病気の子どもたちを看護する小児科は、他の科以上にコミュニケーション能力が必要とされる診療科です。体調を崩して不安を抱えているうえ、いつもと違う場所と知らない大人たちがいるクリニックではひどく人見知りする子もいます。患児たちの心をほぐし、少しでも不安を取り除くためにできることや接し方について考えてみました。
自分の家とは違う場所に見慣れないたくさんの器具が置いてあり、白衣を着たナースやお医者さんがいる。小さな子どもにとってはそれだけでも大きなストレスになります。そういった不安を少しでも減らすため、子どもの年齢に見合った「プレパレーション」が欠かせません。
プレパレーションとは、どうしてこの検査や治療が必要なのか、どうやってそれを行うのかを説明することです。子どもに丁寧に説明し、年齢に応じて納得をさせると子どもは子どもなりに心の準備が可能になります。
実際には子どもの顔色や表情の変化を見逃さず、「できるかな」「見せてごらん」など柔らかい表情で声かけをします。このとき気をつけたいのが、「痛くないよ」という子どもにとってはうそになってしまう言葉です。うそをつかれたという不信感が、ナースや医師との関係を悪くしてしまう場合があります。
ついつい使いがちな「泣いちゃダメ」「もうお兄(姉)ちゃんなんだから」といった言葉も、子どもの不安をあおったり、気持ちを押さえつけたりする場合があるので、なるべく使わないようにしたいものです。
例えば、注射や点滴をする場合。大人でも苦手な方がいるのですから、子どもが嫌がるのは当然のことです。この場合も、どうして注射や点滴が必要なのか、優しく声がけしてあげてください。子どもが知っているキャラクターを例に出してもいいですね。
(例)○(子どもの名前)ちゃんの元気がないから、アンパンマンに助けてもらおう。そのためにはお腹の中にあるバイキンマンを追いだすためにチックンしなくちゃいけないの。少し痛いけれど、がんばれるかな?
処置が終わったら、すかさず「かっこいいなあ。よくがんばったね。がんばってくれたおかげで早く終わったよ。ありがとう」と言葉で協力への感謝を伝え、大げさなくらいに褒めてあげてください。
注射後の絆創膏にアンパンマンなどのキャラクターを書いてあげると喜んでくれる場合もあります。
小児科においては、子どもだけでなく、付き添いの母親や父親とのコミュニケーションも大切になってきます。子どもが病気になり、心配から情緒不安定になる親は少なくありません。まずは親の不安を取り除き、落ち着かせてあげることに努めます。自分の親に寄り添う姿を目にすることは、子ども自身の安心にもつながります。
診察において、「怖い、痛い!」と感じてしまうことは仕方のないことです。その気持ちをなるべく少なくするためには、子どもたち自身ががんばった成果だということを常に伝えるようにします。患児や保護者に共感する姿勢、落ち着いて穏やかに接し、素敵な笑顔を絶やさないことです。それさえ忘れなえれば、大変なことも多い小児科ですがきっと子どもたちから笑顔と「ありがとう」をいってもらえるはずです。
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