乳がんの罹患率は上昇傾向にあり!看護師が知っておきたい検査の知識と観察ポイント

2018.4.12

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乳がんは約半数の患者さんが自分で何らかの異常を発見しています。早期の発見や早期治療によって生存の確率が高くなるため、看護師は乳がんの自己検診や検査について知っておくことも必要になります。

乳がんの検査として代表的なマンモグラフィー検査の方法や介助について、不安な方に向けて、基本的な知識・方法・介助などを解説したいと思います。

マンモグラフィー検査の概要

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乳がんは20~30歳から発症することがあり、遺伝や出産、初潮や閉経の年齢が関係しています。体内での女性ホルモンのエストロゲンの濃度が高くなると、乳がんを発症するリスクが高くなるといわれています。

近年になって、女性における乳がんの罹患率は上昇傾向にあるといわれています。早期の乳がんであれば助かる可能性も高いため、自己検診だけでなく早期発見ができるマンモグラフィーの検査を受けることが大切になります。

自己検診でわかる乳がんのしこりの大きさは2㎝以上ですが、自己検診を習慣にすることで1㎝の大きさでもわかるようになります。

乳がんの診断は、問診・視診・触診によって行われます。あわせて用いられている補助診断法のひとつが画像検査です。画像検査は大きくマンモグラフィー検査(単純X線乳房撮影)と超音波検査に分かれます。それぞれの特徴は次の通りです。

マンモグラフィー検査

乳房内の変化を撮影するX線検査で、上からと斜めの2方向から撮影します。腫瘤陰影や石灰化の有無などを把握しやすいとされています。

乳房は排卵後から生理が始まる頃までは、ホルモンの影響により検査による痛みを生じやすいため、生理後の検査の方がいいようです。さらに若年者は、閉経後の女性に比べの乳房組織が密集しているためコントラストが付きにくくマンモグラフィー検査で読影しづらいといわれています。

超音波検査

乳房組織が密集していても影響を受けないので、若年者の腫瘤を診断しやすいとされています。特に、乳房組織と硬度が大きく異なる嚢胞などの検出に優れています。一方で、マンモグラフィー検査が得意とする微細石灰化の検出は苦手です。マンモグラフィー検査と超音波検査は互いが補完しあう特徴を有しています。

 
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マンモグラフィー検査の方法と介助

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基本的に、マンモグラフィー検査は診療放射線技師が行います。看護師の役割はそれほど大きくありませんが、基本的な流れは抑えておくべきかもしれません。マンモグラフィー検査は次の流れで行います。

最初に、患者さんに向けてマンモグラフィー検査の目的と流れ、所要時間(10分程度)を説明します。不安を抱えている患者さんが多いので、概要を説明することで緊張をほぐします。次いで、上半身の衣類と下着を脱いでもらいます。

準備ができたら、左右の乳房を上下・斜めから圧迫してX線で撮影します。圧迫する理由は、乳房を薄くして診断に必要な情報を得やすくするためです。また、乳房を薄くすることで被ばく量も軽減できます。検査中は、痛みを確認します。乳房を強い力で圧迫するので、患者さんによっては強い痛みを訴えることがあるからです。

マンモグラフィー検査のポイント

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マンモグラフィー検査における痛みの程度は個人差が大きいとされています。痛みの程度は、マンモグラフィー検査を受ける時期、乳房の形、乳房の大きさなどにより異なります。基本的に、緊張していると痛みを感じやすいので、リラックスを促すことが重要です。

痛みが強い方には、深呼吸などをしてもらうと良いでしょう。ペースメーカー装着の有無などにも注意します。マンモグラフィー検査で異常が見つかった場合は、必要に応じて生検などを行います。

まとめ

20年以上前では転移し再発した乳がんは生存率が低い傾向にありましたが、最近では治療法があえば転移や再発をしても生存できる確率が上昇しています。それは、乳がんの研究が進歩し化学療法や内分泌治療薬などが開発された成果でもあります。

乳がんの補助診断法として行われている画像検査がマンモグラフィー検査です。腫瘤陰影や石灰化の有無などを把握しやすいとされています。特徴の異なる超音波検査とは補完関係にあります。患者さんがマンモグラフィー検査を受ける場合、検査の目的、流れ、所要時間などを説明して安心して検査を受けられる環境を作ります。

痛みを伴う検査なので、痛みを確認すること、リラックスを促すことも重要です。適切な介助が患者さんの不安軽減につながります。看護師が主体的に検査を行うことはありませんが、流れを把握しておくと患者さんの助けになることもありますね。

 
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