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看護もSNSの発信も「悩んでいる人の力になりたい」が原動力。訪問看護師インタビュー・川合 美里さん

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在宅医療の最前線で働く訪問看護師へのインタビューシリーズ。今回はうつ病を乗り越え、視野を広げて前向きに看護に励む川合 美里(かわい みさと)さんを取材しました。ご自身の経験をSNSで発信し、海外で働くことを目指して勉強中。訪問看護のやりがいや利用者さまとの向き合い方などをお聞きしました。

プロフィール

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川合 美里(かわい みさと)さん
愛知県名古屋市にある「株式会社メディカル・ライフアップ 訪問看護リハビリステーション中村」で勤務する27歳。岐阜の大学を卒業後、東京の大学病院に就職し2年2ヶ月勤務。在職中にうつ病を発症し3ヶ月間休職した後に退職。愛知の実家で療養後、名古屋市内の有料老人ホームに派遣看護師として勤務。2018年1月から現職。休みの日は、留学を目指して勉強する傍ら、読書や森林浴をして、リラックスするように心がけている。



目次

自分の病気と向き合い、療養期間を経て訪問看護師へ

ーー現在の職務内容について教えてください。

名古屋市にある「株式会社メディカル・ライフアップ 訪問看護リハビリステーション中村」で勤務しています。入職してもうすぐ3年経ちますね。当社はリハビリに特化しているので、利用者さまの多くがリハビリを目的としているのが特徴です。訪問時間は1件あたり1時間で、利用者さまの状態確認や服薬管理、入浴の援助などをしています。また、寝たきりの利用者さまは皮膚トラブルを抱えている方も多いので、医療処置も行っていますよ。そのほかにも、医師やケアマネジャー、デイサービスなど各関係事業者との連携も業務の一貫です。

社内には看護師だけではなく、PTやOT、STなどさまざまな専門分野のスタッフがいます。それぞれの視点から捉えた利用者さまの様子を共有しあえるところが当社の良さだと思います。

ーー以前は大学病院で働かれていたのですね。
  その後、訪問看護師を目指した経緯を教えてください。

はい。大学卒業後は叔母が勤めていた東京の大学病院に就職して、消化器外科と脳神経外科の混合病院で働いていました。もともと、看護師になろうと思ったきっかけは看護師をしていた叔母に憧れていたからです。ただ、その病院は病床数も多く、患者さまの重症度も高かったので、かなりハードな日々でしたね。新人とはいえ、周囲の期待と自分の実力不足とのギャップを感じたり、同期と比べて落ち込んだりしました。次第に過剰な重圧を感じはじめ、「自分はダメだ」と否定的に捉えて自分を責めるようになったんです。その結果、3年目にうつ病を発症し、3ヶ月休職したあと退職して、療養のために愛知県の実家に戻りました。

体調が落ち着いてからは、社会復帰の一歩として派遣看護師をしましたね。月に何日か有料老人ホームで働きました。そこで少しずつ気持ちも回復して「正社員として働きたい」と考えられるようになったので良かったです。しかし、正社員として働くにあたって、病院勤務はトラウマを感じる部分があったので、選択肢の一つとして訪問看護を考えました。偶然その時期に、友人の母親が癌になって訪問看護を利用している話を聞いたことも、訪問看護に興味を持つきっかけとなりましたね。訪問看護師になって、「利用者さまと一対一で深く関わってみたい」という気持ちもありました。

ーー訪問看護師になる前に不安はありましたか?

訪問看護師になる前はあまり不安を感じていませんでした。老人ホームで働いていたときに、医師がいない状況で看護をする大変さには気づいていましたが、なんとかなると思っていましたね。その分、入職後の方が不安が大きかったです。たとえば、週に1回の訪問時に、何か大切なことを見逃してしまっても、次の訪問までは1週間空きます。最初は上司に同行していましたが、徐々に1人で訪問するようになると、「何か見落として問題がおきたらどうしよう」と不安になりました。

しかし、常にスタッフ同士で連絡が取れる体制だったので、毎回些細なことでもその場で上司に相談できましたね。利用者さまの皮膚の状態を写真で送って確かめてもらったこともあります。気になることを連絡したときに、上司が時間を作って来てくれたり、時間をおいて再度訪問してくれたりと、フォローしてくれたので、安心して働けるようになりました。

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専門スタッフと意見を出し合い、利用者さまをサポートできる喜び

ーー訪問看護の面白さや、やりがいについて教えてください。

利用者さまの生活環境や家族関係、人柄がよくわかるところが訪問看護の面白さだと思います。利用者さまの自宅に訪問すると、趣味のものが並んでいたり、生活感を感じたりとその方の人生を垣間見れるんですよ。病棟勤務のときも患者さまの様子をしっかり見てはいましたが、入院中では分からない部分がたくさんあったことに気づかされましたね。

