手術室のスタンダードプリコーションとは? 「数年間の変化と傾向」

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はじめに
手術室と聞いて初めに思い浮かぶのは、医師や看護師が並んでブラシと専用の消毒液を用いて手術前の手洗いをしている様子という方も多いのではないでしょうか。

手術室では、感染予防のために手指消毒を行い、帽子、マスク、ゴーグル、ガウンを着用して清潔野を確保します。患者様も、手術部位を含み必要な範囲をアルコールやポピドンヨード、クロルヘキシジンなど組織や病変に合わせて適切な消毒薬で消毒します。もちろん、体内で使用する器械はすべて滅菌処理され、滅菌処理された清潔なドレープにより術野が確保されます。

近年では、スコープを用いて体外から開けたポート孔からスコープや鉗子を入れて手術を行う腹腔鏡や胸腔鏡鏡補助下の手術も増えてきました。従来のように大きな切開創を作らず、比較的少量の出血で手術が可能になりました。

しかし、一方で開心術や開胸術、開腹術、開頭術のように直接組織の状態を確認しながらの手術が必要となる症例も少なくありません。手術スタッフは、患者様の血液などの感染源から身を守る必要があります。こうした背景から、手術室では、徹底した感染予防策が行われているのです。

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手術室の空調の違いと感染症を患っている患者様への配慮

1746_①手術室の明るい空間.jpg

・手術室内や滅菌物を保管、展開する部屋は、周辺室や廊下に対して陽圧に管理されています。清潔区域は、空調のフィルターや建物の構造によって高度清潔区域~準清潔区域~不潔区域と扉で仕切られています。く空調管理だけでなく、不潔なもの(患者様に使用したリネンや器械など)は、清潔区域に入ることがないように動線が確保されくているのです。

・手術の種類(人工弁や人工関節を挿入する手術は最も清潔度の高いとされる手術室で行われますし、消化管の手術や褥瘡や壊死組織の処置は清潔度の高い部屋を汚染しないように配慮します)や患者様の感染症、アレルギーの有無によって手術の順番を考慮しています。

・患者様の感染症の種類、感染力によっては手術を中止することもあります。

・走って埃を巻き上げることがないように努めます。

 
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手術前の手洗い

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以前は、滅菌水を用いて消毒液と滅菌ブラシを用いた手術時手洗いをした後、滅菌ペーパーで水分をふき取るという方法を行っていました。しかし現在では、ブラシで皮膚が傷つき、微生物が付着する、若しくは手荒れを起こし微生物が付着しやすくなるという傾向があり、あまり推奨されなくなってきました。

・ブラシを使用しない揉み洗い法が主流になり滅菌ペーパーで水分を取った後、手指消毒用のアルコール消毒を行うという方法が主流です。

・近年では、流水で衛生的手洗いをし未滅菌のペーパーで拭き取った後、手術前専用濃度のアルコールを擦り込む擦式消毒の効果が認められ、日常的に行われています(アルコールのみの消毒)

・手洗い方法や時間による消毒効果に関しては、スタッフの手の状態(手荒れがあったり、アレルギーがあったりすると使用できない消毒薬があるため)に左右されるため、併用している施設が多いです。

・手術にかかわるスタッフは、手洗いや長時間の滅菌手袋着用により手荒れを起こすことも少なくないため、個人個人に合った消毒方法を選択する必要があります。

汚染物の処理

1746_③輸血と手術.jpg

・手術で使用した物品は、感染症の有無にとらわれずにすべて感染源として予防策に沿って処理されます。

・術前の感染症の結果だけでなく、術中に使用する輸血などからも感染が起きる可能性があるからです。

・緊急手術では感染症の有無が分からないことが多いため、通常通り感染予防策を徹底する必要があります。
※しかし、標準予防策を取っているからといって、「感染症の有無に関する情報が必要ないのか」という部分では意見が分かれているのが現状です。感染症だと知りながら予防する場合と知らずに予防策を取っていた場合では、スタッフの気持ちに違いが生じるのは当然のことです。「すべての手術時に同じように標準予防策を徹底すれば問題ない」ということにももちろん納得できますが、実際手術に関わるスタッフとしては、これまでの対策経験もあり、心構えとしても「術前に感染症の有無を知っておきたい」「みんなでより気を付けていきたい」という意識が生まれることは自然なことでもあります。

スタッフの知識・教育

1746_④医師と看護師のミーティング.jpg

・手術では血液が飛んだり、骨などの組織を削る際の汚染などがあり、感染予防策を徹底することが大切です。

・必要に応じてゴーグルだけでなく、頭からすっぽりかぶるシールド付きのガウンなども利用しています。

・メスや針、ハサミを使用するため、ニュートラルゾーンを設けたり配置、取り扱いの知識や技術も必要です。

・感染症予防や対策に関する知識も重要であり、早期対応が求められます。

おわりに

手術室では、手術部位感染やスタッフの感染症を予防するために徹底した標準予防策がとられています。また、日々新しい消毒方法や滅菌方法などが研究され導入されているのが現状です。

手術室での勤務について感染症の心配を考える看護師の方も多いとおもいますが、感染症に関する知識・技術を身に着けることで安全な手術を行うことができますよ。

 
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