准看護師とは!正看護師と何が違うの?

2020.2.17

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「准看護師とは?」「正看護師と違いはあるの?」と考える方もいるでしょう。准看護師は正看護師とは異なる資格です。保有する免許や教育課程などに違いがあります。このコラムでは、准看護師を目指す方法や仕事内容、勤め先などを詳しく解説。また、メリットも紹介しているので、准看護師に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

准看護師とは

准看護師とは都道府県から発行された免許を得て、患者の看護や診療補助を行う職種です。医師や看護師の指示のもと医療行為を行います。ここでは、准看護師の仕事内容や勤め先について見ていきましょう。

准看護師の仕事内容

准看護師の仕事内容は正看護師とほとんど変わりません。診察補助や体温・血圧の測定、注射、内服管理、採血、リネン交換などを行います。ただし、正看護師が自分の判断で業務を行えるのに対し、准看護師は医師や正看護師の指示のもとでしか業務を行うことができません。

准看護師の勤め先

准看護師の主な勤め先は、病院やクリニックなどの医療機関です。そのほか、介護施設や訪問看護ステーションなどでも働いています。看護師と同様にさまざまな職場で幅広く活躍しているのです。

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准看護師と正看護師の違いって?

ここでは、准看護師と正看護師の違いについて見ていきましょう。どちらも「保健師助産師看護師法」という法律に基づいて医療行為を行っていますが、保有する免許や給料などに違いがあります。准看護師を目指している方は、違いについてしっかり押さえておきましょう。

保有する免許の違い

准看護師と正看護師では保有する免許が異なります。准看護師は都道府県知事発行の免許ですが、正看護師は厚生労働大臣が発行する国家資格です。准看護師免許は都道府県が発行していますが、全国どこでも働くことができます。

業務の進め方の違い

准看護師と正看護師では業務の進め方が違います。仕事内容はほとんど同じですが、准看護師は自己判断で業務を行えません。医師や看護師の指示をもとで業務を行う必要があります。そのため、准看護師は看護師に比べると管理職に就くのが難しいといえるでしょう。

教育課程の違い

准看護師と正看護師では、教育課程も異なります。准看護師は中学を卒業していれば養成学校や高等学校の衛生看護科に進学して准看護師試験を受験できますが、正看護師は高校卒業が必須です。准看護師は正看護師に比べ受験資格取得までの履修や実習の時間が少ないので、資格を取得する難易度が低く費用も少なく抑えられます。そのため、正看護師よりも准看護師のほうが目指しやすいといえるでしょう。

給料の違い

准看護師と正看護師では給料が違います。厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査よると、正看護師の手取りの月平均が約34万円なのに対して、准看護師の手取りは約29万で約5万円の差があります。また、年間所得額を比べると、正看護師は平均で約492万、准看護師は約413万円で約79万円の差が出るのです。

参照元
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

専門資格のとりやすさの違い

専門資格の取りやすさも准看護師と正看護師では違います。専門資格とは、専門看護師や認定看護師、保健師、助産師のこと。専門資格は正看護師の免許を保有していないと取得できません。そのため、准看護師が専門資格を目指すのであれば、まず正看護師の資格を取る必要があります。

准看護師を目指す方法

ここでは、准看護師を目指す方法を紹介します。まず、資格取得に必要な養成課程を修了し、准看護師試験に合格する必要があります。中学卒業後または、高校卒業後に目指す場合では方法が異なるので見ていきましょう。

中学卒業後に准看護師を目指す場合

中学を卒業後、都道府県知事指定の養成学校に2年間、または衛生看護科のある高等学校で3年間学び必要な課程を修了。准看護師試験を受けて合格すると資格を取得できます。

高校卒業後に准看護師を目指す場合

高校卒業後の場合は准看護学校や4年制の看護大学、または短大や専門学校で3~4年間学びます。中学を卒業した場合と同様に、必要な課程を修了し資格試験に合格したら准看護師になれるのです。

社会人が准看護師を目指す場合

社会人になってから准看護師を目指す場合、中卒なら准看護師養成所、高卒なら専門学校あるいは、准看護師学校に通い准看護師試験に合格する必要があります。准看護師養成所は平日の日中に授業を行う全日制と、平日の午後や夜間に授業を行う半日制があるため働きながらでも通学が可能です。ライフスタイルに合わせて学び方を選択できます。

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准看護師の試験内容と合格率

准看護師試験の内容はすべて教育課程で学んだ基礎的な問題です。しっかり試験対策をすれば合格するのは難しくないでしょう。令和2年に行われた准看護師試験全体の合格率は99%でした。合格基準は都道府県によって異なりますが、この数値から見ても試験の難易度はそれほど高くないといえるでしょう。
試験は年1回、2月の上旬から中旬に実施されます。試験日は各都道府県によって違うため、日時が重ならなければ同じ年に複数の受験が可能です。

参照元
厚生労働省「令和2年度准看護師試験の実施状況」

准看護師になるメリットとは?

ここでは、准看護師になるメリットを見ていきましょう。准看護師には資格取得までの期間の短さや学費を安く抑えられるなどのメリットがあります。

資格取得までの期間が短い

資格取得までの期間の短さが准看護師のメリットです。准看護師の資格を取得する方法は複数ありますが、中学を卒業して養成所に2年間通うのが最短のルートといえるでしょう。

学費を安く抑えられる

准看護師は看護師に比べて学費が安いのがメリットです。正看護師と比べてみても学ぶ期間が短いため学費が安く抑えられます。中学卒業から准看護師を目指した場合は課程が少ない分安く抑えられるでしょう。

働きながら資格取得が可能

准看護師は働きながら資格取得が可能です。先述のとおり、資格取得に必要な課程が2年で修了できるうえ、全日制と半日制のどちらかを選んで学ぶことができるため働きながらでも学べる環境が整っているといえるでしょう。ただし、学校ごとにカリキュラムが違うので、仕事をしながらでも無理なく通えるか、志望する学校の時間割や授業内容を事前に確認することが大切です。

准看護師から正看護師を目指せる

准看護師から正看護師を目指すことも可能です。高校を卒業して准看護師になった場合、2年間看護専門学校で学んだ後、看護師国家試験に合格すると正看護師になれます。ただし、中卒の場合は、3年以上の実務経験が必要です。その後、専門学校で2年間、あるいは定時制であれば3年間の課程を修了し看護師国家試験に合格すれば正看護師になれます。

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准看護師の将来性

准看護師の就業者数は減少傾向にあるようです。厚生労働省のデータによると、2008年以降の10年間で約7万人減少しています。その理由は准看護師の資格取得者が減っているためです。以前は進学率が低かったため中学卒業後に准看護師を目指す人もいましたが、近年では高校進学が定着してほとんどの人が正看護師を目指すようになりました。また、高齢化や医療の高度化が進むなか、看護師の自律性が求められています。時代のニーズに合わせた医療を行うために、日本看護協会では准看護師と正看護師の一本化を目指す動きがあるようです。そのため、准看護師は将来的に廃止される可能性があります。准看護師を目指している人は頭に入れておくと良いでしょう。

参照元
厚生労働省「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 」

公益社団法人日本看護協会
准看護師制度について

 
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