学生のころからコミュニケーションの大切さは学んでいるものの、患者さんの話が止まらなくなってしまったときは、どのように対処すればいいのか迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。
ただでさえ仕事が忙しいときに、なかなかコミュニケーションだけに時間を割くことは難しいですよね。必要な話が終わっても話し続ける患者さんに対して、会話をうまく切り上げるコツをご紹介します。
患者さんの中には、「自分の話を聞いてほしい」「症状や苦痛を切実に訴えたい」などの思いから話が止まらなくなってしまう方がいます。
話が止まらない理由を考えて、自然と会話が終結するよう心がけましょう。
入院している患者さんは少なからず病気を抱えており、その症状でつらい場合があります。例えば骨折部位が痛かったり、がん性疼痛で悩んでいたり、身体的な苦痛から助けを求めているのかもしれません。
このような場合は、「時間がないから切り上げる」のではなく、「身体的な症状を軽減する」ことにポイントを絞って必要な情報を収集し、対処法を先輩看護師やチームで考えていきましょう。
また、認知症の高齢者などは身体的な症状をうまく言葉で表現できず、多弁になる場合もあります。
生理的欲求とは、人間が生きていく上で必要な、食事・睡眠・排泄などの欲求を指します。マズローの欲求5段階説によると、一番底辺にある「生理的欲求」が満たされなければ、自己実現などの高次の欲求は満たされません。
そのため、まず患者さんの生理的欲求が満たされているかどうか確認してみましょう。多弁な患者さんの背景をよくアセスメントしてみると、十分に眠れていない、あるいは尿失禁や便失禁をしているなど、生理的な欲求が満たされていないケースもあるようです。
おしゃべりな患者さんは「ただ世間話をしたい人」と捉えてしまいがちですが、話が止まらない理由をよく考えてみると、精神的なダメージを受けているケースもあります。話が止まらなくなる状態は「相手の状況を客観的に判断できていない状態」とも言えます。
つまり、忙しい看護師の手を止めて長時間話を続けていることに気づかず、自分のことで精一杯になっている状態なのです。そうならないために、患者さんの精神状態をよくアセスメントする必要があります。
身体的・精神的な影響に加えて、社会的な問題を抱えている患者さんもいます。例えばお金のことや家族関係で悩んでいるなど、社会的な問題が解決していないまま入院生活を続けているため、その不安を誰かに話したいのかもしれません。
話が止まらない患者さんの対応を考えるとき、患者さんの社会的背景に目を向けてみると解決の糸口が見えることもあります。
話が止まらなくなる理由をアセスメントしたものの、すぐに解決できる悩みではないときもあります。
そのような状況で、どうしても話を切り上げたいときは、看護師が「コミュニケーションの主導権を握る」ことが大切です。会話の主導権を握るために、話の途中で「確認・要約・質問」を入れていきましょう。
確認→「あなたがお伝えしたいことは、?で合っていますか。」
要約→「つまりまとめると?ということですね。」
質問→「それで、お伝えしたいことはどのような内容でしょうか。」
「確認・要約・質問」を入れて会話の主導権を握ったところで、「それではいったん失礼いたします。」と声をかけて切り上げてみましょう。
それでも話が止まらないときは、あらかじめ対応できる時間を伝えてみましょう。このとき、会話が延びることを見越して時間を少なめに伝えておくことがポイントです。
ただし、患者さんが精神的ダメージを受けているなど、時間をかけてコミュニケーションを取る必要がある場合もあります。その判断が難しいようであれば、先輩看護師やチームのメンバーに確認してみましょう。
話が止まらない患者さんに対しては、看護師が会話の主導権を握ったり、あらかじめ対応できる時間を伝えたりするなど、コツをつかめばコミュニケーションを自然に終結させることができます。
ただしこういった患者さんの中には、身体的・精神的・社会的につらさを抱えている方もいます。そうした患者さんは「話が長い人」と受け流すのではなく、先輩看護師やチームの力も借りながら適切な対処をしていきましょう。
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