴は、正看護師資格と1年以上の実務経験があれば、英語力初級レベルからでも参加できる点です。出発前には、オンライン英語学習とコーチング、オーストラリア到着後には語学学校での英語研修と看護助手資格取得コースが用意されており、安心して海外生活をスタートできます。仕事紹介サポートも含まれており、履歴書作成や面接対策などの支援を受けられます。
実際に、参加者の78%が英語力初級レベルからのスタートです。看護助手としての平均時給は$30-40(約3,000円〜4,000円)と高水準であり、一般的なワーキングホリデーのアルバイトと比べて1.5倍〜2倍以上の時給で働くことが可能です。
さらに、出発前の医療英語動画講義や、オーストラリアでの医療英語研修を通して、実践的な医療英語を習得できる点も大きなメリットです。
これらの経験を通して培われるグローバルな視点と実践的なスキルは、帰国後のキャリアアップにも繋がる貴重な財産となります。
同プログラムへの参加は、看護師としての豊かな経験を積むうえで、その第一歩を踏み出すための絶好の機会となるでしょう。

医療通訳者によって設立された全国医療通訳者協会(NAMI)は、医療通訳の普及と質の向上を通して、医療を必要とする全ての人々の健康と福祉に貢献することを目的とする職能団体です。
同協会は、医療通訳を専門職として確立し、社会的地位向上を目指して活動しています。具体的には、医療通訳者のスキルアップ支援、労働環境の改善、資格認証制度や研修制度の整備促進など、多岐にわたる取り組みを実施。会員は、現役の医療通訳者(在住外国人向け・訪日外国人向けどちらにも対応)や医療通訳に関心のある方で構成されており、多様な立場の人々が繋がり、意見交換や学習を通してともに成長できる場を提供しています。

グローバル化が進む現代社会において、医療現場における多言語対応のニーズはますます高まっています。
しかし、質の高い医療通訳を提供できる人材は依然として不足しており、患者と医療従事者の円滑なコミュニケーションを支える医療通訳者の育成が急務となっている状況です。
このような背景のもと、同協会は医療通訳の質の向上と人材育成を目指し、50時間の医療通訳育成研修「CHIP研修(Critical Healthcare Interpreters’ training Program)」を定期的に開催しています。
同研修は、医療通訳を志す方、すでに医療通訳として活動中でさらなるスキルアップを目指す方にとって、実践的なスキルと知識を習得できる内容となっています。
CHIP研修の特徴は、医療知識を外国人診療に詳しい医療者から、通訳の知識と技術を現場の医療通訳者から学べることです。
また日本語を母語としない学習者にも配慮し、分かりやすい日本語で講義を行っています。
講義と連動した実践的な通訳練習、ロールプレイ、そして言語別講師による指導を通して、医療現場で必要なスキルを効果的に習得できます。
研修は年度内に5回、土日各5時間で合計50時間行います。午前は90分の座学中心、午後は60分の言語別ロールプレイ練習が中心です。Zoomを用いたオンライン形式なので日本全国、あるいは海外からも参加可能です。
座学では医療通訳に必要な医療知識を医療者から学び、質疑応答など双方向な研修を行っています。たとえば2024年度第3回の研修では、放射線科、薬の話、泌尿器科、保健医療制度をそれぞれ放射線技師、薬剤師、医師、ソーシャルワーカーなどの専門家から学びました。
午後のロールプレイ練習では、英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語といったさまざまな言語に対応。それぞれの言語に精通した医療通訳者の指導のもと、実践的な通訳スキルを磨ける研修内容となっています。
各回ごとに申し込みが可能で、年間を通して参加することで自主学習のモチベーションアップにも繋がります。
なお、同研修は、日本医療教育財団主催の医療通訳技能認定試験「基礎」(英語・中国語)および日本医療通訳協会主催の「医療通訳技能検定試験」(英語・中国語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語・ベトナム語・韓国語)の受験資格としても認められています。
看護師を含む医療従事者にとっても、医療通訳に関する知識と理解は、外国人患者とのコミュニケーションを円滑にし、質の高い医療サービス提供に不可欠です。
外国人患者対応のスキルアップを目指す医療従事者の方は、この機会にCHIP研修への参加を検討してみてはいかがでしょうか。
今後の研修予定について、詳しい情報についてはぜひ公式ホームページにてご確認ください。

中国医学協会は、「医療に選択肢を」というスローガンのもと、中国医学の普及、研究、発展に貢献することを目指す組織です。中国医学を専門とする会員たちが中心となり、多様な研究や活動を行っています。
主な活動は、中国医学に関する教育と指導者の育成、中医学検定・認定試験の実施と資格発行、中国医学の研究とその成果発表、中国医学の診断デバイスの開発など。これらの多岐にわたる活動を通じて、現代医療を中国医学の知見で補完し、人々の健康に新たな選択肢を提供することを目指しています。
近年、健康ブームへの関心の高まりを受けて、中国医学の必要性が再認識されています。
同協会では、中国医学を体系的に基礎から学べる講座を提供しており、日本の漢方についても原点から理解を深められる内容となっています。
講座は一般クラスとドクタークラスの2つがあり、なかでもドクタークラスは、医師や看護師、助産師などの医療従事者が参加対象です。学習プログラムとしては、中医学の基礎を学習し、中医診断(弁証)ができるようになること、弁証に合わせた治療(漢方、ツボ治療、そのほか中医治療法)の知識を身につけること、西洋医学理論と異なる視点の医学理論を理解することを目的としています。

ドクタークラスは初級、中級、上級コースのレベルごとに構成されており、たとえば初級コース(全6回)では、中医基礎理論編として、中国医学概論、陰陽五行学説、臓象、経絡などを学びます。中医学の基礎を築くための重要な概念を理解し、今後の学習の土台を築ける講座内容です。
中級コース(全9回)では、中医診断学編として、中医診断学概論、望診・聞診・問診・切診といった四診、八綱弁証、気血津液弁証、臓腑弁証などを学習します。中医学に基づいた診断方法を学び、患者さんの状態を的確に把握する力を養えます。
上級コース(全18回)では、中医治療学編として、整体治療学、整体手法、腧穴学、整体療法、中医内科学などを網羅的に学習。中医学のさまざまな治療法を理解し、患者さんの状態に合わせた適切な治療法を選択できるようになることを目指すコースです。
これらのコースの講師陣は、医師や看護師、セラピスト、療法師などさまざまなバックグラウンドを持つ経験豊富な専門家で構成されています。受講生の学習を丁寧にサポートする仕組みが整っているのも、注目すべきポイントでしょう。
また、全てのコースで1コマあたり3時間の授業時間となっており、講義は毎月第2日曜日の午前から昼にかけて実施されます。会場での参加、もしくはオンラインで受講でき、都合により参加できない場合は、YouTubeで授業動画を視聴することも可能。忙しい合間にも学習できそうです。
中国医学の知識は、現代医療において新たな視点と治療の選択肢を提供する可能性を秘めています。医師や看護師の方々にとって、中国医学の考え方を理解することは、患者さんへより包括的なケアを提供するうえで役立つでしょう。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載