導入事例は少ないものの、今後確実に需要が高まると注目されている「病棟一体型リハビリテーション室」。
まだあまり普及していませんが、ここでは、病棟一体型リハビリテーション室とはどのような仕組みなのか、また医療従事者と患者さんにとってどんなメリットがあるのか解説していきます。
病棟一体型リハビリテーション室とは、病棟とリハビリテーション室が併設されている施設のことです。主に経過が安定し、離床が可能となった患者さんが対象となります。リハビリと入院生活をひとつのくくりとして過ごすことで、退院後の日常生活を想定した訓練にも繋がるのです。
また、医師・看護師・理学療法士などが同じ病棟内に在中している環境の中で治療に取り組むことができるため、早期回復にも繋がると考えられています。ただ、病棟一体型リハビリテーション室は全国的に見てもまだ導入している数は少ないのが現状です。
まず病棟とリハビリテーション室を併設することで得られるメリットは、医師・看護師・リハビリを担当する理学療法士や作業療法士などが密に情報共有しやすくなることです。入院病棟とリハビリ室が別の場合は、三者がそろって情報共有する機会が少なくなるため、患者さんとのコミュニケーションにもばらつきが出てしまう恐れがあります。
ですが、病棟一体型リハビリテーション室があればカンファレンスを定期的に行うことができますし、急遽必要となった情報も共有しやすいでしょう。また、万が一患者さんの容態が急変した場合などでも、適切かつ迅速に処置を行うことができます。そのほか、曜日によって医療者の人数が不足する場合なども対応しやすくなります。
患者さんは充実したサポート体制の中でリハビリを行いながら入院生活を送ることができるため、治療に専念しやすいのです。
病棟一体型リハビリテーション室は、患者さん側にも大きなメリットがあります。リハビリテーション室が別病棟に設置されている場合だと、リハビリのたびに移動が必要となるため、患者さんにとっては身体的負担が大きくなってしまいます。
ですが病棟一体型にすることで、これらの負担や不安を解消できます。患者さんの身体的負担が減ることにより、リハビリへのモチベーションが上がったり、ストレスなく治療に専念できるようにもなるでしょう。
また一つのフロアで入院生活とリハビリを行うことができるため、リハビリを日常生活の一部として考えることができ、退院後の生活の訓練にもなります。
病棟一体型リハビリテーション室は患者さん・医療者のみならず、入院生活をサポートするご家族にとっても安心できる環境です。
その理由の一つとして、ご家族やお見舞いに来られた方がリハビリを見学できることが挙げられます。ご家族にとってリハビリの経過を見ることができるということは、安心できる一つのポイントでしょう。また、理学療法士や作業療法士などのリハビリ担当者と患者さんの距離が近いため、リハビリの経過や退院後の生活について、より具体的に質問や相談ができます。
さらに生活の一部としてリハビリが組み込まれているので、退院後、在宅治療に変わった際の過ごし方や介助方法も実際に目で見て知ることができるのです。
このように病棟一体型リハビリテーション室は、医療者、患者さん、そしてご家族それぞれに大きなメリットがあると言えるでしょう。
このように病棟一体型リハビリテーション室は非常にメリットの多い施設ですが、導入している病院はごくわずかというのが現状です。原因は、病院の受け入れ体制が整っていない、人材が確保できていないなど、さまざまなものが挙げられます。しかし、今後の日本はますます高齢者が増えていくことが予想されており、病棟一体型リハビリテーション室の需要は高まっていくでしょう。
病棟一体型リハビリテーション室での業務は、看護師にとってもこれまでとは違った知識や視点が求められます。このような施設がある病院での経験は、新たなスキルアップの選択肢となるかもしれませんね。
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