「申し送りが苦手」という新人看護師さんに試してほしいこと

2018.8.23

3004_TOP_申し送りが苦手.jpg

 

https://stock.adobe.com/jp/

申し送りは、患者さんの状態や行った処置を次の勤務の看護師に伝える大事な引き継ぎ業務です。しかし新人看護師の中には、多くの情報の中で何を伝えて何は伝えなくてもよいのかを判断したり、わかりやすくまとめたりすることが苦手な方や、大勢の先輩たちの前で話すことが苦手という方もいるのではないでしょうか。

今回は、「申し送りが苦手」という新人看護師さんへ、申し送りの時に慌てないためのコツをお伝えしたいと思います。

ポイント1:情報収集

3004_1_ポイント1:情報収集.jpg

 

https://stock.adobe.com/jp/

看護業務の中でも重要な情報収集。情報が不足していると大事なことを伝えることはできませんし、申し送り中に質問されると答えることができずに恐怖を感じてしまいます。しかし、情報収集がしっかりできていれば、聞かれるのが怖いというより、むしろ重要な情報を伝えなければと前向きな意識を持つことができるようになります。

どんな情報が必要なのかは、申し送りが上手な先輩を参考にすることをおすすめします。簡潔でわかりやすい申し送りができている先輩がいたら、メモに取る、先輩のメモを見せてもらうなどして、あとで何を伝えているのかを分析してみてください。

・患者さんの身体状況
・その時間帯に注意していた観察項目
・バイタル
・食事
・排泄
・投薬の時間や量、変更になった指示など
・熱発などの異変の有無とその対応

各項目はできれば20文字以下になるように意識してみることで、簡潔な申し送りを目指すことができます。例えばバイタルに目立った変化がない場合は、看護記録にしっかりと記載し、申し送りでは「V/S変化なし」と伝えるなど、すべての項目を細かく伝えないことで、必要な情報をしっかり引き継げるようになります。もちろん必要事項まで省かないように、引き継ぐ看護師のことを考えた申し送りが大切です。

仕事のお悩み聞きます!

ポイント2:情報を色分けして整理

3004_2_ポイント2:情報を色分けして整理.jpg

 

https://stock.adobe.com/jp/

集めた情報は、患者さんごとに項目分けすることをおすすめします。さらに色分けをして、重要な部分がわかるようにしておきます。

3色ボールペンなら最も重要な報告事項は赤、先輩や医師と相談したいことは青、その他は黒と整理すればパッと分かりやすくなります。
重要度の低い情報も、質問されるときのために箇条書きのメモとして残しておいてください。
この色分け作業を行うことで、情報の整理もできますよ。

ポイント3:話す順番の番号をつける

3004_3_ポイント3:話す順番の番号をつける.jpg

 

https://stock.adobe.com/jp/

情報をメモ書きしていても、いざ申し送りしようとした時、大勢の先輩たちに囲まれて緊張してしまい、情報をうまく伝えられなくなってしまうことがあるかもしれません。

申し送る情報は箇条書きで整理された状態のものとは別に、話す順番に番号をふっておくと見やすくてよいと思います。

書き終わったメモは、“申し送られた側が看護に必要な情報を把握しやすいかどうか”という視点で見直してみることも大切です。

ポイント4:経験こそすべて

3004_4_ポイント4:経験こそすべて.jpg

 

https://stock.adobe.com/jp/

看護手技同様に、申し送りにも“経験”が強みになります。新人看護師は初めてのことなので上手くできるとは限りません。しかし、日々の経験が必ず将来のちからになります。
申し送りが上手く行かなかった時は、何が悪かったのかを検証し、次回に生かすことで、次第に苦手意識を持たずに、交替の看護師へ必要な情報を申し送りできるようになります。
今は当たり前のように申し送りしている先輩がたも、新人の頃は緊張していたことでしょう。初めから先輩と同じようにやろうとせずに、自分にできることをコツコツとやってみることが大切です。

申し送り時に人前であがらない方法は?

3004_5_申し送り時に人前であがらない方法は?.jpg

 

https://stock.adobe.com/jp/

あがりやすい人が試してきた方法を教えてもらいました。

・鼻呼吸
鼻呼吸の深呼吸をすることで、脳に新しい酸素を送り、リラックスさせます。ヨガの鼻呼吸と同じ効果ですね。

・握りこぶし
手の平、指先など末端神経を刺激することで、脳を活性化させます。

・意識してゆっくり話す
緊張している上に早口で話してしまうと、自分で自分を追い込んでしまいます。ゆっくり話す意識を持つことで、自分自身を落ち着かせます。

・肩を上げてから落とす
緊張すると肩周りが固まりやすくなります。一度肩をあげて緊張させた状態から一気に脱力することで、余計な力がはいらないようにします。

・笑顔を作る
緊張していると顔がこわばります。表情筋を動かして、固まった状態をほぐすことで、緊張状態をやわらげます。申し送り前にこっそり笑顔を作ってから向かってみてください。

おわりに

新人看護師の頃は、申し送りには何か必要で、どこまの情報を求められるかを判断することが難しく、「申し送りが苦手」と感じるケースが多いようです。

ある程度は回数をこなし、慣れていくしかありません。
しかし、ただ回数をこなすだけでなく、わかりやすい申し送りをした先輩のポイントを考えたり、情報を整理し、伝える順番を考えておくなどの準備をすることで、次第に苦手意識が消えていくものです。

一番大事なことは、申し送りは自分と先輩の関係性のためではなく、患者さんの看護のためということを忘れないことです。患者さんに適切な看護を行うためには、どんな情報を伝えるべきなのか、必要な情報を伝えるためにはどうすればいいのかという視点を持って、考えることが、申し送り上達の一番のコツなのかもしれません。

仕事のお悩み聞きます!

この情報はお役に立ちましたか?

無料でさらに聞いてみる

「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。

インタビュー参加者全員にギフト券3,000円分プレゼント!