
手術室は、手術に携わる限られた者だけが入ることを許される特別な場所です。ドラマや映画などを見ていても感じられると思いますが、独特の緊張感があります。
では、そんな手術室で働く手術室看護師の「やりがい」とは一体なんでしょうか。今回は、手術室看護師をやっていて良かったと思える瞬間をご紹介します。
手術室看護師がやりがいを感じる瞬間は、やはり無事に手術を終えることができたときでしょう。特に最後の患者さまを送り出した後、まだ片付けや清掃が残っている誰もいない静まり返った手術室に戻ると「戦いは終わったんだな」と改めて実感します。
マスクを外したり帽子を取ると、やっといつもの自分に戻れたような気がします。清掃を終えて、翌日や緊急手術用の準備が整ってしまうと、また少し緊張感が戻ります。
手術室では、どんなに備えていてもイレギュラーなことがたくさん起こります。特に、救急病院では超緊急手術や急変、大量出血が予測される手術、見たことがない外傷などさまざまな症例があるでしょう。
そういった場面では、手術室看護師の応用力や対応能力が試されます。いつになっても、経験がない場面や1秒を争う場面が出てくるのです。私も何度となくそういった場面に遭遇し、真っ白になりそうな頭を奮い立たせてやってきました。
手術室看護師には、「私がやらなければならない」という逃れられない場面があるのです。実際は自分一人ではなく、夜中に震えながら先輩に電話でアドバイスを求めたり、現場にいる医師や後輩と協力して乗り越えていきます。そうして、患者さまの生命と正面から向き合っていくことが手術室看護師のやりがいです。

手術室には基本的に窓がありません。あったとしても常に締め切っていて清潔な空間として空調管理されているため、外がどういう天気なのか、そして朝なのか夜なのかさえもイマイチわからず、感覚が鈍ってきます。
何時間も手術室に籠っていると、一歩外に出て空気を吸い込んだ瞬間がなんとも言えないのです。爽やかな春、シトシトの雨、暑い夏、寒い冬…どの季節、どんな天気でも外の世界が新鮮に感じます。

近年では、術前術後訪問が行われるようになり、手術室看護師も患者さまと関わる時間が増えてきました。しかしながら、院内の廊下などで術後の患者さまにお会いしても、手術を担当した看護師だとはなかなか気が付かれないでしょう。
緊張や麻酔の影響もありますが、手術室看護師は帽子とマスクで別人に化けるので、なかなかわからないのです。でも、私たちにはわかります。身体の中の状態や手術時の記憶が鮮明に残っています。担当した患者さまが院内の売店や廊下を歩いていたり、回復された姿を見ることができると幸せな気持ちになります。
手術室看護師には、手術を行うチームの一員として手術に携わり無事に手術を終えていくという達成感があります。また、看護師同士だけでなく、医師や臨床工学技士ともそれを共有することができます。医療はスタッフ間であっても思いやりが大切であり、チームメンバーとしてそれを実感できるのも手術室の魅力です。
Writer…suke
Illust…Mana.Ishiguro
Twitter:@mana_utd
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