看護師の活躍の場として、今後注目が集まっているものが「看多機(かんたき)」です。看多機と省略されて呼ばれていますが、正式には「看護小規模多機能型居宅介護」となります。
看多機とは、医療への依存度が高い在宅の療養者に対して、既往症のケアから最期の「看取り」までをサポートする地域密着型サービスです。
「通い」「泊まり」「訪問看護・リハビリ」「訪問介護」「ケアプラン」をすべて一体化した事業所で、利用者に合わせて丁寧なケアサポートを行うとともに、利用時間もご自身やそのご家族に合わせた対応が可能となっています。
看多機では看護師が中心となって、各入所者への医療処置や検診、看取りなどにも対応します。最近多いと言われている「看取り難民」にも対応できるので、すでに日本全国で看多機の導入が進められています。
看多機は、施設内にいる利用者全体の人数に対して、24時間365日の運営で「通い」をメインに「宿泊」「訪問介護」「訪問看護」とそれぞれのサービスをトータルで提供しています。例えば、週に2回通いをしにくる方が、通所されない日には自宅への訪問介護を利用するといったスケジュールも、すべて一つの事業所で行えます。
看多機のサービスのうち、もっとも利用者の多い「通い」については、いわゆるデイサービスと呼ばれる方法になります。利用者ご自身の都合や健康状態などを鑑みて、ご本人とそのご家族に合わせながら、サービスを柔軟に提供していきます。
「訪問介護」については、利用者が自宅にいる間も、「通い」や「宿泊」の時と同じスタッフが自宅に訪問します。利用者が何らかの原因で通いができなくなってしまった場合でも、スタッフの方から自宅に赴いてケアを提供するので安心感があります。
「宿泊」は、通いで使っている施設と同じところを使います。こちらもご本人やご家族の都合に合わせ、柔軟にご利用いただけます。
日本全国に徐々に広がりつつある看多機ですが、1ヶ月ごとの定額制になっている看多機は、介護費用がかさまずに必要な時だけ1ヶ月ごとに利用できるというメリットがあります。(利用料金については、定額制以外のシステムを採用している場合もあります。)
看多機を利用する人には高齢の方が多いのですが、たとえばリハビリ治療で入院しており、その後退院したがまだ歩行が上手にできない、なのでケアサービスを利用したいといったケースが多くみられます。
利用者自身が施設へ通えなくなっても、看護師が医療の専門知識を持って訪問介護・訪問看護の両方に対応できますので、利用者ご自身にとっても安心感があります。
医療依存度が高い方だけの施設ではないので、自分で自由に歩行ができる医療依存度の低い方でも問題なく利用できますし、ずっと家にいたいという希望も聞いてもらえます。
スタッフが一人一人の利用者の意見を聞きながらサポートを行うので、孤独死の問題はもちろん、突然死から死後一定時間が経過して発見されたなどという状況も未然に阻止することができます。
各施設の方針にもよりますが、介護サービスが整っている施設では、入居者の介護レベルが中重度になっても、入院や入所はせず、自宅での生活を送ることができます。また月額定額制の看多機では限度額から出ない範囲で、安心して介護ケアが受けられます。
病院にとどまりたくないという患者さんの気持ちに配慮し、看護師自らが訪問看護を行う「看護小規模多機能型居宅介護」。今後さらに需要が伸びていく分野と考えられており、2016年4月時点ではすでに全国に294もの事業所が設置されています。
医療の在り方が多様化する中、今後ますます患者さんのケアに重点を置いた、看護師の活躍の場が増えていくと考えられます。
厚生労働省 看護小規模多機能型居宅介護に関する情報
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