看護師が消化器内視鏡技師になるには?取得するメリットや注意点も紹介

消化器内視鏡技師になるには?メリットや注意点も紹介のイメージ

「看護師が消化器内視鏡技師になるにはどうすればいいの?」「取得するメリットはある?」と気になっている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、看護師が消化器内視鏡技師を取得する方法やメリット・デメリットなどについて、詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、消化器内視鏡技師が役立つ資格なのか分かるでしょう。
消化器内視鏡技師の取得に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

消化器内視鏡技師とは

消化器内視鏡技師とは、日本消化器内視鏡学会による認定資格で、内視鏡に関する専門的な知識・スキルを有する人材の育成が目的です。
ここでは消化器内視鏡技師の仕事内容・役割や主な活躍の場などについて、分かりやすく解説します。

仕事内容・役割

消化器内視鏡技師は内視鏡のプロフェッショナルとして、幅広い業務を担います。

  • 検査・治療の介助
  • 医療機器や処置具の準備・管理
  • 患者様に検査内容や手順の説明
  • 検査後の体調の確認

近年は難易度の高い手技が求められるような症例が増えていることから、消化器内視鏡技師に期待が寄せられています。

主な活躍の場

消化器内視鏡技師は、総合病院の内視鏡室や消化器系の病院・クリニックなどで活躍することができます。
胃がんをはじめとする消化器系のがんは、早期発見・早期治療が望ましいため、内視鏡による検査の重要性は高いです。
したがって、内視鏡に特化した病院・クリニックは増加傾向にあります。
内視鏡に特化して医療の現場で活躍したい看護師にぴったりの資格です。

資格取得者の特徴

内視鏡を用いる検査や治療には、看護師以外にも医師や臨床検査技士、薬剤師、診療放射線技師なども携わります。
したがって、消化器内視鏡技師を取得する医療従事者は多岐にわたるでしょう。
ただし、日本消化器内視鏡学会・日本消化器内視鏡技師会が発表した「消化器内視鏡技師業務指針(第1版)」によると、これまでに消化器内視鏡技師に認定された医療従事者の内訳は下記のとおりです。

医療従事者の資格合格者の人数
看護師(保健師・助産師含む)15,377名
准看護師1,487名
臨床検査技師1,108名
臨床工学技士659名
放射線技師138名
薬剤師2名
そのほかの医療資格者200名

8割以上が看護師・准看護師であることが分かります。

出典
日本消化器内視鏡学会・日本消化器内視鏡技師会 2021年4月8日「消化器内視鏡技師業務指針(第1版)」(2025年2月10日参照)
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看護師が消化器内視鏡技師を取得するメリット

消化器内視鏡技師は、内視鏡業務について深く学ぶことができるため、内視鏡室で働く看護師にとってメリットの多い資格と言えます。
看護師が消化器内視鏡技師を取得するメリットは下記のとおりです。

  • 専門性が高められる
  • 自信をもって業務を続けられる
  • チームの中心メンバーとして働ける
  • キャリアアップに役立つ

消化器内視鏡技師の取得に迷っている方はチェックしてみましょう。

専門性が高められる

消化器内視鏡技師の資格がなくても、看護師は内視鏡室で業務を行うことは可能です。
しかし、内視鏡を用いた検査や治療は増えており、需要も高まっていることから、より高い専門性が求められています。
消化器内視鏡技師を目指すには、学会や研究所に参加しなければならず、深い知識を身につけることができるでしょう。

自信をもって業務を続けられる

内視鏡室で担当する検査・治療の中には、困難な症例もあり、知識やスキルに自信がないと、業務中に不安を感じることも少なくありません。
消化器内視鏡技師は資格取得のために学習が深まり、自信をもって普段の業務に取り組めます。
また、知識や経験に基づいて患者様に寄り添えるので、健康面に不安を感じる方にも、安心感をもたらせるのも魅力です。

