意外と知らない?ママナースが知っておきたい子どもの感染症

2018.11.2

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さまざまな感染症が流行するこれからの季節、集団の中で過ごすお子さんが感染症にかからないか心配ですよね。感染症の中には、出席停止が義務付けられ、登園や登校に治癒証明書も必要なものもあります。そうなるとママ看護師は仕事を何日も休まなければならないこともありますし、子どもの感染症がうつってしまい自分が寝込んでしまう可能性もありますね。身近に感染症がはやる前に、子どもがかかりやすい感染症とその対処についておさらいしておきましょう。

RSウイルス

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RSウイルス感染症とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。毎年9月頃から翌年の春頃まで流行します。非常に感染力が強く、生後1歳までに半数以上が、2~3歳までにほぼ100%の乳幼児が感染すると言われています。軽い風邪症状から細気管支炎や肺炎など、症状や重症度は個人差があります。とくに初めて感染した小さな子どもは重症化しやすいことがあるため、注意が必要です。

感染経路:飛沫感染、接触感染

潜伏期間:4~6日程度

治療:主に対症治療を行います。重症化した場合には酸素投与、点滴、呼吸管理が行われます。

登園のめやす:呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと。

 
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溶連菌感染症

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溶連菌感染症とは、A群β溶血連鎖球菌という細菌によって起こる感染症です。流行する時期はおもに11月~4月で、発熱、喉の痛み、腹痛などの風邪に似た症状が出ます。また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」や、全身に赤い発疹が広がる「猩紅熱」になることがあります。治療には抗生物質が有効ですが、きちんと最後まで治療しないとリウマチ熱、急性腎炎、紫斑病などの原因になってしまう場合があります。治癒しても周囲で再び流行すると何度もかかることがあるため予防が大切です。

感染経路:飛沫感染、接触感染

潜伏期間:2~5日程度

治療:診断が確定後、医師から処方された抗生物質を最後まで飲みきります。決められた期間にきちんと服用しないと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった合併症につながることがあります。

登園のめやす:抗菌薬の内服開始後、24~48 時間が経過していること。

ロタウイルス感染症(ウイルス性胃腸炎)

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ロタウイルスは、冬から春にかけて乳幼児を中心に嘔吐や下痢を引き起こす代表的なウイルスです。生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多くみられ、5歳までにほとんどの子供が感染します。保育園・幼稚園・学校などで集団発生することもあります。

主な症状は嘔吐、下痢、発熱で腹痛をともなうこともあります。また、米のとぎ汁のような白色の便が見られることもあります。激しい嘔吐や下痢により、急激に水分を失うので、特に乳幼児の脱水症状に気をつける必要があります。吐物や排泄物による汚染には次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。

感染経路:接触感染

潜伏期間:1~3日程度

治療: ウイルスに対する治療法はありません。対症療法として、鎮吐薬や整腸薬などの服用のほか、経口補水液や点滴などで脱水予防を行います。

登園のめやす:嘔吐、下痢等の症状がおさまり、普段の食事がとれること。

インフルエンザ

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インフルエンザは、毎年子供から大人まで、最も恐れられている感染症の一つです。感染のピークは1~3月と言われていますが、4~5月になっても感染することがあるため油断はできません。強い感染力とつらい症状に悩まされた人も多いでしょう。また厄介なのは、ウイルスの型は毎年変化しているので抗体が効かず、毎年感染する可能性があることです。最悪は同じシーズン中に「A型」「B型」の両方に感染してしまうケースもあります。おもに突然の高熱(38℃以上)や倦怠感、食欲不振、関節痛などの全身症状や、喉の痛み、咳、鼻水などの気道症状をともないます。特に乳幼児や高齢者は重症化してしまう場合があるため注意が必要です。

感染経路:飛沫感染、接触感染

潜伏期間:1~3日程度

治療:抗インフルエンザウイルス薬(タミフル・リレンザなど)の服用が有効です。発症後48時間以内に服用することで、ほとんどの場合、熱は下がります。しかし、その効果は症状が出はじめてからの時間や症状により異なります。また、体内からインフルエンザウイルスが無くなったわけではないので、決められた日数は自宅療養することが大切です。

登園のめやす:学校保健安全法により管理を受ける学校伝染病のひとつです。発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで出席停止が求められています。治癒証明書が必要かどうかは自治体や学校によって違いがありますが、とくに保育園や幼稚園など幼い子どもが集まる場では治癒証明書が必要な場合が多いです。子どもが感染症にかかった時、働くママ看護師は職場からの理解も得ながら、正しい方法で看病してあげましょう。

 
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