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手術室看護師はアレルギーに敏感!患者さんが安全に手術を受けるためのアレルギー対応のポイントとは?

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アレルギーのある患者さまが安全に手術を受けられるように、手術室看護師は日々取り組んでいます。
今回は、手術室におけるアレルギー対応のポイントについてまとめたいと思います。


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手術室でのアレルギーの認識


手術室看護師は、患者さまのアレルギーにとても敏感です。なぜなら、術中のアレルギー反応は生命を脅かす可能性があるからです。

手術で普段使用しない薬剤を使うことも、アレルギー発症のリスクになります。手術では直接体内に医療機器や滅菌手袋、薬剤などが触れます。また、手術侵襲が身体に加わると、患者さまの全身にストレスがかかります。万が一、手術中の患者さまがアレルギー物質に曝露した場合、普段の生活で曝露したときよりも重篤化しやすいという危険があるのです。

皮膚に限局して使用する消毒薬であっても侮れません。たとえ皮膚に発赤ができる程度のアレルギーであっても、術前の消毒時に身体の下への垂れ込みがあると、手術が終わり覚醒するまでの数時間もの間浸ってしまうため、重度化してしまうことがあります。


手術前にアレルギーの有無と種類を確認

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手術室看護師の役割は、患者さまのアレルギーを必ず確認することです。可能であれば、本人と家族に聞き取り調査をします。薬剤だけでなく、食べ物(アルコールが飲めないなど)や日頃接触時間の長い物質(ゴム手袋をはめて仕事をしているなど)にも注意します。

また、術前外来や術前訪問、手術室入室前、入室後、スタッフ間の申し送りなど、あらゆる場面でアレルギーの確認をします。「〇〇によって痒みが出たと思う」などのアレルギー疑いの情報も見逃せません


手術の順番を変更する


アレルギーとその度合いによっては、手術の順番を考慮します。ラテックスのような空中に浮遊する物質に対してアレルギーがある場合は注意が必要です。施設の空調設備との兼ね合いもあるかと思いますが、アレルギー対応の必要な患者さまは、朝一番で手術を受けてもらう方が安全です。

理由は、手術の前日からアレルギー対応の環境を整えた状態での準備が可能であり、ドアの開閉やスタッフの出入りを制限できるからです。空調により手術室内をクリーンな状態に戻すまでの所要時間を考慮した結果でもあります。

普段からラテックスフリーの環境を整えてはいますが、重度のラテックスアレルギーに対しては、ヘアゴム、帽子のゴム、靴のゴム等の持ち込みもあるため慎重に取り組みます。


医療機器の滅菌や展開


アレルギーによっては、個別に器械を滅菌したり、アレルギー対応をした環境下で展開することが必要になる場合があります。アレルギー対応の準備ができていないと判断された場合は、手術を中止することがあります。


手術室内からアレルギー物質を取り除く


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たとえば、消毒薬のアルコールやイソジン、麻酔薬のキシロカイン等、手術でよく使用する薬剤にアレルギーがある場合は、患者さまの身体に使用するものに限り手術室内から取り除いておく方が安全です。

誤って使用してしまう、急変時に応援を呼びアレルギーを知らないスタッフが使用するなどの事故を防ぐためです。手術室の入り口や見やすい場所に、アレルギーについて明記しておくと情報共有ができます

普段はストックも含めて常備されていなければならない薬剤は、アレルギーを起こしやすい物質だからといって排除できるものではありません。その都度、環境を整備して安全に手術を行います。


使用できないシステムがある


アレルギーにより、使用できない医療機器やシステムがあります。たとえば、脳動脈瘤の手術で、脳神経外科手術用顕微鏡システムにおいて蛍光試薬インドシアニングリーン(ICG)が使用できる顕微鏡を準備しても、ヨードにアレルギーがある患者さまは使用できません。

可動式の顕微鏡ならば、術中血管造影にフルオレセインが使用できる顕微鏡と事前に入れ替えが可能かもしれませんが、吊り下げ式の顕微鏡は移動ができません。術中に気が付いても、手術を中断して顕微鏡を入れ替えるのはリスクが高過ぎます。また、手術が開始されてから別の部屋に患者さまが移動することはほぼ不可能です。

手術室看護師は、アレルギー物質が何に含まれているかを知っていることも重要ですが、各手術ではどんな薬剤を使用するのか、薬剤と医療機器の組み合わせ、代用薬や代用方法などの知識が必要です。


急なアレルギー反応を起こすリスク


環境を徹底していても、アレルギーによるアナフィラキシーショックや中毒を起こしてしまう症例があります。局所麻酔でも中毒を起こすことがあるため、使用量はカウントして守る必要があります。

手術室看護師は、麻酔科医とともに患者さまの異変をすぐに察知する必要があり、迅速な対応が求められます。原因不明のバイタルサインの異常や血液凝固の異常(術野が先に気が付くことが多い)など、患者さまの状態が急変し、いわゆるショック状態が起きた場合は、アレルギー反応も疑います。

対応として、薬剤ごとの協力、拮抗などの薬物相互作用や系統など性質を理解しておくことが役立ちます。


自身を守る


長時間アレルギー物質に曝露していると、そのアレルギー物質に対してアレルギーを起こしやすくなります。近年ではあまり使用されなくなりましたが、ラテックスの滅菌手袋や手洗い用のヨードのスクラブなどを長年使用することにより、手術室看護師自身がラテックスやヨードアレルギーになりやすいということです。

ラテックス手袋やヨードのスクラブにより、痒みや発赤などの症状を経験したり見たりしたことのある手術室看護師は少なくないのかもしれません。経験があれば、自身のアレルギーを疑い注意してください。ラテックスフリー手袋の使用やアルコール消毒法など、可能な限りアレルギーを起こしにくい方法を選択しましょう。


おわりに


緊急手術を行う施設では、アレルギーの情報がないまま手術になる症例もあるため、常にセーフティーな環境であることが重要です。アレルギーがあっても、安全に手術が受け入れられる体制づくりが求められます。



Writer…suke

Illust…Mana.Ishiguro
Twitter:@mana__iu

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