小児の手術における手術室看護師の対応と役割

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近年では、子ども病院なら小児、高齢者センターなら高齢者、がんセンターなら癌の手術を行うなど、病院によって対象が別れています。しかし、三次救急を担う病院や大学病院、地域の中枢である病院などで行われる手術は実に多様です。そこでは、小児から高齢者まであらゆる患者さまに対応できる手術室看護師が求められます。
今回は、子どもとその家族に対する手術室看護のポイントについて紹介します。

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発達段階や子どもの気持ちに寄り添う


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幼児以降になると、「手術」を受けるということが何となくわかるようになってきます。自分一人で歩行入室できる子もいれば、お母さんに抱っこされて入室後、麻酔導入まで付き添ってもらうこともあります。

手術室看護師は必要に応じて適切なプレパレーションを行い、発達段階や子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。子どもにとっても、恐怖心や不安が少しでも軽減する方法やタイミングで麻酔導入から介助していくことが理想です。幼児では小さいから理解できないだろうと思っていても、適切なプレパレーションによって落ち着いた状態での導入や覚醒時の指示に従うことができる子もいます。

手術スタッフとしても術前に啼泣してしまうと、平常時のバイタルサインを把握することができないままの麻酔導入になってしまうかもしれません。術後は、挿管チューブの自己抜管やルート抜去、手術台からの転落を防ぐ必要もあります。小さな子どもでも力は想像以上に強く、安全に手術を行うための声かけや説明、適切な抑制が必要になる場合があります。


家族に対するケア


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手術に付き添う家族も不安や心配、手術を受けさせることになってしまったことへの罪悪感などさまざまな感情を抱えています。

子どもにとって良かれと思い、手術室へ同伴入室(主に母親)を可能にしても、泣き叫び暴れて嫌がる我が子を前に、家族が戸惑いパニックを起こしたり、泣き出したりしてしまうこともあります。特に安全のためと我が子が手術室スタッフに抑えられている姿は、家族にとって耐え難いものでありできれば避けたい場面です。また、挿管や穿刺など侵襲のある医療行為が親から見えないように誘導していく配慮も必要です。家族に対しても、子どもに行われる処置や抑制などの必要性を説明するなどの配慮も大切です。

手術室看護師は、子どもと家族の双方に寄り添いながら、安全に手術が受けられるように進めていかなくてはなりません。


手術時の注意点


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子どもは、成人のように指示を理解して動くことが難しく、成人では局所麻酔で受けられる手術であっても、基本的には全身麻酔が選択されることが多いことが特徴です。

小児麻酔や手術はとてもシビアで、薬も慎重に投与されます。また、子どもは自分で訴えることが難しいため、手術体位の状態やルート類の確認、各モニター上のバイタルサインの変化を見逃さないように観察します。


麻酔覚醒〜退出まで


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麻酔科医としても、子どもに負担や苦痛が少ないよう麻酔覚醒まで持っていけるかどうかは腕の見せ所です。覚醒状態も、呼吸が整っていれば少しウトウトしているような状態で退出していくことも珍しくありません。
可能な場合は、抜管が済んでから家族(主に母親)に入室してもらい子どもに声をかけてもらったり、抱っこしてもらったりすることもあります。啼泣して暴れてしまうなど安静が保てなかったり、呼吸が乱れてしまったりするよも安全だからです。

しかし、「ルートや創部が固定され包帯を巻かれている」「眠っていて声をかけても反応が薄い」「激しく泣いているので痛がっているのではないか」など子どもの変化に家族が動揺してしまい、どのように接すればよいか分からない様子も多く見られます。
家族が安心して子どもに接することができるように、見えない創部の状態(創の位置や大きさ)やルートの説明、子どもの覚醒状況、痛みのコントロール状況などを説明します。

病室に戻ってからは、家族が子どもに付き添うことが多いので、ルート類や手術部位に対する注意点や子どもに起こり得る異変と予測される事態について説明し、異変や不安があれば医療スタッフに伝えてもらうように話します。


ときに虐待の可能性を疑う


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悲しいことですが、緊急外傷の中には「虐待」が含まれる可能性があります。全身を観察できる手術室看護師は、子どもの身体の状態からどこか普通でない状況を感じ取り他職種と相談していくことがあります。


◆おわりに

小児の手術では、その身体の大きさと比例して、細かな手術操作が多く、器械も繊細なものを使用する場面があります。使用する薬剤の量や副作用にも注意していきます。小児麻酔の経験がある医師や看護師から指導を受けるなど特有の知識を身に付けることが必要です。
また、子どもの手術は本人や家族にとって危機的なできごとであり、各々が不安や恐怖、後悔、希望や絶望などさまざまな感情を抱えています。手術室看護師は、精神的にも寄り添いながら安全に手術が受けられれようサポートしていきます。

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