院内環境の整備や、看護の質の向上に貢献している企業

2023.2.9

本記事では、認知症ケア加算の新設に伴う医療従事者向けのシステムを開発した企業と、快適に院内で過ごすための製品を手掛ける企業、医療現場の「あったらいいな」を実現させた便利な製品を提案している企業を紹介します。

認知症患者への対応に腐心している方や、ゆとりある看護を実践したい方、快適に業務を行える製品に興味のある看護師の方は、ぜひ最後までご覧ください。

株式会社TMR

株式会社TMRは、関東経済産業局から新連携計画(異分野連携事業開拓計画)の認定を受け、医療分野や販売マーケティング分野、IT分野それぞれに精通した3人の有志により2018年に設立されました。
国際医療関連の支援ツールやモバイルアプリの制作と開発、独自のウェブアプリサービスの運営など、ニーズを見極めた事業を展開しています。
医療業界に革命を起こすという揺るぎない信念のもと、豊かな発想とIT技術で社会に貢献しているソリューションカンパニーです。

「包括的BPSDケアシステム®」

▲画像提供:群馬大学内田陽子

超高齢社会の現在の日本において、医療機関における高齢者看護の比重も高くなってきました。特に、認知症の方への看護は、患者の行動症状や心理状態を読み取り、理解した上で適切な対応が求められます。

2016年の診療報酬改定で、病院での認知症ケア加算が新設されたこともあり、医療従事者は「身体拘束をしない看護」に向け、さらなる対策が必要となりました。

そうした認知症ケア加算対応に追われる医療従事者向けに開発されたのが、「包括的BPSDケアシステム®」です。
同システムは、群馬大学大学院 保健学研究科 老年看護学教授である内田陽子教授と、下田工業株式会社と共同で研究し、開発されました。

同システムは、ITを活用することで認知症患者のアセスメントとケア、アウトカム評価を一体的に行えるのが特長です。
評価する項目は「BPSD」の3項目と、「生活・セルフケア行動」の8項目、「その人らしさ」の4項目、「介護者の負担」の3項目の全18項目で構成されています。
患者の状態に該当するアセスメント番号の入力に加え、有効なケアを実施後システムに入力することで、アウトカム評価が自動で判定される仕組みとなっています。

また、個別アクションプランの作成が可能です。実際の医療現場では、この有効なアクションプランを繰り返し実践していくことで効率・効果的な看護の実践に繋がり、患者のBPSDの軽減にも期待できるでしょう。

なお、電子版システムは遠隔でも、患者の状態やアクションプランを確認することができます。現場から離れている専門家や多職種へいち早く患者の状態を伝え、的確なアドバイスをもらいつつ、スタッフが協働して有効なアクションプランを検討できる画期的なシステムだと言えるのではないでしょうか。

▲画像提供:群馬大学内田陽子

医療従事者にとって工夫が必要な認知症ケア加算への対策は、同社のようなICTサービスを活用してみると、負担が減ることでしょう。ひいては、高齢者や認知症の方への看護を手厚くすることにも繋がるかもしれません。

ダイニチ工業株式会社

暖房機器や環境機器などを手掛けている、ダイニチ工業株式会社。1964年に事業をスタートして以来、半世紀以上もの間、長きに渡って石油燃焼機器メーカーとして業界を牽引してきました。同社では、製品の研究開発から製造、サービス提供までトータル的に行い、その確立した地位と実績に満足することなく今なお進化し続け、より人々に愛される製品づくりに注力しています。

広いスペースでもしっかり潤す加湿器「HDシリーズパワフルモデル」

▲画像提供:ダイニチ工業株式会社

さまざまな症状の患者が来院する医療機関では、常に院内を清潔に保ち、適度な温度と湿度管理が求められます。
特に、感染症の流行シーズンに入る時期は肌寒く窓を閉めがちで、空気が乾燥する季節であることも相まり、注意を怠るとたちまちウイルスへの感染リスクが高まります。
そうした懸念点から、多くの医療機関では湿度にも十分な配慮がなされているのではないでしょうか。

