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施設は利用者さまの家。「看護の本質は生活の場でのサポートです」施設看護師インタビュー・古川 菜央子さん

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介護の現場で活躍する施設看護師へのインタビューシリーズ。今回は、お子さまの病気をきっかけに在宅医療の大切さを実感した古川 菜央子(ふるかわ なおこ)さんを取材しました。施設は利用者さまの家であり、自由に動ける大事な場所だと話す古川さん。施設で大切にしていることや、施設看護師として配慮していることについてもお聞きしました。

プロフィール
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古川 菜央子(ふるかわ なおこ)さん
横浜にある「医療法人裕徳会 介護付有料老人ホーム ハートウォーム港南台」に勤務する38歳。3児の母。看護学校卒業後は東京都の病院に就職し、急性期の病棟で2年間、訪問看護ステーションで1年間勤務したのち、結婚を機に退職。子育てをしながら、神奈川県横浜市の病院で仕事復帰。13年ほど回復期リハビリテーション病棟に勤務し、2020年11月から現職。趣味はパンやお菓子作りを楽しむこと。

目次


■在宅医療に関心を持ち、施設看護師の道へ
■利用者さま一人ひとりに寄り添い、話に耳を傾けることが大切
■利用者さまの生活を支えるのが看護師の本質だと思う



在宅医療に関心を持ち、施設看護師の道へ


ーー現在の職務内容について教えてください。

神奈川県横浜市にある「医療法人裕徳会 介護付有料老人ホームハートウォーム港南台」に勤務しています。利用者さまの介護度は3.6程度で、人数は50人ほどです。主な業務内容は、利用者さまの健康管理です。例えば、カテーテルや薬の管理、糖尿病の方のインスリン注射といった医療処置があります。皮膚疾患を抱える方も多くいらっしゃるので、褥瘡などの皮膚トラブルのケアも行っていますね。そのほか、看取りも含めてターミナルケアもしています。看護師としての医療業務の量は、病院に勤務していたときと同じくらいあると感じますね。病院と提携している施設なので、介護度が高い方も多くいらっしゃいます。看護師は4人いますが、日中勤務しているのは2~3人です。夜勤はありませんが、オンコールの当番があります。私はまだ入職して間もないので、月に5回程度担当しています。

ーー現在までの経歴について教えてください。

看護学校を卒業後は、東京都板橋区にある全日本民主医療機関連合会の病院に就職し、2年目までは急性期の病棟、3年目は系列の訪問看護ステーションで勤務しました。結婚と引っ越しを機にステーションを退職後、出産をしたので、24時間保育がある病院に勤めたいと考えました。そこで、横浜市にある回復期リハビリテーション病棟に再就職をしました。そこには13年ほど勤めましたね。その後、子どもたちが大きくなったことを機会に、興味があった在宅医療への転職を考えるようになり、自分がやってみたいと思っていることを子どもたちにも相談して、2020年に現在の職場に転職しました。

ーー施設看護師を選んだ理由は何ですか?

もともと看護師になったときから在宅医療に関心を持っていたことが大きな理由です。病棟勤務をしていたときも、病院だと「治療をして退院すること」が目的ですが、実際には「患者さまが自宅に帰ってからの看護」が大事なのではないかと思うこともありました。そのほかにも、実際に「看護を受ける家族の立場」から在宅医療を考える機会がありました。私の子どもには先天性の心疾患があって、経管栄養や酸素吸入が必要な時期を経験しました。子どもがICUに入っていたときは、「一緒に家に帰らせてあげたい」という思いが強くあり、実際に子どもと家に帰って在宅看護をしたこともありました。そうした経験から、だんだんと在宅医療に興味を持つようになったと思います。看護や介護が必要でも家で過ごすことが大事だと思い、「利用者さまの家」でもある施設で働くことを決めました。

今の施設を選んだ理由は、ほかの施設に比べて「より地域に密着している」ように感じたからです。家である施設で過ごしながらも、体調が悪くなったときはすぐに病院へ行ける体制が整っているところも魅力の一つでしたね。

ーー施設で働いてみて、病院とギャップを感じることはありましたか?

