しっかり眠ているのにいつも眠くてしかたない…ナースの大敵“睡魔”の原因は?!

2017.10.1

はじめに

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ナースは夜勤もある仕事のため、睡眠サイクルが乱れやすいと言われていますよね。それでも周りには「いつでもどこでもすぐ寝れます!」というナースも多いのではないでしょうか。

ところが、夜勤があっても睡眠時間はしっかり取っているのに、勤務中にものすご眠気を感じてしまう…ということはありませんか!?

ナースという仕事上、頭脳はつねに明晰にしておきたいもの。ところがしっかり寝ているはずなのに、仕事中耐え難いほどの睡魔におそわれてしまうと本当に困ってしまいますよね。

今回はそんな眠ったはずなのに眠くて仕方ない原因について、いくつかの可能性をみていきたいと思います。

◆睡眠の質が良くないのかも?

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眠っているのに起きている時間も眠くてしかたがないということは、睡眠自体の質に問題がある可能性があります。

睡眠環境(温度や湿度、騒音や光など)が深い睡眠を妨げていたり、睡眠時無呼吸症候群

やむずむず脚病などの病気が原因で睡眠の質が悪くなっている可能性もあります。

環境を整えたり、体調をよくしたりすることで改善できるかもしれません。

アルコールで睡眠の質が下がることもありますので、連日の飲酒はたまに抜くなど、体調の管理もできるといいですね。

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◆サーカディアンリズム(睡眠リズム)の乱れ

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ナースの睡眠の問題で一番多いのが、このサーカディアンリズムの乱れです。本来なら眠っている夜間に仕事をするので睡眠のリズムが乱れてしまうのはしかたない面もありますが、対策を取ることで睡眠の質をあげることができます。

例えば日中に短時間でもいいので太陽の光を浴びておく、夜勤明けはサングラスをかけ部屋も薄暗い中で過ごすなど、スポーツ選手が試合に向けて体調を調整していくように、睡眠に向けて「眠るよ」というサインを身体に伝えていくのです。

同じ夜勤のあるナースでも、睡眠の乱れを感じずまったく大丈夫という方もいます。これは睡眠の適正時間が人によって違うからということが考えられます。

いわゆる「夜型人間」の方は、その人にとっての適正睡眠時間が遅いのです。他にも「短時間睡眠」でも体調がいい人もいますし、逆に長時間の眠りを必要としている体質の方もいます。眠りにつくのが早いから、睡眠時間が長いからといって、その人にとっていい睡眠とは限らないのです。

自分が寝起きにすっきり感じた時の眠り方が、自分の合っている睡眠だと言えます。

すっきり起きることができた日は何時くらいに寝たか、何時間くらい眠れたかなどの情報を確記録しておくと、自分にとっての“質の良い睡眠”がわかります。

睡眠は科学領域でもまだまだ解明されていないことが多く、個人差もあるので、「みんなと違うから自分は異常だ」と悩みすぎず、「自分にとって一番いい睡眠を知っていくこと」が大切ですよ。

◆目の不調

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目の乾燥や視界がぼんやりしていると、眠いと感じるケースがあります。

目が乾燥しすぎると、目を開いていることがつらくなります。涙で潤せるといいのですが、ドライアイの方などはなかなか自力で涙を出せないかもしれません。瞬きをすることで涙腺を刺激し涙を出すことができますが、それでもなかなか出ないという方は、涙の成分に近い目薬をさすといいですよ(防腐剤の少ないものが望ましいです)。

また、目の疲れにより視界がぼんやりしてしまうこともあります。この場合、眠らなくてもいいので目を閉じて休める、閉じたまぶたを冷やすか温めるなどして、血行をよくするのも効果的です。

他にも視力が弱い方の場合、矯正レンズが合わなくなっているかもしれません。一度眼科を受診される改善できるかもしれませんよ。

◆極度のストレス

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あまりにも強いストレスを感じると、脳が思考をシャットダウンするかのように、急な睡魔に襲われることがあります。女性の場合、ホルモンバランスの乱れでも、睡眠神経系に影響が出ることがあるようです。

睡眠前に落ち着く音楽を聞いたり、深呼吸やストレッチをしたり、アロマオイルでお気に入りの香りを吸い込むなどすると、リラックスできると睡眠の質があがるかもしれませんね。

また強すぎるストレスによるうつ病や季節うつ病の可能性もあります。この場合は専門医への受診をおすすめします。

◆悪夢を見る

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悪夢で目覚めてしまうという方は、緊張やストレスなどの影響が考えられます。

睡眠に関する研究はまだ仮設段階のものが多いですが、夢は視覚神経や海馬などの記憶に関連する脳の関わりがあるようです。悪夢は一晩に何度も繰り返して見ていて、少しずつその内容が「受け入れられるもの」に改変されているという研究結果もあります。

現実では受容しきれなかった事物を夢が少しずつ受けいられるもの改変にし、記憶するという「脳の情報処理作業」なのかもしれませんが、それがなぜ無意識下では行われずに、夢という意識下で体験されるのかは、未だ解明されていません。

夢はまだ人間の神秘の領域ですが、眠りを浅くする夢に苦しまれているという方は、メンタルヘルスのケアをしてみたり、よく夢に見る辛い出来事があるのなら、「なぜそこに自分はこだわっているのか」を考えてみることも必要かもしれません。

◆女性ホルモンの影響も

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女性は生理や妊娠、また更年期でもホルモンバランスがかわりますよね。その際、体温が上がることも。上がっていた体温が下がる際に人は眠気を感じます。またホルモンバランスの乱れで睡眠の質がよくなくなるのも眠気の一因かもしれません。

女性特有の身体の変調なので病気ではありませんが、仕事に支障をきたす程の場合は上司や医師に相談するとよいかもしれません。

また薬による副作用の場合もありますので、薬の服用には十分注意してくださいね。

◆居眠り病

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居眠り病(ナルコレプシー)という病気があります。これは神経系のトラブルにより、覚醒状態からいきなりレム睡眠状態に入ってしまいます。

この病気の兆候としては、起きていて食事や会話といった行動を取っている最中にも関わらず、突然睡魔に襲われ、眠すぎて何もできなくなってしまったり、睡眠時にノンレム睡眠がないため金縛りにあいやすい方も、居眠り病の可能性があります。また、短時間眠りでも頭がすっきりしたと感じる方も多いようです。

居眠り病は専門医に診てもらう必要があります。起きている時間に急激な睡魔に襲われてしまうのは、ナースとしてかなり問題になると思いますので、とにかく早めの受診をおすすめします。

日本ナルコレプシー協会

おわりに

ほとんどの生き物にとって睡眠は必要なもの。自然の弱肉強食の世界でも、多くの生き物が命の危険にさらされようとも眠りを必要としています。

睡眠についてはまだ科学的に解明されている部分は少なく、わかっていないことも多いですが、人間にとっても睡眠が身体の健康にとって重要なことは実感としてあるのではないでしょうか。

とくにナースにとって仕事中の睡魔は大敵。もし眠っても眠くてしかたないという方は、その原因を探り、仕事中の眠気対策を早めにしっかりとしたいですね。

何より質の良い睡眠を取って、頑張っているナースのみなさんの身体と脳を癒せるといいですね。

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