日本の高齢化は、今後ますます進むと予想されていますね。高齢化が進んだ日本で、看護師はどのような役割が期待されるのでしょうか。
今回は、在宅領域を中心に考えていきたいと思います。将来の働き方を考える上で、参考にしていただければと思います。
迫りつつある「2025年問題」については、みなさん、ご存知のことかと思いますので、簡単におさらいします。
2025年問題とは、ベビーブーム世代(=団塊の世代)が後期高齢者(75歳)に達することで社会保障費の急増が懸念されている問題です。
総人口自体は2015年から減少していきますが、同時に高齢化率が上がっていくことがわかります。高齢者に対し、現役でバリバリ働ける医療関係者は減っていくということも、この表から予測できます。
また2025年問題に加えて、平均寿命があがることも高齢化に影響を与えています。
寿命が伸びること自体は良いことですが、「健康的に年を取れるかどうか」が重要だと言えそうですね。しかし、高齢になるほど身体的トラブルを抱えやすいのはしかたのない事実。医療の需要はさらに大きくなっていくことが予測されます。
出典:内閣府 平成28年版高齢社会白書 1高齢化の現状と将来像より
高齢化に伴い認知症高齢者の増加、および高齢者世帯の増加も予想されています。
例えば、2012年時点で462万人だった認知症高齢者数は、2025年に700万人程度まで増えると考えられています。もちろん認知症予防や治療の技術開発も進みますが、現段階では、まだ認知症患者の増加予測が出ています。
同様に「65歳以上の者のみの高齢者世帯」および「高齢者世帯に18歳未満の未婚の者が加わった高齢者世帯」も増加すると考えられています。
「老老介護」や高齢労働者も増加することが予測されており、それに伴う高齢者の身体的負担も懸念材料と言えます。
高齢化が進展した社会で、看護師はどのような役割が求められるのでしょうか。
増え続ける高齢者に対応するため、「在宅医療の充実」など、高齢化社会を見据えた医療改革が各地域などで目指されています。
具体的には、他職種(医療機関・介護、福祉関連事業・地域自治体など)が協働することで、病気になっても住み慣れた地域で出来るだけ長く過ごせる医療・介護サービスの提供が、多くの地域で目指されているのです。
患者さんの多くが、潜在的には「病院ではなく在宅で過ごしたい」と考えていることからも、在宅看護のニーズはますます高まると予想されています。
しかし、在宅医療にはまだまだ多くの問題があり、個人や法人単位ではなく、国や自治体の積極的関与が求められるところです。
医師や看護師の確保、地域間、診療科間の偏在の解消は現在でもすでに図られているものの、在宅領域が拡大すると医師と看護師は不足すると考えられます。
在宅領域では、人材の不足により、医師に相談したくてもつかまらないケースや、同僚の看護師にさえなかなか相談できないケースなども増えてしまう可能性があり、1人あたりの責任が重くなるとともに、自律的に働ける看護師が求められる時代になるかもしれません。
頻繁な往診や医療行為が必要な在宅で過ごす高齢者にとって、訪問診療できる医師の不足が懸念されています。
このような状況に対応するため、2015年10月に施行されたのが「特定行為に係る看護師の研修制度」です。看護師はこの研修を受け、研修修了証をもらうことで「特定看護師」として認められます。※特定看護師は資格ではありません。
特定看護師として認められると、在宅療養中の高齢者に対し、医師が捕まらない時でも、包括的な医師の指示のもと、手順書に従った範囲内の医療行為を行なうことが認められています。
高齢者の増加とともに在宅看護のニーズが高まれば、特定看護師の需要はますます高まっていくことでしょう。
特定看護師にならずとも、超高齢化社会で訪問看護のニーズが高まることは多くの方が予測できるかと思います。
高齢者が増えていくことはもちろん、ベッドの数の関係で在宅にならざろう得ないケースもあります。現在でもベッド数の問題はありますが、労働人口が減少すれば医療関係者も減り、さらにベッド数が減ってしまうのです。そうなると在宅での療養者は今以上に増えていくでしょう。
訪問看護では、医療機関とは違う看護を求められます。たとえば医師がそばにおらず、同僚も近くにいないケースも多く、自分の判断が必要なシーンが増えます。
また医療機器や設備などが揃っていることはあまりなく、各家庭の環境に合わせて看護を行う必要があります。
また、ご家族との関わりもとても重要ですし、看護師が介護サービスやかかりつけ医と関わることもあります。
在宅療養をされている方にとって、訪問してくれる看護師の存在は、精神的にも身体的にも大きな拠り所です。
在宅での看護には医療機関での看護にはない大変さもありますが、ひとりの看護師としての存在意義を強く実感できるシーンも多く、やりがいを感じる方も多くいらっしゃるようです。
また患者さんにとって一番心安らぐ自宅で看護ができることも、患者さん個人とのかかわりを強くしてくれます。
訪問看護は、ある程度経験の積んだ看護師の方が向いていますが、今後、ニーズが高まることで、教育体制を強化させ、新卒採用をする訪問看護ステーションも増えていくことでしょう。
2025年には後期高齢者が急増し、在宅療養する高齢者は増えていくと予想されています。
労働人工は減り、医療関係者も減少。その影響でベッド数も減っていきます。
そんな中、訪問看護や特定看護の需要は増えていきます。
この先、看護師の需要は在宅がメインになる可能性があり、急性期を希望するならばそれなりのスキルが求められるかもしれません。
また訪問看護では、病棟勤務とは違う大変さがありますが、個々の患者さんとの関わりが深まり、訪問ならではの看護のやりがいを感じることもできます。
超高齢化社会の中で求められる看護師の存在。それは大きや役割を担っていますが、ひとから切に必要とされ、ひとの役に立つことのできる看護を行えることは、看護師として大きややりがいになるのではないでしょうか。
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