*はじめに
リハビリの患者さんには励ますことこそコミュニケーション!
なんて思われている方いらっしゃいませんか?もちろん励ますことが大事なケースもあります。でも色んな角度からアプローチすることにより、その患者さんに合ったコミュニケーションが見えてくるのです。今回はリハビリ期にある患者さんとのコミュニケーションについて考えていきたいと思います。
よくいわれているのが、『できるADL』と『しているADL』の違いです。
*できるADL…リハビリを行うことによって得られた能力です。
*しているADL…日常生活の中で行っている能力です。
このうちの『できるADL』を『しているADL』にまで高めるための、ケア・援助をすることが看護師に求められてきます。”できる”から”している”ことにすることによって、ADLの低下を防ぎ、更には下記にご紹介するQOLの向上に役立つのです。
QOL(生活の質)の向上は看護師にとって、永遠ともいえるテーマですよね。いかにその患者のQOLを向上させられるか?看護目標を立てます。上記したADLの低下を防ぎ、ADLが広がっていけば患者のQOLも向上します。この2つの役割は看護師にとってかけがえのないテーマ、役割であるといえますね。
患者の状態をしっかり把握していなければ、適正な看護目標は立てられません。リハビリ期においては、「ここまではできる」という見極めも大事です。更に、ここから先に進むには?と目標を立てていくことでしょう。
リハビリスタッフ・医師を含めチーム医療が重要視されてきます。状態の把握と評価をすることによって、患者に対し適正な目標を立て看護していくことになります。
教育的な役割というと、なんだか偉そうに聞こえてしまいますが、決してそんなことはありません。ここでいう教育とは、指導的意味合いです。
時には厳しく、励ましながら目標に向かっていけるように、患者・家族ともに足並みを揃えることも大切ですよね。リハビリテーションを効果的に行えるような環境作りをします。
1.回復する時が来るのか?と不安になる
2.日々の生活がリハビリに追われ、疲弊する
3.毎日同じことの繰り返しでマンネリ化してしまう
4.できていたことができなくなったことによる苛立ち
などが挙げられます
上記、問題点からの解決策を考えてみます。問題点は、
1.不安になる
2.疲弊する
3.マンネリ化
4.苛立ち…
ですよね。
これらは、看護師をはじめとするコメディカルスタッフの働きかけにより改善されていく可能性が高いと思われませんか?
例えば、1.不安になる患者にはポジティブな声かけを行います。
2.疲弊している患者には労いの言葉を掛けます。また苦痛に感じる因子を取り除けるように配慮します。
3.マンネリ化している患者には、時には叱咤激励をし、ヤル気を鼓舞します。
4.苛立ちを抱える患者には、今の自分の状態を理解し受容していくような、心のサポートが必要です。
これらの殆どがコミュニケーションに繋がっていることに、お気づきかもしれません。リハビリ回復期にある患者には、コミュニケーションがとても重要なんですね。
また、ステレオタイプに分けることはできませんが、患者一人一人に向き合い、それぞれの方に合ったコミュニケーションの図り方を見つけていくことが看護師の大きな役割なのです
リハビリテーションといってもいろいろな種類のリハビリがあります。ここではいくつかの症例から、コミュニケーションの実態を見ていきますね。
「心臓手術後や急性心筋梗塞などで、ICUから一般病棟に移り状態が安定してくると心臓リハビリテーションが始まります。早期離床を目的として、術後・退院後のADLの低下を防ぎ、QOLの向上を図ります。
まずは自身の身の回りの日常動作から始まるんです。この心臓リハビリテーションは患者さんの心理として、恐怖心がとても強いのです。命に関わる病気・手術の後なので、大変なストレスを抱えています。
そこで私たち看護師は、患者さんに対して、”早期リハビリ”の重要性・有効性を理解していただけるまで、説明します。コミュニケーションはその手段ですよね。患者さんに安心してリハビリを受けていただけるように、コミュニケーションを密に図ります。
常に患者さんを見守るという姿勢を見せることも大事。言葉だけではなく、態度でも表すことができます。患者さんの身体だけでなく、心のケアも忘れないで下さいね。
コミュニケーションは看護の重要なスキルの一つ、派手な看護技術ではありませんが、積み重ねていくことで大きな成果が生まれますよ」(循環器病棟勤務、看護師Aさん)
「何らかの疾患・怪我などによって障害が残ってしまった場合には、退院して在宅でどのように生活を送るのか…患者さんもそのご家族も不安でいっぱいです。
私たちリハビリ回復期病棟の看護師は、少しでも質の良い生活が送られるためにはどうしたらいいのかを、医療チームで何度もカンファレンスを重ね考えていきます。
リハビリを行っている患者さんに、コミュニケーションを図るときは、患者さんの心理状態の観察を通して、励ましてみるのがいいのか、少し厳しいくらいに接した方がいいのかなどを把握します。
ただ厳しくするだけではいけないですよね。時には厳しくも言いますけど(笑)ある患者さんが、脳卒中後のリハビリでやる気が全く無かった時に、様々な角度からアプローチした経験があります。その患者さんは、優しくすればするほどやる気を無くし、ちょっと厳しく言ったほうが頑張れる方でした。
天邪鬼な方だったんですね。『看護師のくせに冷たいな』と言いながら、一生懸命にリハビリをされている姿が忘れられません」(リハビリ回復期病棟勤務、看護師Sさん)
「ある患者さんですが、脳梗塞後に左片麻痺が残りました。その方の落ち込みかたはとても激しく、リハビリに熱心には取り組めず心を閉ざされていました。ご家族とも何度も話し合い、生きがいに結びつくような目標設定に取り組みました。
もともと家事が大好きだった主婦という患者さん。リハビリの先生・ドクターともカンファレンスを行い、安全に料理ができることを目標としました。そしてリハビリ訓練室にあるキッチンで、極力会話をするなどして、環境を整えてコミュニケーションを図りました。
利き手の右手で泡立て機を持たれ、「プリンなら作れるかしら」と言った患者さんのなんとも言えない穏やかな笑顔は私の宝物のようでした。そんなきっかけからリハビリに積極的になられていきました。
人は一人一人違うので、正解なんてないと思います。その人その人に合わせたコミュニケーションをしていきたいですね」(脳外科病棟勤務、看護師Oさん)
☆まとめ
コミュニケーションはリハビリテーションにおいても重要な役割を担っています。コミュニケーションによって、リハビリにも熱心に取り組めたりするなどメリットが多いですね。
看護師の皆さん、コミュニケーションは素晴らしい看護スキルです。ぜひこの機会に見つめなおしてみてはいかがですか?
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