看護師として病気や怪我などに悩む患者さんと向き合い、より良い関係を作ることは、治療をスムーズにすすめ、患者さんの回復にとって良い効果をもたらします。
しかし、残念なことに、中にはそんな親切が仇となり、患者さんから一方的過ぎる好意を寄せられ、困惑したり、恐怖を感じる看護師がいます。
北里大学の和田耕治講師が2010年2月に実施した調査では、220人の看護師のうち24人が「患者さんからストーカー行為を受けたことがある」と回答しており、全体の1割がストーカー被害に遭ったことを報告しています。
これは数年前のデータですが、モンスターペイシェントが急増している昨今でも、患者さんのストーカー行為に悩んでいる看護師は少なくないようです。
朝日新聞の記事によると、「ストーカー行為を受けた」と答えた看護師のなかには、「退院後に下着を送りつけられた」、「待ち伏せされて電車に乗り込んできた」といった話があり、好意を逸脱した、一歩的で、度を超えた行為であることが分かります。
有効回答は220人。9割が女性だった。患者のストーカー行為を経験した看護師は24人(11%)。被害を受けた女性は「担当した男性患者が退院後、女性向けの下着を送ってきた」「通勤途中で待ち伏せされ、電車の同じ車両に乗ってきた」と回答。
(中略)
妄想型の意識の低い患者が多く当然予想される実態だ。被害の掘り起こしと適切な制裁、フォロー活動が求められる。医療関係者よ心せよ。
引用:看護師の1割がストーカー被害を経験(2010年5月28日:朝日新聞の記事)
とても残念なことですが、献身的な看護師の対応に妄想を抱き、ストーカーになるケースが多いそうです。
退院後に限らず、入院中であっても、看護師に対してセクハラ行為を繰り返す患者さんもおり、「仕方なく我慢している」と答えた看護師が多いという実態も報告されています。
入院中に看護師に特別な感情を抱き、退院してから付きまとう患者さんもいて、あまり公にはなっていませんが、実際に被害に遭った看護師がいるという現状は明らかに問題です。看護師の就業環境を医療界全体で考えていく必要があるのです。
もし、入院中にストーカー行為に発展しそうな「一歩的な好意を向けてくる」患者さんに遭ってしまった場合、一人で悩まずに、師長や主任など上司に報告し、他のスタッフと情報共有することが必要です。
連絡先を聞かれたり、しつこく誘われたりするような行為をする患者さんには、注意が必要です。
看護師という立場上、なかなか難しい対応になると思います。しかし、中途半端な対応は相手に「まんざらでもない」と都合の良い解釈を取られてしまい、ストーカー行為に発展させてしまう恐れがあります。
少しでも不安を感じたら、速やかに上司へ相談するようおすすめします。
自分自身の身の安全はもちろんのこと、病気や怪我などによりメンタル面でも不安定になっている患者さんを、ストーカーにしない・させないよう、早めの情報共有と対策が大切なのです。
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