「看護師になりたいけれど看護学校の費用が高い」「看護師としてスキルアップしたいけれど経済的に不安」という方もいるでしょう。奨学金制度には、これから看護師を目指す人向けのものや、スキルアップ目指す看護職向けのものなど種類が豊富にあります。
このコラムでは、看護職に関する奨学金制度を紹介。条件や金額、貸与期間なども解説しています。看護師免許やスキルアップ資格を取得したい方は、ぜひ参考にしてください。
看護師になるために利用できる奨学金制度には、日本学生支援機構の奨学金や病院奨学金制度、地方自治体の奨学金、民間育英団体の奨学金などがあります。どれが自分に合うか確認してみてください。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、大学や専門学校などに進学する人に資金を貸与、または給付してくれるものです。
貸与型奨学金と給付型奨学金があります。
貸与型奨学金には、「第一種奨学金(無利子)」「第二種奨学金(利子付)」「入学時特別増額」があります。
第一種奨学金(無利子)は、国内の大学院や大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)に在学する学生や生徒が対象です。特に優れた学生や生徒で、経済的理由によって修学困難な人に貸与されます。
第二種奨学金(利子付)は、国内の大学院や大学、短期大学、高等専門学校(4・5年生)、専修学校(専門課程)の学生や生徒が対象です。選考基準は、第一種奨学金よりも緩やかになっています。
入学時特別増額は、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」を利用できなかった世帯の学生や生徒が対象です。第一種奨学金(無利子)や第二種奨学金(利子付)に加えて、入学月分の奨学金の月額に一時金として増額して利子月の奨学金が貸与されます。
給付型奨学金は、世帯収入や資産の要件を満たしており、進学先で学ぶ意欲のある学生が対象です。支援を受けられる金額は、世帯収入や進学先の学校の種類、自宅から通うか一人暮らしか等によって異なります。
病院奨学金は、看護師や助産師、保健師を目指す高校生や看護学生を対象とした制度です。病院が一定金額を貸与してくれます。病院奨学金制度は、看護学校や大学の卒業後に奨学金を貸与してくれた病院で働くことで返済免除になる場合が多いです。
地方自治体が設けている奨学金制度です。同事業を運営する都道府県内の看護学校に通い、卒業後に同都道府県内の指定の医療機関で働く人を対象としています。卒業後に指定された医療機関で5年間勤務すると奨学金の返済は全額免除です。
民間団体や企業、個人が設けている奨学金制度で、対象や基準はそれぞれ異なります。各大学や専門学校を経由して応募するのが一般的です。中には、返済不要の給付型の奨学金制度を設けている民間団体や企業があります。
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厚生労働省では、キャリアアップや就業支援のためのさまざまな給付制度があります。
専門実践教育訓練の教育訓練給付制度は、厚生労働大臣の指定を受けた専門的・実践的な教育訓練を受講する場合に受けられるものです。一般的な教育給付制度よりも内容が充実しています。
専門実践教育訓練の受講中は教育訓練経費の50%を受給可能で、上限金額は1年の場合は40万円、2年の場合は80万円、3年の場合は120万円です。
専門実践教育訓練の修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されれば、教育訓練経費の70%が追加給付されます。
参照元
母子家庭の母、もしくは父子家庭の父の経済的な自立を支援するための支援制度です。
対象者は母子家庭の母もしくは父子家庭の父で20歳未満の子どもを扶養している必要があります。また、児童扶養手当の支給を受けているか同等の所得水準であることが条件です。
なお、母子(父子)家庭自立支援給付金には「自立支援教育訓練給付金」と「高等職業訓練促進給付金」の2種類があります。
対象の教育訓練を受講して修了すれば、学費などの費用の60%が支給されます。支給される下限金額は1万2,001円、上限金額は修学年数×20万円で最大80万円です。
雇用保険法に基づく一般教育訓練給付金の支給を受ける場合は、その支給額との差額が支給されます。こちらも下限金額は1万2,001円です。
看護師や介護士などの資格取得のために、1年以上養成機関で学ぶ場合に給付金が支給されます。