はい。治療が目的の病院とは違って、施設では利用者さま一人ひとりが自分らしく過ごせるところに良い意味でギャップを感じました。以前、回復期リハビリテーション病棟に勤めていたときは、患者さまが動きたくても治療のために抑制することがありました。治療のためなので仕方がないことですが、施設の場合は、利用者さまの動きを抑える必要がありません。もちろん、スタッフが安全面に配慮して、工夫しながらの環境ではありますが、利用者さまが自由に動けるところが施設の良さだと思います。

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利用者さま一人ひとりに寄り添い、話に耳を傾けることが大切


ーー施設看護のやりがいについて教えてください。

利用者さまとゆっくりコミュニケーションを取れるところにやりがいを感じますね。病院では、限られた時間のなかで患者さまと話をしつつ、体の状態や特徴などの情報収集をすることが多いと思います。施設でも同様ではありますが、そのほかにも利用者さまとゆっくり話す時間があるのが楽しいですね。日常のたわいもないことや趣味のこと、自分の子どもの話をしたり、利用者さまのご家族の話や今までの体験について聞いたりできるのが良いところです。そのほかにも、医療処置を行うことが多いので、状態が日に日に改善されていく方がいらっしゃるときは嬉しいですし、やりがいを感じますね。

ーー施設看護の大変なところは何ですか?

業務内容で大変に感じることはないですが、看護師が利用者さまの病院受診に付き添うと人手が減ってしまうことになります。そのときは、いつも以上に気を配るので大変ではありますね。たとえば、利用者さまが急に転倒して受診が必要になったときは、半日ほど人手が減ることになります。看護師が2人で勤務している場合は、1人で施設全体に気を配る必要があります。フロアが2つあるので、行ったり来たりしながら見渡している感じですね。あとは、介護士のスタッフにも「付き添いで不在のため看護師1人です」と伝えて、連携を取るように心がけています。

入職したばかりの頃は、利用者さまの名前を覚えるのが大変でした。人の名前を覚えるのが苦手なのもありますが、ネームバンドなど名前が分かるものをつけていないので、共通のデイルームでみなさんが集まっていらっしゃるときは特に困りましたね。名前が分からないと、病状なども結びつかないので覚えるまでは不安でした。

ーー施設看護師として大切にしていることは何ですか?

利用者さまの話に耳を傾けることを大切にしています。利用者さまは自分よりも大先輩なので、それぞれが歩んできた人生を尊重しながら接したいです。病院だと治療が優先になるので、患者さまの特徴やその人らしさが見えづらい部分があります。でも、施設では病気とともに生活していくことが求められるので、一人ひとりの利用者さまらしさを大切にしながら過ごせるのが特徴です。それを一番近くで支えられるのが施設看護師の良いところですね。また、利用者さまにとって家でもある施設ですが、家族と離れて集団生活をしているのが実情です。そうした背景も汲み取って、利用者さまの気持ちに寄り添いたいと思っています。

利用者さまの生活を支えるのが看護師の本質だと思う


ーー施設看護で気をつけていることや、今後の目標などはありますか?

今は、特に感染予防対策に配慮しています。基本の手指衛生はもちろんのこと、バルーンカテーテルが入っている方も多いので、陰部洗浄なども含めて利用者さまが清潔を保てるように心がけていますね。施設内の感染予防は大事なので、看護師だけではなく介護職のスタッフにも衛生管理をお願いしています。今後については、まだ入職したばかりなので少しずつ施設の流れを学んで、ほかのスタッフとも連携を取りながら利用者さまの生活をサポートしていきたいです。

ーー施設看護に興味がある方に向けて、アドバイスをお願いします。

看護の本質は「生活の場を支える」ことだと思います。これから超高齢化社会に向けて、施設看護の需要が高まるなか、在宅での看護が大事になってくるのではないでしょうか。もし在宅医療に興味があれば、急性期やほかの診療科で学んだことを、施設や在宅で過ごす利用者さまのために活かしてほしいです。施設看護師は在宅医療に興味があれば、誰でもできると思いますよ。施設には数名の看護師がいるので、教えてもらいながら働けます。ぜひ、「生活の場を支える看護師」を目指す方に来てほしいですね。

ーーありがとうございました。

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