
突然ですが、「遇す」この漢字、読めますか?
読めた方、失礼しました。読めなかった方、これは「もてなす」と読むそうです。
恥ずかしながら私、言葉は知っていても、読めませんでした。
オリンピック招致で世界的にも有名になった“おもてなし”。
この言葉は、日本を表すのに適した言葉ですよね。
日本は、どこに言っても『接遇』の意識のあるサービス業が多く存在しています。
さて、医療はサービス業ではありませんが、昨今では、『接遇研修』が行なわれるところも当たり前のように増えていますよね。
今回は、医療現場の『接遇』について、患者さんの意見と看護師さんの意見の双方をピックアップし、今後の医療現場がどうなるといいかという方向性について、考えてみたいと思います。
・「病院って教えてくれないまま進んでいくことが多くて、わからないことが不安です。『接遇』という意識があると、ちゃんと説明してくれるからいいと思います」
・「こっちはお金を払って、その病院を選んいるので、それなりにちゃんと対応して欲しい」
・「『接遇』より、ちゃんと知識と技術を持って病気を治してくれることの方が大事。研修とかする暇があるなら、もっと治療のための勉強をして欲しい」
・「どっちでもいい。病院が自己満足するための研修だと思う」
・「今の『接遇』がいいとは思わない。患者に尻尾を振る『接遇』ではなく、病気の治療にとって有意義な関係性を作れる雰囲気が必要」
患者側の声にもさまざまなものがあり、『接遇』を歓迎する方、反対される方、違う角度からのご意見も。ひと言で『接遇』と言っても、その意味やニュアンスや必要性が、患者側にどう伝わり、それが役立っているかどうが大切なのかもしれないですね。
・「経営陣の面倒を現場の人間に押し付けていると思う。ただでさえ忙しいのだから、“もてなす”ことは他の人材にやって欲しい」
・「患者さまとのよりよい関係ができれば、治療にも役立つと思うので、必要性を感じています」
・「研修を受けたけど、それを現場でやるのは難しい。現場では臨機応変な対応が大事なので、『接遇』の気持ちはあってもいいけど、マニュアル化はしないで欲しい」
・「すごくためになりました。自分は病院以外で働いたことがないので、『接遇』研修を受けて、人との対応やコミュニケーションが図りやすくなったと思う」
・「『接遇』と言う言葉がひとり歩きして、自己主張ばかりするモンスター患者を生んでいる」
看護師さんからは、『接遇』が患者さまとのコミュニケーションの向上だったり、思いやりと捉える声のほかに、『接遇』という言葉が独り歩きしてコミュニケーションが一方的になったり、思いやりが形式的にならないようにと警告を発する声も聞かれました。

医療現場では、古くから『接遇』は自然と行なわれてきたものでした。
それは患者さんの心に寄り添い、その思いを受けて行う看護ケアそのものです。
しかし現在、求められている『接遇』には、もう少し違う色があるようです。
それはサービス業のように、受ける側が心地よさを感じるレベルの対応のこと。
「そんなへりくだった行動をするより、病気の治療が最優先だ」という意見も多く聞かれますが、コミュニケーションが円滑に行くことで、治療がうまく進むケースは増えます。逆に、コミュニケーションに問題が生じると、治療自体がうまく進行しないというケースが増えているのです。
つまり、現代における『接遇』とは、患者側が抱える不安をできるだけ減らし、積極的に治療に参加してもらうためのアプローチを、今までよりさらに意識的に行うために医療従事者に明確に記された方向性です。
昔からしてきたことを意識的に行うための指標なんですね。
『接遇』という言葉は医療従事者のためにあるもので、患者側がこの言葉をかざすのはちょっと違う、というくらいのニュアンスでしょうか。
いずれにしても、患者さんも看護師さんもみんな違う人格を持った人間です。
“おもてなしスピリット”は大切にしながらも、言葉に頼りすぎず、一人ひとりの関係性を重視していけるといいですね。
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