支給金額は、住民税非課税世帯なら月額10万円、課税世帯なら7万500円です。また、課程が修了する最後の12ヶ月は住民税非課税世帯が月額14万円、課税世帯は11万500円支給されます。
支給期間は4年以上の課程の履修が必要となる資格を取得する場合は4年、それ以外は3年です。
なお、修了後に高等職業訓練修了支援給付金として、住民税非課税世帯は5万円、課税世帯は2万5,000円が支給されます。
参照元
厚生労働省 母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について
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奨学金のなかには、現役看護師がスキルアップやキャリアアップのために利用できるものもあります。ここでは、日本看護協会が推奨する5つの奨学金制度について紹介。スキルアップやキャリアアップを考える現役看護師の方は、ぜひ参考にしてください。
日本看護協会会員の准看護師を対象とした奨学金制度です。正看護師の資格取得を目指して、看護師学校養成所2年課程(通信制)に進学する准看護師を支援する目的で設けられています。
無利息の貸与型で金利は掛からず、就業先や住んでいる都道府県などの限定条件もありません。また、ほかの奨学金との併用も可能で学費だけでなく生計費としても活用できます。
返還が始まるのは貸与終了年の翌年10月からで、返還期間は最長4年以内です。学校を卒業してから返還が始まるまで半年間の準備期間があります。
認定看護師教育課程を受講する看護師と特定行為研修を受講する認定看護師有資格者が対象の奨学金制度です。
任意で設定した金額(年額120万円以内)が一括貸与され、学費や生計費として活用できます。ほかの奨学金や給付金等との併用も可能で、地域や年齢、所得制限といった条件はありません。
貸与期間は1年です。
「看護系大学大学院がん看護専門看護師教育課程」または「日本看護系大学協議会によりがん看護専門看護師教育課程の認定を受けている大学」に、在籍もしくは入学許可がある人が対象の奨学金制度です。がん看護専門看護師として活躍した石橋美和子氏の遺志によって受けた寄附をもとに、2007年度に創設されました。
任意で設定した金額(年額180万円以内)が一括貸与され、学費や生計費として活用できます。ほかの奨学金や給付金等との併用も可能で、地域や年齢、所得制限といった条件はありません。
貸与期間は1年です。
国内および海外の大学院で保健看護に関する課程(修士・博士)に在籍する看護職の方が対象の奨学金制度です。ただし、海外の大学院は日本看護協会が日本の大学院と同程度の教育機能を有していると認めた場合に限ります。
任意で設定した金額(年額180万円以内)が一括貸与され、学費や生計費として活用可能。また、ほかの奨学金や給付金等との併用も可能で、地域や年齢、所得制限といった条件はありません。学校を通さずに個人で直接応募するため、学内選考がないのが特徴です。
貸与期間は修士の場合は1年間、博士の場合は1年間または2年間。博士で貸与期間が2年の場合は、最大360万円の金額が貸与されます。
看護系大学大学院において国際看護を専攻している看護師や保健師、助産師が対象の奨学金制度です。国際看護交流協会を設立した小倉一春氏の遺志と奨学金事業を継承し、国際社会に貢献できる看護人材を支援するために創設されました。
一人当たり60万円が一括交付される給付型の奨学金です。ただし、給付奨学生の身分を喪失したときは返還が必要となります。
参照元
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看護学生さんにお伝えしたい!奨学金のよかった&困った体験談まとめ
奨学金を利用することで、経済的に進学が難しい人でも看護師を目指せます。さらに、病院奨学金制度であれば就職先の心配も必要ありません。また、看護師になってからもスキルアップのための勉強で奨学金の利用が可能です。奨学金はほかのローンと比べると金利が低く、返済の負担が少ないのもメリットといえるでしょう。
一方で、条件が厳しく奨学金制度を受けられない人が多々います。また、奨学金を受けられても病院奨学金の場合はお礼奉公で転職ができなかったり、辞められなかったりする場合も。奨学金にはメリットもあれば、デメリットもあるのです。
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