訪問看護のやりがいは、専門職のスタッフがお互いの専門性を尊重したうえで、利用者さまのために意見を出し合うときに感じます。最初にもお伝えしましたが、当社は専門分野が異なるスタッフがたくさんいるので、それぞれのスタッフがどういう知識を持っていて、どんな風に利用者さまを見ているのかを実際に見て学ぶことができるんですよ。リハビリのスタッフに、病院と自宅ではリハビリのやり方が違うことや、利用者さまが生活の中でどういう動きを改善したら楽になるかなど細かくアドバイスももらえます。看護とは別の見方で利用者さまを知ることができるので、専門スタッフを尊敬しながら働いていますね。

ーー訪問看護の大変なところは何ですか。

利用者さまとの距離が近いので、関わり方に悩むときがあります。お互いの関係性を大事にしながら、アプローチの仕方や伝えるタイミングを考えるところが大変です。病院への受診を促したいからといって、こちらの意見だけを伝えてしまうと、訪問看護のサービス自体を拒否される可能性もあります。利用者さまの性格や家族関係、生活状況を見たうえで、その方に合った伝え方を考えなければいけないのが訪問看護の難しさだと思います。

ーー訪問看護師として大切にしていることは何ですか?

毎回の訪問で利用者さまと関わる時間を大切にしていますね。以前、担当していた利用者さまで、前回の訪問時は元気だったのに2日後に伺うと心停止していて亡くなってしまったことがあるんです。その方以外にも、訪問時に急変してしばらく入院することになった利用者さまもいます。何が起こるかわからない環境だと痛感してから、その日、その時間の訪問を大事にしていますね。
また、週に1回の訪問を楽しみにしている利用者さまもいるので、訪問時は笑顔で過ごしてもらえるように心がけています。訪問したときは「全身が痛い」と暗い顔をしている方が、1時間の訪問を終える頃には笑顔になって見送ってくれることもあるんです。そういうときは、訪問して良かったと思いますね。

「メンタルの弱かった私でも楽しく訪問看護をしている」ことを伝えたい

ーーこれからどんな看護師になりたいと考えていますか?

海外で働く看護師になりたいです。学生の頃から留学するのが夢で、本当は社会人4年目で留学しようと考えていたんですよ。でも、うつ病を発症して、貯金していた留学費用を生活費に回したこともあり、まだ実現できていません。日本とは違う環境や文化の中で働くことで、自分の視野をさらに広げたいですね。

また、若い看護師や看護学生の方が少しでも楽しく生きていこうと考えるきっかけになればと思い、私の経験などをSNSで発信しています。
実は、私は訪問看護師として現在の職場で働きはじめたあと、うつ病を再発してしまったんです。再就職して海外に行くために再び資金を貯め、英語力を磨こうと勉強も頑張っていましたが、気づかないうちに自分を追い詰めていたんでしょうね。そのときに支えてくれたのが職場のスタッフでした。どんなときでも温かく受け入れ、サポートしてくれたので今私は前向きに働けています。スタッフには心から感謝していますね。「病気を抱えても看護師として楽しく働ける」ことを自分の姿を通して伝えていきたいです。

ーー進路に迷っている看護学生や看護師に一言お願いします。

広い視野で人生を見つめてほしいですね。長く勤めていた職場では当たり前に感じていたことが、ほかの職場では通用しないことや、環境や自分の視点を変えるだけで、悩みが気にしなくて良いことに変わったり、新しい発見に繋がったりすることもあります。
また、看護師のなかにはプライベートを犠牲にして必死に働いている方も多くいますが、つらいことや苦しいことがあっても、支えてくれる職場であれば楽しく働けると思います。私は大学病院に勤めていたときに自分と同期を比べて苦しんでいましたが、今はキャリアや年齢、専門分野が違う仲間と助け合える環境なのもあって、訪問看護の仕事がすごく楽しいです。

それから、看護学校に通うと、看護師以外の道は考えられなくなる人が多くいますが、人生を楽しく生きるための職業の一つとして「看護師」があるだけで、それ以外の道があっても良いと思います。また、新人看護師が病棟看護の経験をしなくてはいけない決まりはなく、卒業後にすぐ訪問看護師になる方も中にはいます。職場の中や外部で開催される勉強会もたくさんありますし、働き始めてスキルが足りないと感じたら、自分で勉強したり、先輩を頼ったりしながら学べますよ。

ーーありがとうございました。

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▲誕生日にステーションの同僚にお祝いをしてもらったときの一枚。仕事面でも多くのサポートをしてくれるスタッフにはとても感謝しているのだそう

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訪問看護リハビリステーション中村

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