コミュニケーションについて考えてみる!”余命宣告後の患者”編

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*はじめに
私たち看護師が、”余命宣告後の患者さん”に対し、コミュニケーションによって肉体的苦痛・精神的苦痛を緩和できるか?という難しいテーマについて取りあげてみたいと思います。患者さんの心の状態にスポットを当てていきます。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

☆余命宣告後の患者の心理を考える☆

余命宣告後の患者の心理状態を5段階に分けた精神科医のエリザベス・キューブラー=ロス(スイス)の「死の受容5段階モデル」を参考にしていきます。

死の受容5段階モデル

第1段階:否認・孤立
自分の死を事実として受け入れられず、拒否・否定する段階である
死を事実として肯定する周囲から距離を置く⇒孤立

第2段階:怒り
どうして自分が死ななければならないのか?ということに対し怒りの感情を表す段階である
自分以外の周囲の人などにその怒りを向ける

第3段階:取引
神や仏など超自然的な力に頼り、『交換条件』のようなものを立てて、死を回避するための取引を行う段階である

第4段階:抑うつ
”取引”を行っても死を回避することができない。死という事実を理解し始め抑うつ状態に陥る段階である

第5段階:受容
自分の死という事実を受け入れられ、死生観が確立される段階である

※参考図書:「死ぬ瞬間~死とその過程について~」 エリザベス・キューブラー=ロス

私たち看護師・医療従事者は、患者のそれぞれの受容段階を理解したうえで、医療・看護・支援をしていかなければなりません。考えれば考えるほど『余命宣告』とは難しいテーマであるといえます。

 
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☆余命宣告後の患者に対するコミュニケーションの目的☆

*限られた時間をいかに自分らしく過ごせるかを一緒に考えるため

*疾患による疼痛などの苦痛の緩和を図るため

*否認から受容にいたるまでの心の変化を理解し援助するため

など

☆余命宣告を受けた患者とのコミュニケーションの実態☆

Case1:肺がんで余命3ヶ月と宣告を受けたKさん(75歳)の場合

「Kさんは余命宣告を受けてから、人が変わったように周囲に攻撃的になり捨鉢な態度を取るようになりました。コミュニケーションを図ろうにも心を閉ざし口も閉ざしてしまいました。

宣告を受けてから死を受容できるようになるまで、ご家族・私たち看護師・医師が多角的にサポートしていました。その中でもKさんは愛犬だけには本音とも言える弱気な言葉を口にしていたそうです。

その愛犬をはじめとし、Kさんが受け入れられるものをコミュニケーションに織り交ぜることで次第に言葉を交わせるようになりました。意外なきっかけ(この場合は愛犬)を通して、コミュニケーションを図れるようになっていくこともあるので、患者さんの僅かな反応を見逃さないことが大事だといえるでしょう」

Case2:拡張型心筋症で余命6ヶ月と宣告を受けたA君(19歳)の場合

「心臓移植を待っていたA君。しかし彼には移植を受けるだけの体力も時間も残ってはいませんでした。『長くて6ヶ月』と本人に余命宣告。

A君はもともと移植を受けるという希望はありましたが、きっと間に合わないというような気持ちでいたのだそうで、死を受け入れる準備がある程度できていました。そのためか、死の受容に至るまで長くはかかりませんでした。私はそんな彼を目にしているのが辛くなりました。

しかし、医療従事者として『患者への感情移入』はなんとしても防がなければなりません。若くしてこの世を去らなければならないのも彼の運命なのだと、私自身も受容することでコミュニケーションを円滑に図ることができたように思います。看護師として余命宣告後の患者さんとのコミュニケーションは辛いものだと実感しました」

Case3:脳腫瘍で余命4ヶ月と宣告を受けたHちゃん(5歳)の場合

「小児の余命宣告はご家族とのコミュニケーションが本当に大事だと思います。Hちゃんの場合、本人は死に対しはっきり理解しているのか?手探り状態でした。

しかし、ご家族の動揺が激しく、本人よりもご家族(特に母親)のケアを行うことが急務とカンファレンスで判断されました。いわゆる神頼みのようなことをし始めたり、『私も一緒に死にます』と言ってみたり、”取引”と”抑うつ”状態にあることは明白でした。

看護師全員がお母さんのケアに努めました。コミュニケーションを拒絶していたお母さんでしたが、ある時を境に少しずつ会話ができるようになりました。そのきっかけが、Hちゃんの「ママのお顔いつも悲しい」という言葉でした。余命宣告後の患者への対応は難しいです。でも必ず受容することができる日がくると思いながらケアをしていかねばと思っています」

*まとめ

私たち看護師は医療従事者として、患者さんへの感情移入は危険であるといえます。しかし看護師だって人間です。時には辛い場面に向き合い、涙を流すこともあるでしょう。

看護師として大切なことは、患者さんに共感しつつも看護師としての立場を忘れず接することだと思います。コミュニケーションは医療行為ではありませんが、人を癒やすことのできる手段となり、スキルであると思います。余命宣告という辛い場面に向き合うことも多いです。

私たち看護師がどのように患者さんとコミュニケーションを図り、どのように患者さんの心を安楽な状態に持っていくことができるか?ということを考える機会にしていただきたいと思っています。

 
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