同社が手掛ける加湿器「HDシリーズパワフルモデル」も、医療機関で使用する際に見事なパフォーマンスを発揮する機能が備わっています。

たとえば、60畳ほどの広いスペースであっても、45分間で湿度30%から50%へと一気に加湿します(加湿量2,400mL/hモデルの場合)。そのため、病院の待合室や談話室、ナースステーションといったある程度の広さを確保した場所でも使用可能。
短い時間で適度な加湿の値に到達するだけでなく、パワフルな加湿量を長時間持続し、標準モードの場合で約8時間連続して運転する機能(加湿量1,500mL/hモデルの場合)も魅力です。
水を入れるタンクは2つ付属しており、満タンに入れることで給水頻度も少なくて済みます。

▲画像提供:ダイニチ工業株式会社

また、加湿器は適度にお手入れをしないとカビが増殖してしまい、健康被害にも繋がりかねません。
その点、同製品はカンタン取替えトレイカバー付きタイプとなっているのが特長で、半透明の使い捨てカバーをセットすることにより、トレイのお掃除の手間が省けます。製品の部品には、それぞれ抗菌加工が施されていたり、掃除しやすいように間口が広かったり、お手入れしやすい仕様となっているのもこの製品が選ばれている理由なのかもしれません。

そのほか、シーンに合わせて4つの運転モードでの切り替えが可能。湿度設定も3パターンから選択できます。
同製品は院内の環境を整え、患者はもとより、医療従事者にとっても快適に過ごせる上、ストレスの溜まらない手間いらずの製品だと言えるのではないでしょうか。

有限会社ティー・アイ・アンド・アイ

医療機器や環境測定器、半導体自動製造装置など、さまざまなジャンルの機器を多岐に渡り開発している、有限会社ティー・アイ・アンド・アイ。世に送り出す製品は、どれも企画から開発、デザイン、設計、製造までをトータル的に行い、洗練された技術力と想像力を駆使し、信念を持ってアイデアを形にしている企業です。

「PL-NL医療用ハンズフリーライト」

画像提供:有限会社 ティー・アイ・アンド・アイ

看護師のマストアイテムの1つに、夜勤時に使う巡視ライトが挙げられます。
通常、勤務する医療機関で懐中電灯やライトは準備されていることが多いですが、病室をラウンドする際に懐中電灯を持っている方の手が塞がってしまうという懸念点があり、不便に感じる人も少なくありません。片手が塞がった状態の場合、点滴の滴下速度を調整したり、患者の体位を変えたりする作業に手間取ってしまうからです。

そうした医療現場の声に耳を傾け、東京女子医大監修のもとに開発されたのが、「PL-NL 医療用ハンズフリーライト」です。
同製品は、白衣や作業着のポケット部分などに装着できるクリップタイプとなっており、片手でスイッチを操作できる仕組みになっています。本体自体はコンパクトなため、常に身につけていても作業に支障が出ることはなく、軽やかに看護業務を行えるのが魅力です。

画像提供:有限会社 ティー・アイ・アンド・アイ

また、首振り機能が搭載されており、ピンポイントで照らしたい場所へ光を当てることができます。LEDは高品質超輝度のものを採用し、長時間での使用も可能。
明るさは2段階調節できるため、患者の睡眠を妨げることなく、用途によって使い分けられるのではないでしょうか。
なお、エタノール消毒やオートクレーブといった滅菌処理も可能で、衛生面にも配慮した安心設計となっています。

同社のように、現場の要望を汲み取り製品として形にすることで、さまざまな問題が解決しています。同製品においては、医療現場でのこれまでの煩わしさが解消し、看護業務がやりやすくなるのと同時に、効率化も期待できるでしょう。

登録は1分で終わります!

この情報はお役に立ちましたか?

使いやすさテストのモニター募集!