看護師ニュース・特集
2023.4.11
最善の医療を施すためには、患者さんの状況を的確に把握し、サポートしていく必要があります。そこで本記事では、医療における状況把握や訓練に役立つ機器を提供する企業を取り上げています。
中では、呼吸機能測定装置・弱視訓練器・嚥下運動モニタを紹介しているので、詳細が気になる看護師さんはぜひ一読してみてください。
株式会社アイビジョンは、呼吸をメインテーマにした医療機器の開発及び、医療機器の輸入販売事業を展開する企業。
1984年の創業当初より人工呼吸器・呼吸機能測定装置の開発に取り組んでおり、技術力とノウハウを駆使して改良を重ね、ニーズに添った製品を次々と世に送り出しています。自社製品に関しては、開発・設計・製造に加え、保守サービスまで一貫して行っており、ユーザーが信頼できるサービスを提供しています。
このように同社は、医療現場の声を形にした革新的なものづくりに尽力し、国全体の医療の進歩に貢献しています。
「ARFEL III」は、ベッドサイドで使用可能な呼吸機能評価システム。
未熟児・新生児から成人まで対応しており、特に未熟児・新生児向けとして使用するユーザーからの評価が高く、全国の小児科やNICUの現場で多く導入されています。
同製品の特徴は、患者さんの負担軽減、安全性を考慮しているところ。死腔が小さいセンサーアセンブリーを搭載し、オクルージョンバルブに安全タイマーを備えて、より安心して使える仕様になっています。
また、ベッドサイド呼吸機能検査やサーファクタント治療効果の判定、抜管時期の判定など、さまざまな用途で利用できるのも魅力です。
さらに独自の機能として、主に新生児に用いる閉塞法による定時数、全肺コンプライアンス、抵抗の測定にも対応しています。
ちなみに測定したデータはHD及びCD/DVDに記録保存することができるため、Windowsの環境でデータを確認することも可能です。
呼吸器系の医療や新生児のケアに携わる看護師さんは、ぜひ同製品の概要を確かめてみてください。
そして同社は、上記の後継機種となる「ARFELⅣ」の開発にも取り組み、薬事申請を進めています。アップデート部分として注目なのが、これまでは手持ち不可だったのが、軽量化・コンパクト化で手持ちできるようになったところ。持ち運び可能な扱いやすさで、さらなる業務の効率化に期待できます。そんな「ARFELⅣ」は2023年春頃にリリース予定のため、動向を注視したいところです。
ヤグチ電子工業株式会社は、1974年にソニー株式会社のウォークマンの生産拠点として設立された企業です。
その後、ソニー株式会社のみならず、名だたる大手国内電機メーカーの受注生産に関わり、確かな実績と洗練されたものづくりの技術を有しているのが強みです。
そんな同社は、これまで培ってきた精密電子機器の設計製造技術を生かし、他社メーカーの試作開発や受注生産に携わっています。
また、自社製品の開発の他、国内外の大学・研究機関との開発事業にも取り組み、あらゆる人々の便利で快適な暮らしを支えています。
「オクルパッド」は、タブレット型の弱視訓練器です。タブレットには弱視訓練に特化した10種類のゲームがインストールされており、弱視の子どもたちが楽しみながら訓練できる仕様になっています。
タブレットの液晶ディスプレイには、画面を肉眼で見えないようにする「ホワイトスクリーン」という特殊加工が施されています。それを専用のメガネで覗くことで、画面が見える仕組みになっています。
そのため、メガネを掛けた状態で、両目を開けたまま片目(弱視の目)の訓練ができるのが特長です。
弱視訓練で片方の目を塞ぐことを嫌がる子どもに対し、同製品は大いに役に立てられるでしょう。
さらに、訓練時間の記録機能と簡易的な視力検査機能も搭載しているため、訓練の頻度と視機能の発達を確認できるのも魅力です。
眼科で活躍されている看護師さんは、ぜひ楽しみながら弱視訓練に取り組める同製品の導入を考えてみてはいかがでしょう。
弱視とは、メガネやコンタクトレンズなどの屈折矯正をしても視力が十分に出ない状態を指します。
人は生後間もない赤ちゃんの頃は、視力はまだまだ未発達です。成長する中で色々なものを見て、網膜に刺激が与えられることで視力が発達する仕組みになっています。一般的に、3歳ごろには大人と同等の視力になるとされています。
この成長段階において何らかの原因が生じ、視力の発達が妨げられることで弱視になると言われています。ちなみに、視力を発達させる力は8歳ごろまでと考えられており、この時期に治療を行うのが望ましいとされています。
バンドー化学株式会社は、自動車用ベルト・産業用ベルトなどのベルト製品を中心に、ゴム・エラストマー製品、フイルム製品、医療機器・ヘルスケア機器なども手掛ける機能部品メーカーです。
1906年に創業した同社は、自動車や多くの産業機械に使用される伝動ベルトや土砂や食品などを運ぶコンベヤベルトなどを供給し続け、現在ではアジア・アメリカ・ヨーロッパに製造・販売拠点を置くグローバル企業へと成長しました。
日本におけるベルト製品のパイオニアである同社は、長年にわたる様々な製品開発で培った界面制御を中心とする分散技術をもとに発展させたゴム、エラストマーの加工技術やナノ粒子創生技術などを活かし、自動車・産業機械・家電・医療・ヘルスケアなど私たちが暮らす街中の幅広い領域で必要な製品を提供しています。
「嚥下運動モニタB4S™」は、嚥下中の喉頭の動きを可視化するヘルスケア機器です。喉頭の動きを計測する際は、本体を手に持ち、被験者の喉頭に機器を当て、測定を行います。
被験者の喉頭の動きは、タブレットに波形として表示されます。嚥下訓練の際、同製品を使えば、波形を見ながらトレーニングできるため、より的確な嚥下のフィードバックが可能になります。
また、波形から嚥下したタイミングを計測し、30秒間の嚥下回数をカウントする機能があるのも嬉しいポイントです。同時に、この嚥下回数と嚥下のタイミングは計測日毎に記録され、直近3回分のデータがグラフで表示されるため、トレーニングの変化・成果も確認することができます。
嚥下訓練では、喉頭の動きが被験者自身に見えないため、状況やアドバイスを伝えるのが難しい場面も出てきます。そのような中、喉頭の動きの状況を波形とグラフでわかりやすく視覚化できる同製品は、指導にあたる看護師さんなどの医療従事者を助ける心強いツールになるでしょう。