エンタメ
2019.10.29
看護師なら誰もが通ってきた看護学校、実習の日々は、つねに挑戦、悩み、戸惑いの連続だったはず。
「それは万国共通だった!」
看護師ドキュメンタリー映画『人生、ただいま修行中』は、実習期間のナースの卵たちをみずみずしくリアルに描いている。
主人公は、パリ郊外のクロワ・サンシモン看護学校に集まる、年齢、性別、国籍、出身地、宗教も多様な個性あふれる生徒たち40人。
生徒たちの150日間の見習い期間は、つまずいたり、泣いたり、笑ったり、試行錯誤の連続だ。
右も左もわからない状態の生徒たちは、看護師の心得などの膨大な知識のインプットから、適切な手の洗い方、注射器などの医療器具の取扱い、患者を動かす介助法といった数々の治療技術の習得はもちろん、患者や家族、そして思わぬ場面に立ち合ったときの対応や心のケアなどの責任に立ち向かう心構えを教わり成長していく。
「私は『他者のために働く』というキャリアに踏み出した若者を撮影したかった」という監督の言葉は、全世界の看護師へのエールにも感じる。
看護師の卵たちの日々を描いた映画でありながら、看護師に限らず、誰もが最初は一年生で、失敗を繰り返しながら人生の旅は続くことに気づかせてくれる、そんな映画。
まさに医療ドキュメンタリーではなく、感動奮闘ドキュメンタリーだ。
監督を務めたのは、小さな小学校の13人の生徒と一人の先生の日々に寄り添ったドキュメンタリー映画『ぼくの好きな先生』でフランス中を感動の渦に巻き込んだ、ドキュメンタリー映画の巨匠ニコラ・フィリベール監督。
泣かせるための脚本(ドラマ)ではなく、絶妙な距離感で実習生たちの一瞬一瞬を切り取り、看護師のリアルが映し出されている。
映画の中で描かれる実習生の経験や失敗、覚悟に、かつて実習で挑戦し苦悩した自分を重ねるのではないだろうか。
看護学生、現役看護師はもちろん、すべての人に、
人生に一歩踏み出す勇気を与えてくれる映画になっている。
ぜひ劇場でお楽しみください。
現在「月刊!スピリッツ」で連載中の、精神科病院で働くことになった新人看護師の夜野(よるの)さんが出会う患者との日々を綴った「こころのナース 夜野さん」、「精神科ナースになったわけ」、「32歳で初期乳がん 全然受け入れてません」など、多くの看護・医療をテーマにした作品を発表している漫画家の水谷緑さんが、『人生、ただいま修行中』に感銘を受けて感想イラストを寄せています。
「看護実習後の面談シーンに癒されます…」と目を潤ませて語る水谷さん。
「つらい時はちゃんと泣けてる?」「看護師が向いてないなんて余計なお世話よね!」と、病院実習で学生が感じた戸惑いに対し、感情を引き出そうとする先生のあたたかさ。また、顔つきが変わり感情をあらわにして、「看護師に向いてないって言われた…!」「患者さんの最期に立ち会って、何かを見つけた…」「とことん発見したいの!」と、それぞれの想いを語る映画のなかの学生たち。看護学生たちの抱えるリアルなドラマが、水谷さんの優しいタッチと色合いで生き生きと描かれています。
『人生、ただいま修行中』(仏)
監督・撮影・編集:ニコラ・フィリベール
配給:ロングライド
11月1日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
新宿武蔵野館のチケット窓口で以下のご提示をしていただくと、
一般・学生の当日窓口料金から300円OFFにてご覧いただけます。
*看護&医療系の学生や従事者の方
学生証、医師免許、看護系団体の会員証やバッジなどを提示
*医療に関連するアイテムを持参の方
聴診器、白衣、人体模型(?)などをご提示
劇場情報など詳細は公式ホームページで
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