看護師に読んでほしい書籍を紹介するシリーズ企画「ナース図書館」。第1弾として、看護師の疲れた心に効く1冊『看護師のためのアドラー心理学』(日本医療企画)をご紹介します。
看護師は人の命と向き合う職業。常に緊張感が漂う医療の現場では人間関係がシビアになりやすく、患者さんやそのご家族、医師、看護師同士など、さまざまな人間関係の悩み・ストレスを抱えながら働いている看護師も少くなくないでしょう。
アドラー心理学カウンセリング指導者の岩井俊憲(いわいとしのり)氏と、看護師で心理カウンセラーの長谷静香(はせしずか)氏によって書かれたこの本は、そんな看護師の人間関係を変えるアドラー心理学の基本と実践法を指南しています。
読めば日頃の悩みを解決するためのヒントが、見つかるかもしれませんよ。
アドラー心理学とは、オーストリア出身の精神科医で心理学者アルフレッド・アドラーによって提唱された心理学のこと。アドラーはフロイトとの共同研究ののち決別し、「個人心理学」と名付けられた独自の心理学を創始します。
アドラー心理学は、「自己決定性」「目的論」「全体論」「認知論」「対人関係論」5つのポイントに集約され、困難を克服する活力を与える「勇気づけ」と、他の人々、仲間とのつながりや絆の感覚「共同体感覚」の、2つの概念を重視しています。
例えば「苦手な先輩が怖くてミスをしてしまう」「なかなか成長しない後輩の教育に悩んでいる」「同期と比べて自分はできないと感じてしまう」など、看護師の職場での悩みの根源は対人関係であることが多いのではないでしょうか?
この本ではそんな看護師のリアルな悩みを具体的な事例で紹介。そこにアドラー心理学の「勇気づけ」と「共同体感覚」という考え方を取り入れることで、“自分の中の物事の捉え方を変化させ”、心をラクにして、悩みをポジティブに解決するヒントを与えてくれます。
「患者さんのために」と日々頑張る看護師のみなさんですが、真剣に働いているがゆえに厳し過ぎる先輩との関係に悩まされたり、仕事のやり方やペースの違いで衝突してしまうこともありますよね。
アドラー心理学の「人間関係の大法則」を知れば、心がラクになり、他者との違いを受け入れた上でコミュニケーションを図れるようになります。また“自分の話し方”が「主張的な言い方」「非主張的な言い方」「攻撃的な言い方」「復讐的な言い方」の4タイプの内いずれかを知ることで、悪い印象を持たれる話し方を改め、良好な関係を築けるようになります。
看護師として患者さんのために頑張っているのに、看護を拒否されてしまうととてもツライですよね。そんな時アドラー心理学では、「共感」することが大切だと言っています。
この本には、忙しい看護師が限られた時間の中でも実践できる「聴き上手になるための8つのコツ」が紹介されています。患者さんに看護師がどう声かけをすれば良いのか、見守るご家族へどう対応すれば良いのか、具体例を用いて教えてくれています。患者さんやそのご家族と信頼関係を築ければ、お互いに負担のない看護が行えて、治療効果のアップが期待できますね。
「患者さん一人ひとりに寄り添う看護がしたい」など新人の頃に持っていた強い理想も、忙しい日々や余裕のない状況ではなかなか実現が難しく、看護師として頑張り続けるモチベーションを保つことが難しくなることもあるかもしれません。
この本では、看護師のモチベーションのコントロール方法も紹介されています。内側から湧き出てくる欲求に基づく「内発的動機づけ」や「すぐに達成できることを実践して、成功体験を得る」こと、さらになりたい自分に近づく「As if テクニック」など、モチベーションを上げる具体的な方法が複数紹介されています。最近、仕事へ行く足が重いという方は、ぜひ試してみてくださいね。
アドラー心理学は、「勇気づけの心理学」とも言われています。自分を肯定し、相手を肯定することで、悩みの根源を前向きに捉えられるようになり、患者さんや一緒に働くスタッフと良い関係を築けるようになります。
コミュニケーションを良好にするためのヒントが詰まったこの1冊。人間関係の悩みを抱えている方は、手に取ってみてはいかがでしょうか?
書籍情報はこちらから
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載