(このインタビューは2019年5月に取材したものです)
想像すら難しいかもしれませんが、
「5人の子供の育児に追われる」生活を想像してみてください。
「ふーーーッ・・・」
「一人か二人ならイメージできるけど、5人となるとどんな生活になるんだろう」
かなり大変そうですよね。
想像の域を超えていますが、相当なエネルギーが必要そうです。
次に、ナースの皆さんが誰しも通ってきた
「看護師学校」の学生生活を思い出してみてください。
「・・・うん、あの頃はキツかった」
「毎日勉強に追われてた」「・・・二度と戻りたくない」
なんて声が聞こえてきそうです。
夢に向かってがむしゃらな時期だけど
なかなかハードな日々でしたよね。
この2つを日常生活の軸に、モデル業もこなしているのが、
『VERY』などファッション雑誌でも活躍している「敦子さん」です。
現在、看護学校四年制の3年生。
3年後には助産師になることを目指しています。
さぞ「パワフルで熱い女性」にちがいないと、
『ナースときどき女子』編集部では、
敦子さんのインタビューを敢行。
敦子さんが助産師の資格を取得するその日まで、
「敦子さんの今」を追い続けて行こうと考えています。
第一回では、敦子さんが助産師になろうと決心したきっかけと
家族や学校での様子をうかがってきました。
PROFILE
【名前】敦子
【年齢】1978年生まれ(40歳)
ファッションモデルとして雑誌『JJ』の専属モデルとしてスタート。2006年以降、30代主婦から圧倒的に支持される雑誌『VERY』でモデルとして活躍中。
現在、中学3年生から保育園児までの5人のお子さんのお母さん。
また、チャイルドカウンセラー(内閣府認証)、日本食育アドバイザー(NPO)などの資格を取得するなど、子育ての経験や知識を存分に活かしている。
――TV番組で、敦子さんが助産師を目指して看護師学校に通われていることを知りました。
敦子さん:そうなんです。
現在、5人の子供の育児とモデルをしながら看護学校に通っています。
――5人のお子さんがいらっしゃることは私も雑誌などで知っていましたので、助産師を目指していらっしゃると聞いてとても驚きました。「さらに多忙に?」という驚きはもちろんですが、「なぜ助産師に?」という驚きもありました。どうして助産師になりたいと思われたんですか?
敦子さん:そうですね。元々モデルをしながらベビーマッサージの講師をしたり国際協力NGOのジョイセフで妊産婦支援の活動をさせていただいていたんです。そのジョイセフの活動でタンザニアの視察に同行させていただいたときは、自分でできることをお手伝いしていたんですが、もうちょっと踏み込んだ支援をしたいなって思ったんです。タンザニアに行ったときには、私自身、何も資格がないのでお手伝いできることが限られていて、ちょっと歯がゆい気持ちが残ったんですね。
――なるほど。それで助産師の資格を取りたいと。
敦子さん:そうなんです。それと、やっぱり私、子どもがすごく好きで赤ちゃんも大好きなんです。今後を考えたときに、もう少し具体的な支援ができればという気持ちと、ちょうど今年40歳なので、残りの人生を考えたときに赤ちゃんの側にずっといたいなっていう思いがあって。助産師の仕事ならずっと母子に寄り添っていられると思って決断したんです。
――それで二年前に看護学校に入学されたんですね。(現在、敦子さんは四年制看護学校の3年生)
敦子さん:はい。私の看護学校入学はちょうど同じタイミングで長男が中学校に入学、末っ子が3歳で保育園に入園という次期だったので、私も1年生で一緒にスタートしてもいいかなって。
――看護学校入学は親子で入学のタイミングだったんですね。
でも敦子さんは30代後半で看護学校を目指すと決めたとき、本格的な勉強は久しぶりだったわけですよね。抵抗はなかったですか?
敦子さん:じつはそんなに抵抗はなくて、「私にもできるかも」って。
それには周りの影響もあるんです。高校時代の友人はほとんどが、大学を出て就職して、結婚して母親になっているんですが、その友人の中の2人がママになってから看護学生になっていたんです。さらに私自身も4人兄弟で弟がいるんですが、弟もまた看護学生だったんです。現在、弟はすでに看護師として働いていますが、私が看護学校で勉強したいなって思い始める2、3年くらい前に、弟は看護学生になってたという話を聞いたんです。一度社会に出たりママになったあとでも、弟や友人のようにもう一度挑戦できるなら、私もできるかなと。
――親しい方が同じ経験をされていたんですね。それは心強い。
敦子さん:そうですね。本当にタイミングよく周りに同じ志の人がいたので、それに後押しされた感じで。いろんな人に話を聞いて心の準備ができたのは大きいと思います。
やっぱり身近な人の「こういうときはこうしてたよ」という生の声は貴重ですよね。例えば「実習のときは実家に頼ったよ」とかっていう話を聞けたので、頭の中で看護学生になったときの生活をシュミレーションできていました。
――それで看護学生になる決意が固まって、そこから猛勉強されたんですね。
敦子さん:はい。受験勉強では、久しぶりに数Ⅰや数Aからやりました(笑)。
――5人のお子さんの育児や家事だけでも大変だと思うんですが、どんなスケジュールで生活されているんですか?
敦子さん:基本的に、平日は朝と看護学校から帰ってからは家事と育児ですね。土日は次男が野球をやっているのでお弁当作って送り出して、あとで私も観戦に行きます。
――看護学校は何時からですか?
