西オーストラリア・パース在住11年、パース市内の公立病院一般内科勤務歴10年目のKayが日本の病棟ではありえない!仰天エピソードをお届けしています。
今回はブラダースキャナー(膀胱用超音波画像診断装置)についてご紹介します。
私がオーストラリアの病院で働き始めて、早10年、この機械と出会った時の感激は今でも忘れられません。
<出典:シスメックス株式会社 「膀胱用超音波画像診断装置 BVI 6100」>
ブラダースキャナーとは膀胱に超音波パルスを送出し、膀胱内の断層画像が見られる機械です。
患者さんで、朝からずっと長時間にわたり排尿がない場合、排尿困難がある場合など膀胱内にどれだけ尿が溜まっているのかは腹部膨隆が極度にみられる場合を除いては外からは見えません。
排尿後の残尿量測定、排尿困難のための尿量測定などは導尿しない限りは尿量の把握は難しいですよね。
導尿するにも処置にも準備にも時間がかかります。
そんな時に手軽に使えるのがブラダースキャナーなのです。
これを使うことによって膀胱内の尿量を即座に簡単にしかも非侵襲的に知ることができる優れモノなのです。
使い方は簡単です。
患者さんにベットに仰向けに横になってもらい、膀胱のある位置(おへそから3横指下)の腹部に超音波診断用のゼリーを塗りスキャン装置を当ててボタンを押すだけです。
即座に装置に付属しているモニターに膀胱内尿量が画像と数字で表されます。
膀胱の位置があてる位置とずれていたりするとモニターに矢印が表示され的確な測定位置を示してくれます。
超音波診断なのでもちろん痛みはありません。
スキャン画像は機種によってはプリントアウトも即座にできるので、記録としても残すことができます。
わたしの一般内科病棟では主に膀胱留置カテーテル(IDC)を抜去した後の経過観察に使われます。
IDCを抜去後の排尿後にどれだけ膀胱に残尿があるかをブラダースキャナーで確認し排尿困難などの後遺症がないかを観察します。
前立腺肥大症による排尿困難や頻尿などがある患者さんの残尿量測定にも使用したりします。
尿量が少ない時にIDCが詰まっていないか?などの確認などにも使われます。
使用に当たりいくつかの注意点があります。
まず座位や立位では測定ができません。
必ずベッドに寝ている状態で計測します。
ブラダースキャナーから出る超音波パルスが体内のある水分が溜まっているところに跳ね返ってきたものを画像にしているので腹水のある人、妊娠中の人に使っても測定値は不明確です。
機械には選択する性別モードによって測定値が違うことがあります。
女性でも子宮摘出術をしている人は男性モードで測定することが必要です。
最後にやはり医療器具ですから、値段が高いのです!
下手すると日本では新車が買えちゃうくらいの価格です。
ハンディータイプのものは手持ちのヘアドライヤーよりも小さいので紛失してしまう可能性があります。
決してなくしたり、倒して壊さないように取り扱いには十分に気を付けてくださいね。
いかがだったでしょうか?
導尿をしなくても膀胱内の尿量が測れてしまうブラダースキャナー。
患者さんに苦痛を与えず、ナースにとっては簡単に正確に残尿量などが計測されてとても重宝します。
日本でも少しづつ普及してきているみたいですが、もっと普及するといいですね。
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