*はじめに
「精神科(心療内科)病棟への入院」と聞くと、まだまだネガティブなイメージを持たれる方がいるようです。しかし、精神科・心療内科への理解は深まってきており、精神科病棟について知りたいと考える人が増えています。
心の病が誰にでも起こりうる病気の一つで、治療や周囲の理解が大切という考えも広まりつつあるのですね。看護師さんの中でも、精神看護の経験のない方やこれから精神看護に携わろうと考えている方も多いかもしれません。
今回は、そんな精神科病棟勤務の看護師さんから、『精神科・心療内科の病棟のあるある』をうかがいました!
★ナースから見て…ちょっと変わっている人が多い
「うちの病棟のドクターはちょっと変わっている人が多いです。それくらい自分を持っている人じゃないと、務まらないのかもしれませんね」
★ナースから見て…我慢強い人が多い
「同じことばかり言ったり、話が長かったりする患者さんへじっくり相手をしている(傾聴している)ドクターを見ると、我慢強いなと感じます」
★ナースから見て…他科のドクターに比べて距離が近く感じる
「患者さんと関わる時間はナースの方が長いので、ドクターがナースの意見を重視してくれていると感じる場面が多いですね。他の科のドクターよりも親近感があるというか、距離が近い気がします。まさにチーム医療を実感します」
★患者さんとの会話は傍から聞いていると…!?
「長い入院生活の方も多く、精神科は目に見えての病状変化が少ないところ。目に見えない分、耳を傾ける『傾聴』が看護のメイン。会話はどんな内容でも、実は真剣な治療の一環です」
「『傾聴』というと看護している感じですけど、他の人から見れば“世間話ばかりしている”と思われることも。患者さんのお話を傾聴するのは精神看護の主軸なんですけどね」
★ナースマンが頼もしく見える!
「ナースマン(男性看護師)が多く配置されています。行動抑制しなければならない患者さんの対応や力仕事が多い病棟なので、本当にいるとありがたい」
「精神疾患やお薬の副作用のために、たまに暴れてしまう患者さんもいらっしゃいます。そんな時にはやっぱり、男性のドクターや男性看護師などが頼もしいのです!普段より3割増しでかっこよく見えます」
★コミュニケーションはほがらかに・指導は厳しく!ナースには二つの顔が…!?
「精神看護ではコミュニケーションメインのことが多いので、どんな患者さんのどんな話にも臨機応変に対応できるナースが多いですよ。誇大妄想を抱かれてしまう方にも適切な応対が必要ですから」
「『傾聴』というコミュニケーションを大事にする一方で、服薬、食事など指導の際は厳しくなります。特に依存症の方への看護師指導の厳しさには定評がありますね。仕事ゆえの二つの顔があります」
★精神科・心療内科はベテランナースが多い!?
「子育てを終えた世代のベテランナースが多い印象ですね。ブランクありでも働きやすい環境かもしれないですし、人を育てたその人生経験も活かせる職場なのかもしれません」
「医療行為・看護手技はそんなに多くはないので、ブランク明けのナースが多く、年齢的にもベテランさんが多いのだと思います。中にはドクター顔負けの知識を有するナースもいるんですよ」
★喫煙所が設置されている病棟がある
禁煙・分煙化が進んでいますが、『患者さんのストレスを少しでも軽減する』という目的のため、喫煙所を設けている病院(病棟)もあります。患者さんたちは一服してリラックスするのだそうです。
病院としてはちょっと特殊かも?
★持ち物検査がある
入院時に限らず、厳しいところでは就寝前に毎日、持ち物検査がある病棟も。周囲の患者さんだけでなく、ご本人の安全面にも配慮してのことなんですよね。場所によっては、携帯・スマホ・PCなどの持ち込みも禁止なんです。治療のために、病棟外との交流を遮断する必要がある場合もあるのですよね。これもメンタルケアならではかも。
★いたるところに鍵がかかる
『持ち物検査』と同じく安全面への配慮から、『鍵』がかかるようになっています。窓は当然鍵付きで、清掃道具入れ、階段への扉や個人ロッカーにも鍵をかけます。鍵を開けることができるのは病棟スタッフだけなので、患者さんの自由ににならないのは精神科病棟の特徴かもしれません。とくに閉鎖病棟ではかなり厳しい施錠がなされていますね。
★監視カメラ設置の病室がある
隔離室や監視室、特別室など、病院(病棟)によって名前が違いますが、”自己や他者に危害を加える可能性のある患者さん”が入院する病室は、檻が付いていたり、ポリウレタンの壁だったり、いろんな工夫がされています。
そんな特別な病室には監視カメラが設置してあり、ナースステーションに画像が送られています。この特別室以外にも、いたるところにカメラが付いている病棟もあります。ナースがナースステーションにいながら観察でき、患者さんの安全を見守っているのですね。
★自ら望んで入院してくる患者さんが多い!?
自由がきかない・閉鎖的・暗い・怖いなどネガティブなイメージの強い精神科病棟ですが、何故か自ら望んで入院したいという患者さんがあとを絶ちません。
私の経験では、若い人に多く見られました。彼らの多くは、「いっそ入院してしまった方が楽」「こんなに辛い思いをするなら、入院して治したい」そんな思いを持っていました。
でも、なかなか入院に至ることはなかったですね。ドクターと患者さんのやり取りはまるで駆け引きのようだと思いました。
★患者さん同士で恋が芽生えることが多い!?
患者さん同士で恋愛沙汰になって揉めたり、ドクターやナースに恋心を抱く患者さんがいたりします。私の勤務していた病棟では、珍しくありませんでした。
心が弱っているとき、人に依存したくなるのは誰でもある程度はあることですが、それに歯止めを利かせられないのが精神疾患なんですよね。
中にはストーカー状態に陥ってしまう患者さんと逃げるドクターなど、ちょっと大変な騒動に発展してしまうこともあります。
それでも、治療者への転移として受け止め、治療に結びつくケースもあるんですけどね。こんなことは精神科病棟ならではなのかもしれませんね。
精神科病棟にお勤めのナースの方々のお話を元にご紹介をしてきた“あるある”でしたが、やはり精神科・心療内科ならではのものがありましたね。
精神看護は“あるある”だけではわからない、予想外の出来事もたくさんあるそうです。興味のある方は、まず一歩踏み込んでみるのとよいかもしれませんよ!
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