整形外科で看護を行っていると、末梢循環障害を起こす可能性のある患者さんに出会うことがあります。
ここでは、整形外科の領域において末梢循環障害が起こってしまうのはどんなときなのか、そして、その末梢循環障害を予防するための看護について書いてみたいと思います。
ご存知のように整形外科では、骨折や靭帯損傷などの際に固定のためにギプスを巻きます。
ギプスは長期間巻くものですから、直接皮膚に当たらないように巻くことにはなっています。
ストッキネットなどの綿チューブ包帯を二重にして、しわやたるみのないように患部に当て、その上にオルテックスなどの綿包帯を巻き、その上からギプスを巻くことがほとんどです。
ギプスも指の跡がつかないよう注意しながら巻き、乾くのを待ちます。
その際、指の跡がついたまま乾いてしまうと、凹んだ部分が長い時間をかけて皮膚に悪影響を及ぼす危険性があり、褥瘡の原因になることがあります。
ほとんどの患者さんは大丈夫なのですが、ギプスを巻いたことが原因で神経障害や循環障害を起こしてしまう患者さんも中にはいます。
ギプスの他に、整形外科では外科的な処置をはじめ包帯もよく使います。
術後の患者さんのガーゼ交換のときや、救急車でやって来た患者さんの縫合の後などに包帯で患部を巻きます。ガーゼをたっぷり使っているときなどには、それがずれたり、はずれたりしないように巻きますが、包帯は伸縮するので少しきつく巻くだけで循環障害を起こしてしまうことがあります。
循環障害が起こるということは、その部分の血流が悪くなるということですから、最悪の場合には、組織の壊死が起こってしまうことになります。
そうならないためにも、看護師はしっかり観察を行う必要があります。また、患者さんに協力が得られる場合には、循環障害が起こった際にどんな症状がでるのかを事前に説明し、少しでも違和感をおぼえたら教えてもらえるように伝えておくのも大切ですね。
末梢循環障害を予防するためには、常に気をつけて観察したいポイントがあります。
末梢循環障害はすぐに症状が現れるのではなく、徐々に進んでいくものなので観察を的確に行うことで予防することができます。
まず、患部の末梢を触ってみて冷感がないか確認し、他の部位と比較して、皮膚表面の温度が低ければ循環障害の兆候と言えます。
また、患部に浮腫はないか、腫脹や熱感はないかを必ずチェックします。末梢動脈にも触れてみて、触知できるかを必ず確認します。他にも、皮膚や爪にチアノーゼがないか、色を確認することも必要になります。
上腕骨顆上骨折を小児が起こした場合には、フォルクマン拘縮に注意します。
フォルクマン拘縮は、動脈が触れなくなってから6時間ほどで起こってしまうので、初期の対応がとても重要です。
この拘縮は、非常によく起こる末梢循環障害の1つで、腫脹・疼痛・異常知覚・運動麻痺・蒼白・脈拍喪失、この6つの症状が明らかに出現してしまったときには、もとの手の機能は戻らない可能性もあります。
フォルクマン拘縮を含む末梢循環障害を起こす可能性のある患者さんの場合、その兆候がないかを必ず観察し、必要であれば患部の浮腫などを軽減するために、クッションや挙上架台などで患肢を挙上することが多く、静脈還流を促すことで末梢循環障害の予防につながります。
末梢循環障害は、少しだけ包帯がきつい、ギプスが窮屈などがきっかけで起こることもあります。患者さんによっては、違和感を感じても訴えることができない場合もあります。看護師は、患者さんの状態を把握し観察をしていくことが必要になりますね。
整形外科では、骨折などの固定のためにギプスを巻きます。オルテックスは、主にクッションとしての目的で使われます。オルテックスをストッキネットなどの綿チューブ包帯とギプスの間に使用することで、摩擦を軽減できます。また、青色に着色してあることからギプスカットの際の目安にもなります。ギプスを巻く際は忘れずに準備するようにしましょう。
動脈、静脈、リンパのいずれかに病変が生じ、手足の血管やリンパ管が詰まったり細くなったりして、しびれや痛み、冷感、浮腫などの症状が現れる病気です。整形外科の領域では、ギブスで手や足を固定されることによって、末梢循環障害を起こしてしまう患者が見られます。
ギプスは長期間巻くものであり、末梢循環障害に注意する必要があります。オルテックスをきつく巻いてしまうと血流が悪くなり、最悪の場合は組織が壊死してしまうこともあります。患者に末端循環障害が起こるとどのような症状が出るかを事前に説明し、わずかな違和感でもすぐに報告してもらうようにしておきましょう。
まず、患部に触れて皮膚表面の温度を確認しましょう。末梢循環障害の兆候がある場合、他の部位より冷感があります。また、必ず末梢動脈が触知できるかも確認しましょう。爪や皮膚のチアノーゼの有無や色調の確認も大切です。末梢循環障害はすぐに起こるのではなく徐々に進んでいくので、的確に観察をすることで予防できます。そのほかの観察すべき項目は「整形外科領域の末梢神経障害の観察のポイント」をご覧ください。
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