患者さんのクレームは、適切に対応すれば業務改善が見込め、より良いケアに結びつきます。
しかし、常軌を逸したクレームや暴言・暴力は、看護師のストレスを高め、不安や恐怖を煽り、ケアにも悪影響を与えてしまいます。 ここでは、患者さんの行き過ぎたクレームや暴言・暴力などの原因と対処法を考えてみましょう。
個人の権利意識が高まりつつある近年、患者さんやご家族からの医療従事者への要求水準が上がってきています。それが場合によっては、常軌を逸した不当なクレームや、暴言・暴力になることもあるのです。
こうしたクレームなどの背景には、患者さんやご家族の不安・怒りなどの負の感情があると考えられています。看護師は、患者さんに日常的に関わっているので、クレームをぶつけやすいのです。
しかし、看護師が常に患者さんのクレームや暴言などの不安にさらされていては、ケアそのものが困難になってしまいます。 患者さんやご家族のクレームの背景を冷静に理解して対処することは、看護師の身を守るだけではなく、患者さん・ご家族の人権を尊重し、より良いケアをするために重要です。
患者さんやご家族の不当なクレームや暴言・暴力にも、その背景や理由が必ずあります。 その原因を考え適切に対処することが、問題解決と予防につながります。 患者さんのクレームや暴言・暴力の原因を以下の3つに分類してみました。
認知症や精神障害などでは、状況を的確に認知できずに不安や恐怖を感じ、クレームや暴言・暴力につながりやすくなります。
クレームや暴言の内容に振り回されず、患者さんの個性を考えて、看護スタッフ間で言動を申し合わせたり、環境を調整するなどの 対処をすると良いでしょう。
突然の入院や、手術の不安などに動揺し、不安やイライラが募ると、些細な事でクレームをつけたり、暴言や暴力などに発展する場合もあります。
患者さんの根本的な不安の原因を考慮し、必要に応じて傾聴したり、不安の軽減に努めましょう。
疾患や不安要因などが考えられない場合は、個人のパーソナリティの問題かもしれません。 既往歴や病歴はもちろん、家族関係、職歴などの社会的背景も影響して、患者さんの不安や怒りが募っていると考えられ、アセスメントが難しいところです。
このような患者さんのストレスは、理不尽なクレームや暴言・暴力となってエスカレートすることも多く、対応が困難なこともしばしばです。 こうした場合は、個人単位での対応ではなく、組織的な対応をする必要があります。
当該現場のみならず、組織全体の問題として検討し、状況に応じて安全管理の専門部署との連携も必要でしょう。
患者さんやご家族から不当なクレームや暴言・暴力を受けた場合、「しかたのないこと」「自分の言動に落ち度があった」などと考えてしまいがちです。
多くの看護師は、弱者である患者さんを守らねばならない、怒りや不満などの感情を抱いてはいけない、という固定観念を抱きがちです。 けれども、看護師自身の安全も、安心して働く権利も、とても大切なもの。 看護師も1人の人間であり、傷つけられていいわけがありません。
ただ、看護師の人権を守るためには、個人の努力だけでは限界があります。 組織自体の安全管理に対する取り組みが問われるのです 。
患者さんやご家族の不当なクレームや暴言・暴力の予防には、組織全体で患者側とケア側双方の安全対策を考えることが必要です。 看護師は、そうした体制づくりの大切な担い手です。
患者さん・ご家族からクレームや暴言を受けた看護師が、組織的な安全管理の体制に加われば、より現実的な対策を講じることができます。 体制の整備が進めば安全な職場環境ができ、看護師も安心してケアに専念できるようになります。 いかがでしたか。 不当なクレームや暴言や暴力に、適切に対処できる安全な職場環境が整っていれば、看護師も質の良いケアが提供しやすくなります。
このような視点から職場環境の安全を考えることも、看護師の大切な役割ですね!
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