
(c)2019映画「ピア」製作委員会
「在宅医療」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
2025年問題、慢性患者の増加、病院のベッド数減少提案…在宅医療に関するさまざまな議論が交わされている現代。そんな社会に向けて、在宅医療をテーマにした映画「ピア まちをつなぐもの」が今、全国で順次上映されています。
「ピア(Peer)」とは、「仲間」という意味。若手医師である主人公が仲間とともに、在宅医療に懸命に取り組んでいく様子を描いたヒューマン・ドラマです。
今回はその映画の感想を、ネタバレなしで語り合ってみました。
編集K:看護師歴14年目、二児のママナース。「救命病棟24時」を見て看護師を目指した。最近の作品で好きなのは「コード・ブルー」
編集M:編集者歴約20年。好きな医療ドラマは「医龍」「Dr.コトー診療所」
編集S:編集5年目、アラサー真っ盛り。好きな医療ドラマは「ER」「アリスの棘」
病気で倒れた父親の医院を継ぐために、大学病院を辞めざるを得なくなった若手医師の高橋雅人(細田善彦)は、父・圭蔵(升毅)の要望で渋々訪問診療も始めることになる。
しかし大学で先端医療の研究を志していた雅人にとって、地域の患者やその家族たちの医療には、なかなか関心を持てないでいた。
それに加えて医師としてのプライドもあり、ケアマネジャーの佐藤夏海(松本若菜)や介護福祉士など他の職種との連携も積極的にとらず、やがて地域医療の中で孤立していくようになる。
そんな中、訪問診療に行ったある患者家族との出会いによって、雅人の医師としての考え方が大きく変わっていくことになるのだった…。
編集K:こんなに泣くとは思ってませんでした(笑)。自宅で死を迎えられる人はまだまだ少数派なんじゃないかな、とも。医療従事者としては考えさせられましたね。描写もすごくリアルでした。
編集M:在宅医療ってこんなにフルスタッフでするものなんだ、って初めて知りました。これから在宅医療を希望する人が増えたら、スタッフの数も相当必要になるんじゃないかなって。
編集S:私も、こんなに在宅医療にかかわる人って多いんだ、と驚きました。よく「訪問看護は1人でなんでも判断しないといけない」と聞きますし、確かに看護師は1人なんですけど、在宅医療はチームでやるもので、まったく孤独なわけではないんだな、と。

(c)2019映画「ピア」製作委員会
編集K:最初のほうで、主人公が施設入所を勧めたおじいさんが、そのあとベッドから転落したシーン。リアルですね。転院や退院の話が出ると落ち着かなくなる患者さんっています。
編集M:後半で高校生の女の子が泣くシーンですね。よく医療ドラマである「この場面でこんなに喋らないだろう」みたいなのがなくて、ただ声が枯れるまで泣き続けるリアルさに胸を打たれました。
編集S:徐々に主人公が変化していく様子が印象に残っています。主人公は“悪いこと”をしてたわけではなくて、ただ在宅医療にそぐわなかったというだけなんですけど、その変化がすごく大事なんだな、と。

(c)2019映画「ピア」製作委員会
編集K:お薬を山ほど処方されてるおばあさんがいましたが、実際にポリファーマシー(※)に陥っている高齢者は多いですね。いろんな病院にかかってるけど、お薬手帳での管理ができていない状態です。
あとは、胃ろうを入れるかどうかのやりとり。「食事は口から食べたい」というのは病棟でもよく聞く言葉ですし、かなり現場を忠実に再現しているのがわかりました。
(※)ポリファーマシー:「Poly(多くの)」+「Pharmacy(調剤)」の造語。多数の薬を処方され、薬物有害事象や飲み間違いなどが発生すること。
編集S:これが実話だと言われても違和感がなかったですね。
編集K:理学療法士、歯科衛生士、珍しいところでは福祉用具専門相談員まで出てきて、それぞれのキャラが自然に立っているところもリアルですね。1人の患者さんに多くのスタッフが関わっているところを丁寧に描いてくれているな、って。
編集M:病院が家に来ているようでしたね。

(c)2019映画「ピア」製作委員会
編集S:今回は在宅医療にフォーカスされていましたが、患者が終末期を迎えるにあたって、病院と在宅をどう比較すればいいと思いますか?
編集K:治療を優先するなら病院、個人の尊厳を優先するなら在宅、というところでしょうか。「町医者は20年遅れてる」というセリフもありましたね。
救命病棟にいたときはさまざまな死を見てきました。交通事故で息子を急に亡くした人もいれば、一方で、自殺で運ばれてきた人から「なんで助けたんだ」と言われることもある。死ってなんだろうと常々考えてしまいます。
自宅で孤独死する人もいるし、認知症でも病院で皆に看取られて逝く人もいる。何が幸せなのか、一口には言えないですね。

(c)2019映画「ピア」製作委員会
編集K:病棟で働いている看護師でしょうか。病院で働いていると、退院がゴールだと考えてしまう部分はあります。普段は忙しくて思い至らないけど、退院しても患者さんの人生は続いていくと考えるきっかけになると思います。
それから、いろんな職種の人が出てくるので、病院以外での働き方や、今後のキャリアの選択肢のヒントも得られるかもしれません。
編集M:今後、近いうちに介護を受けるかもしれない年齢の方にも観てほしいですね。リハビリは理学療法士と作業療法士、お薬のことは薬剤師…とたくさんのスタッフに見守られながら過ごすこともできるんだって意味で。
編集S:主な撮影地が私の出身である柏市なので、地元の人や家族にも観てほしいです。これを機に自分の住んでいる地域でどんな医療サポート受けられるかを調べておくのもよいかもしれません。
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■特別協賛の背景
レバレジーズメディカルケア株式会社は、映画『ピア まちをつなぐもの』に特別協賛しております。当社では、医療・介護分野において深刻化している人材不足を緩和するため、人材の供給をはじめとした、医療・介護に関わる人たちが働きやすい環境作りに取り組んでいます。
映画『ピア まちをつなぐもの』は、在宅医療・介護という高齢化社会の大きな課題への取り組みを通して、働くことの意味や、人と地域の繋がりの尊さを描いている作品であり、当社としてもこうした社会問題に目を向け、多くの人に知ってもらいたいという想いから特別協賛に至りました。
レバレジーズメディカルケア株式会社では、在宅医療と介護という社会的な課題への取り組みや、医療・介護の現場で尽力している方をサポートするための活動を今後も続けてまいります。

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「ピア まちをつなぐもの」
4月26日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国順次公開
出演:細田善彦、松本若菜、川床明日香、竹井英介、三津谷亮、金子なな子、
戸塚純貴、尾美としのり、水野真紀ほか
監督:綾部真弥 企画・原作・プロデュース:山国秀幸 脚本:藤村磨実也、山国秀幸
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