「苦手意識がある」「なかなかうまくいかない」と自信を無くしてしまいがちな留置針。
今回ナースときどき女子の独自アンケートで、看護師の皆さんに「ルート確保(留置針)に対しての苦手意識調査」をしたところ、過半数を占める59%が「苦手」と回答しました。
しかし、看護師として働く限りは留置針から逃げることはできないでしょう。そこで今回は、留置針に対する苦手意識を克服するためのポイントをとことん伝授いたします。
ルート確保は、穿刺だけうまくできれば良いというわけではありません。必要物品、事前準備をしっかり行うことがスムーズな手技につながります。
必要物品が不足し、準備に不備があれば患者さんに不安を与えてしまいますし、時間もかかります。
また、焦ってしまうことで失敗につながる可能性があります。事前の確認と準備は確実に行いましょう。
■必要物品
・処置用シーツ
・手袋
・駆血帯
・消毒綿
・留置針(一般的に20~24G)
・フィルムドレッシング材
・固定用テープ
・接続用ライン(延長チューブ、生理用食塩水)
・トレイ
・針捨て容器
■準備
・医師の指示を確認し、必要物品を準備する。
・衛生学的手洗いを行う。
・まず患者さんの本人確認を行い、末梢静脈確保を行う目的・方法を説明し同意を得る。
・物品をすぐに手の届く場所に配置する。
・固定用のテープやフィルムドレッシング材はすぐに使用できるよう準備しておく。
穿刺する血管は、「太い」「弾力がある」「蛇行がなく真っすぐ」というものを選びます。弾力がなかったり、破れやすかったり、もろい血管は避けてください。
上腕前腕に穿刺に適した静脈が見つからない場合は、手背や足背の血管を選んでもいいでしょう。血管の走行が分からない場合は、軽く駆血帯を巻いて探します。
また、血管が出にくい患者さんは穿刺しやすい部位を把握している場合があるので、「普段はどの部位から行っていますか?」など本人に聞くと解決するケースもあります。
■おもな穿刺部位
肘正中皮静脈、尺側皮静脈、橈側皮静脈
■穿刺の体位
穿刺する部位は心臓よりも低くすることで、血管が怒張しやすくなります。
■避けたい部位
・乳房切除やリンパ節郭清を受けた側の上肢
・麻痺側
・シャント肢
そのほか、前腕橈骨側の手首付近は橈骨神経が広く走行しているので避けます。
深部にある血管に穿刺すると、神経損傷のリスクが高まってしまいます。
長い1本の血管が見えている場合には、末梢の方から穿刺していきます。もし失敗した際、次に中枢側に穿刺することにより、失敗した部位から薬液が流れ出るのを防ぐためです。穿刺を行う血管は皮下組織の中を走行しているので、浅めに穿刺していきます。
具体的な手順は以下のようになります。
1.穿刺する際、留置針を持っていない方の手の指で穿刺部の末梢側の皮膚を軽く引っ張り、血管を固定する。
2.針先の切り口を上にして、予定部位の1㎝ほど手前から穿刺する。
3.針は皮膚面に対して5~20度くらいの角度で、血管の走行に沿って穿刺する。
4.逆血が見られたら外筒の先端を少し寝かせ気味にし、数㎜進める。
5.外筒内にも逆血が見られたら、外筒のみ根元まで進める。逆血が見られない場合には外筒のみ進めていくことで逆血が確認できることがあるが、何度も針を進めたり引いたりするのは避ける。
6.内筒を抜去する。一緒に外筒が抜けないように注意する。
苦手とする看護師が多いルート確保。思わず「あるある!」と言ってしまいそうな体験談をご紹介します。
・せっかく穿刺が成功したのに、延長チューブを接続しているときに手がブレて外れてしまった
・固定用テープを貼ったのに点滴が落ちない
・ループが屈曲し閉塞していた
・2回失敗すると「また失敗したらどうしよう」というプレッシャーがすごい
・入院時の穿刺は、患者さんのご家族もいるのでより緊張してしまう
・うまく穿刺できたのに急に患者さんが動いて外れてしまう
・点滴中、ルートが引っかかり外れる
看護手技の中でも苦手意識のある人が多いルート確保ですが、コツを知ることでより穿刺しやすくなります。いくら苦手といっても、緊張感が患者さんに伝わらないように注意しましょう。
また、血管の出方には個人差があるので何より経験を積んでいくことが大切です。機会があれば積極的に経験し、苦手を克服できるようにしていきましょう。
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