仕事
2018.5.28
呼吸器の病棟に行くと、トロッカーカテーテルを挿入している患者さんを見ることも多いと思います。
このトロッカーカテーテルは、気胸の治療のための挿入しているのですが、このように胸腔に留置するドレーンのことを胸腔ドレーンと呼びます。
ここでは、胸腔ドレーンの管理と、挿入、看護について書いてみます。
胸腔ドレーンとは、何らかの内的、あるいは外的要因によって圧が下がってしまい虚脱してしまった肺を、もとの状態に戻すために胸腔に留置するものです。また、場合によっては外傷などが原因で、胸腔内に血液や膿が溜まることもありますので、その排出のために留置されることも。
胸腔ドレーンの場合、持続して吸引する必要があるので、ドレーンに低圧持続吸引器を接続します。肺が虚脱している場合には、胸腔内を少しずつ陰圧にすることで肺を膨らまさないといけませんし、血液などを排出する場合にも継続的に吸引することが必要になります。
挿入の際は病室で、滅菌ドレープを使っての滅菌操作で挿入します。
患者さんには、片腕をあげておいてもらい、挿入する場所は医師が決めてそのまわりをイソジンなどで消毒します。
局所麻酔を行ってからトロッカーカテーテルを挿入したら、低圧持続吸引器を接続して縫合を行います。最後は、挿入部にドレッシング材を貼付してテープで固定し、その後、カテーテルの留置位置、肺の収縮などの異常を観察するために胸部レントゲン撮影を行います。
胸腔ドレーンは、挿入後、管理するために観察を欠かすことができません。
毎日の観察事項としては、全身状態の中でも顔色や脈拍、冷や汗や血圧、胸痛や咳嗽、チアノーゼや呼吸困難などを観察します。
その上で、持続吸引器の中も排液量やその性状、肺の呼吸音に左右差がないか、挿入部や他の部位に疼痛はないか、エアリークや皮下気腫が起こっていないか、などをみます。それから、胸腔ドレーンの管理にどうしても必要なのは、患者さんがしっかりその注意点と目的を知っていることです。
つまり、治療のために患者さんにも協力してもらうことが大事になります。
トイレにいくときも持続吸引器を持って、挿入部からトロッカーカテーテルが抜けないように配慮してもらう必要がありますし、体動の邪魔になってしまうので患者さん自身が積極的に治療に参加する必要があるのです。
特に気をつけたいことは、ドレーンの部分が圧迫されたり屈曲したり、ということ。そのような状態になると、うまく吸引ができなくなってしまいます。
また、持続吸引のバックに溜まった排液が逆流することが、感染の原因になることがあります。
ですので、持続吸引器はドレーンを挿入している部分よりも常に低いところに置くように指導します。
また、特に膿などを吸引しているときには、管が閉塞することが多いです。
そういう場合には、ミルキングを行って閉塞しないよう気をつける必要があります。
それから、吸引圧が強すぎると逆に肺を傷つけてしまうことになりますので、吸引圧もしっかり見ておきます。排液が、1時間に200mlを超える場合は、すぐに主治医に報告をしなければなりません。
胸腔ドレーンの看護を行うときには、患者さんの協力は絶対に欠かせないもの。治療がスムーズに行われるように、最初の時点でしっかり指導を行っておくとトラブルが起きにくくなるので、大事なことをしっかり伝えておくと良いです。
患者さんの中には、気胸を起こして胸痛が強いのに、ドレーンを留置する必要があると説明すると、怖がったり不安がったり、また痛い思いをしないといけない、と嫌がる人もいます。
そんな患者さんに、今後の治療をどのように進めていくのかを理解してもらう必要があるので、最初の説明・指導が非常に重要。患者さんの気持ちに寄り添って説明していけば、うまく指導を行うことができ、治療が滞らないことが多いので、まずは患者さんの痛みや不安な気持ちを受け止めることからはじめると良いと思います。
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