敦子さん:看護学校は座学だけだと午後から始まって夕方5時頃までです。実習のある日は子どもたちよりも早く家を出ることもあります。来年はほぼ実習なので大変になりそうですが。
――同じ子育てをしている身としては想像するだけで大変さが伝わってきます。看護学生としての生活が始まってから、何かお子さんたちに変化はありましたか。
敦子さん:子どもたちはあまり何も変わってないですね。朝も学校や保育園に送り出すときは私はいますし。帰りは子供たちのほうが早いですが、小学生が3人いるので賑やかで寂しくなく過ごしているみたいです。ひとつ変化があるとしたら、私が看護学校のその日の復習していたりすると長男が横で勉強始めたりするようになったんです。少しずつ、「ママもやってるんだったらやろうかな」って感じでいい影響を与えられていたらいいなとは思ってます。
――逆に敦子さん自身に変化はありましたか?
敦子さん:そうですね。やっぱり気持ちとしては「育児にかける時間を貸してもらってる」という意識があるので、時間があるときには簡単なものですがおやつを作っておいて出たり、置手紙を書いていったり。どこかに申し訳ない気持ちがあるので、私の自己満足的ではあるんですがやれることはやっています。
――お子さんたちに愛情と勉強する姿勢が伝わっていますね。
敦子さん:そうかもしれません。家族で共同作業的な意識は生まれている気がします。私が家事を中途半端な状態で出て行ったりすることがあるんですが、帰宅すると途中になっていた家事を子どもたちが引き継いでやってくれていたりするので。
あ、それと私の変化としてはもうひとつ。子どもたちの大量の宿題や連休明けの「ちょっとつらいなぁ」って気持ちに共感できるようになりました(笑)母親目線だとつい頭ごなしに「頑張って学校行きなさい」って言っちゃいますよね。でも、「ちょっと朝寒い」とか「おなか痛いな」とか、「もう少し寝てたいな」って気持ちが今はリアルに解るので、子どもの気持ちに寄り添った声掛けができているかもしれません。
――ちょっとした「仲間意識」ですね。(笑)
敦子さん:はい、そんな感じです。(笑)
ーー看護学校での様子も少し聞かせてください。
看護学校では、敦子さんのように一度社会に出られていたり、お母さんになられてから看護学校に入られたクラスメートはいらっしゃいますか?
敦子さん:じつはたくさんいるんです。半分くらいは社会人経験のある方で、お子さんがいる方も多くて。たぶん3分の1くらいは「お母さん」じゃないかと思います。
――え、そんなに多いんですか?!
敦子さん:そうなんです。私よりも年上の方も数名いますし、18歳で高校卒業して入学した子たちももちろんいますが、高校出てすぐの子たちの方が少ないかなという感じです。なので私だけ「ママだから大変」っていう感じはないですね。学校では「子どもが熱出ちゃって早く帰んなきゃいけないんだ。」「いいよやっとくから」なんて会話が飛び交ってます。お母さん同士お互いに思いやれる環境です。
――お母さん同士で連帯感ありますね。二十歳くらいの学生さんとはどんな感じですか?
敦子さん:普通に高校生から入った子たちとも仲良く話せたりするので楽しいですよ。彼女たちも二十歳になって成人式も終わっているので、「じゃあ飲みに行こうよ」みたいなこともときどきあったり。私にとっては子供のお迎え前とかの1時間にも満たないひとときなんですけど、いい息抜きの時間になっています。彼らはうちに泊まりに来て1日遊んで帰ったりとかすることもあります。うちの子たちにとってはちょっとした「おにいちゃん・おねえちゃん」的な感じで遊んでもらっています。
――楽しそう。学生生活にすごくなじんでますね。
敦子さん:はい。学校らしいことといえば、学校では委員会とかもあります。そういうのはなかなか慣れないんですけど。
――委員会って係みたいなものですか。
敦子さん:そうなんです。私、今年は保健委員なんですけど、保健室の環境整備とかシーツ交換とか。年間2回ある健康診断のときに補助したりとかが主な仕事ですね。他には日直みたいなのがあったり。あと課題の提出期限に対してはものすごく厳しいですね。1分でも遅れたらもう受け取ってくれなかったりしますし。
――そういうところは学校なんだなって実感しますね。
敦子さん:そうですね。学校ですから勉強が大変なのは当然ですが、生活の中に復習やテスト勉強の時間を上手く入れていくと効率よく勉強できるので、とても学校生活は楽しんでいます。
――はい、まだ先は長いのでぜひ楽しんでください!
勉強と5人のお子さんの子育ては並大抵ではないと思いますが、体をこわさないように頑張ってください!
敦子さん:はい、ありがとうございます。頑張ります!
子育てと看護学生の両立生活について
熱~く語ってもらおうとインタビューにのぞんだ編集者でしたが、
詳しく聞くにつれ、敦子さんの考え方も、実際の生活も、
それはじつに自然体。
「子どもがいるから一生懸命育てる」
「目標を立てたら努力する」
敦子さんは実にシンプルでしなやか。
そして、優しさにも溢れていました。
『ナースときどき女子』では、これからも敦子さんが「助産師になるその日」まで追っていこうと思っています。次回は、5人のお子さんの子育てをしながらの「敦子さん流究極の時短勉強法」に迫ります。ご期待ください!
〈敦子さんのオフィシャルブログ〉
https://ameblo.jp/douchin-atsuko/
※ジョイセフ
撮影:森信英(GEO)
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