お役立ち
2019.4.26
若い女性でも罹患率が高い「乳がん」ですが、多忙なナースは忙しさのあまり、自分の健康に目を向ける余裕がないときもありますよね。
しかし、乳がんは早期発見・治療がポイントで、発見が遅れると治療の選択肢が限られてしまう場合もあります。
そこで、セルフチェックと併せて乳がんの検査・治療方法をおさらいしましょう。
日本では約2人に1人ががんになるといわれています。中でも乳がんは女性に多く、死亡率が高いがんのひとつです。その好発年齢や症状、ステージ分類などを見ていきましょう。
国立がん研究センターが公開している「最新がん統計」によると、2014年における女性のがんの部位別罹患数の第1位が「乳房」です。
その患者数は9万人を超えており、女性の11人に1人は乳がんに罹患する可能性があるのです。年齢別に見た乳がんの罹患率は30代から増加し始め、40代後半にピークを迎え、60代後半から次第に減少していきます。
乳がんの初期は、自覚症状がないことがほとんどです。そのため、早期発見には健診が重要な役割を果たします。
以下のような症状が出るころにはがんが進行している場合もあるため、早めに病院を受診しましょう。
・乳房に石のような硬くて動かないしこりがある
・乳房がくぼんでいたり、湿っぽかったりする
・乳房が痛い、腫れている
・乳房が熱っぽい
・脇の下にしこりがあったり、腫れている
・乳房付近の皮膚が硬くなった気がする
・腕がしびれる
・授乳中でないのに乳頭から分泌物がある
乳がんも他のがんと同じく、ステージによって治療法が異なります。
乳がんのステージ分類について理解してきましょう。
■ステージ0
極めて早期の段階です。がんが乳腺にとどまっている状態のことをいいます。
■ステージⅠ
しこりの大きさが2cm以内で、がんが脇のリンパ節に転移していないものをいいます。自分で触ってわかる段階であり、ここから受診につながるケースがあります。
■ステージⅡ
・ステージⅡa
しこりの大きさが2cm?5cmで、脇のリンパ節に転移がない状態、もしくはしこりが2cm以下で脇のリンパ節に転移している状態をいいます。
・ステージⅡb
しこりの大きさが2cm?5cmで、脇のリンパ節に転移がある場合をいいます。
■ステージⅢ
このステージになると見た目にも症状がわかるようになり、条件がやや細かくなります。
・ステージⅢa
しこりの大きさが2cm以下であるが脇のリンパ節に転移があり、さらにリンパ節がお互いにくっついているように他の組織にも影響を及ぼしている状態。もしくは、脇のリンパ節に転移はなく、胸骨と呼ばれる心臓あたりにある骨の内側のリンパ節が腫れている状態をいいます。
あるいは、しこりが5cm以上で、脇・胸骨の内側にあるリンパ節へ転移が見られるケースも少なくないようです。
・ステージⅢb
しこりの大きさやリンパ節の転移にかかわらず、しこりが胸壁に張り付いている、または皮膚のくぼみや皮膚が崩れたような状態をいいます。炎症のある乳がんもこれに含まれます。
・ステージⅢc
しこりの大きさにかかわらず、脇のリンパ節と胸骨の内側のリンパ節に転移がある状態、あるいは鎖骨の上下のリンパ節に転移がある状態をいいます。
■ステージⅣ
遠隔転移している場合をいいます。乳がんの場合は骨・肺・肝臓・脳に転移しているケースが多いようです。
予後にも影響する早期発見・治療を進めるために、乳がんの検査や治療法をおさらいしましょう。
乳がんの検査方法は主に、マンモグラフィ検査や超音波診断装置を用いたエコー検査を行いますが、必要に応じてMRIやCT検査が行われる場合もあります。
乳がんの主な治療法は手術療法や化学療法・放射線療法などです。
手術療法には主に4つの方法があります。
1.乳房部分切除術
2.乳房切除術
3.乳房再建術
4.リンパ節郭清
乳がんのステージや部位によって、抗がん剤による化学療法や放射線療法を組み合わせながら手術療法を検討する場合もあります。
乳がんのセルフチェックは意外と簡単です。お風呂に入っているときなどに始めてみましょう。
1.鏡の前で乳房や乳頭を観察する。
2.腕を高く上げて、くるくると小さな丸を描きながら乳房のしこりなどを確認する。
3.乳頭を軽くつまみ、分泌物がないか確認する。
乳がんは女性に身近な病気のひとつです。看護師は日々の忙しさから自分の健康をないがしろにしてしまいがちですが、毎日のセルフチェックが乳がんの早期発見につながるポイントになります。
今日からできる対策を始めて、乳がんから自分を守りましょう。
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