チームの中心メンバーとして働ける

内視鏡室ではコメディカルのスタッフが、それぞれの専門性を発揮しながら活躍しています。
特に多職種が連携することで、より質の高い医療の提供につながる場面は多いものです。
消化器内視鏡技師は専門的な立場から、チームの中心メンバーとして多職種をまとめるため、やりがいを感じられるでしょう。

キャリアアップに役立つ

がんの部位は消化器系の割合は高く、内視鏡の需要も今後拡大するとされています。
国立がん研究所センターによると、2020年のがん罹患数の順位は下記のとおりです。

項目1位2位3位4位5位
総数大腸乳房前立腺
男性前立腺大腸肝臓
女性乳房大腸子宮

消化器内視鏡技師と看護師のダブルライセンスを取得していることで、希望する条件に合った職場で働きやすくなります。

出典
国立がん研究所センター「最新がん統計」(2025年2月10日参照)

看護師が消化器内視鏡技師を取得する方法

消化器内視鏡技師の資格を得るには、試験を受けて合格しなければなりません。
ここでは看護師が消化器内視鏡技師を取得する方法を分かりやすく紹介します。

受験資格

日本消化器内視鏡学会によると、2025年度の消化器内視鏡技師の受験資格は下記のとおりです。

  1. 対象資格(助産師・保健師を含む看護師、准看護師、衛生検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、臨床検査技師、薬剤師)を有している
  2. 過去5年以内に、消化器内視鏡学会認定の専門医(非常勤含む)が従事する施設で、内視鏡に従事した勤務年数が満2年以上である
  3. 申請時点で技師会・技師会各支部主催の「消化器内視鏡技師学会」または「消化器内視鏡技師研究会」に2回以上出席している
  4. 申請時点で技師会が承認する「機器取扱い講習会(基礎編)」を1回以上受講(eーlearning可)している
  5. 所定の受講方法で下記の医学講義を合計20時間以上受講している
  6. 申請者本人の消化器内視鏡介助症例数の合計が年間100件以上かつ本学会認定専門医より証明及び推薦が得られる

条件を全て満たさなければ、受験資格を得ることができません。
受験条件を満たしたら、学会のホームページから申請書類をダウンロード・印刷し、必要事項を記入します。
必要書類が整ったら申請手続きを行い、書類審査に合格することで認定試験を受けられるでしょう。

出典
日本消化器内視鏡学会「2025年度(第44回:2025年3月2日)消化器内視鏡技師認定試験実施のご案内」(2025年2月10日参照)

試験のスケジュール

試験は年に1回しか開催されていないため、受けたい年の夏ごろまでに情報を収集し、スケジュールを立てておきましょう。
試験のスケジュールは年度によって、時期が前後する可能性があるものの、例年のスケジュールは下記のとおりです。

期間スケジュール
8月ごろ申請書類を学会のHPからダウンロードし、必要書類をそろえる
9~10月郵送にて受験を申し込む
12月中旬郵送で書類審査の合格通知が届く
3月CBT方式で受験する
5月上旬合否通知が郵送で届く

必要書類は全部で6つあり、不備があれば書類審査に合格することができません。

  • 消化器内視鏡技師受験申請書・職歴
  • 業績目録
  • 消化器内視鏡部門における勤務証明書
  • 消化器内視鏡講義受講・消化器内視鏡解除実績証明書
  • 日本消化器内視鏡学会認定専門医による推薦書
  • 受験料振込証明書の添付用紙

手元に書類が届くまで時間がかかるものもあるため、早めに取り寄せておくと安心です。

試験の内容

消化器内視鏡技師の試験は選択式の100問で、試験時間は120分です。
合否のボーダーラインは公表されておらず、できるだけ満点に近い点数をとれるように、しっかり勉強しておくと良いでしょう。
また、受験方式はパソコンを使用するCBT方式なので、普段からパソコンの操作に慣れていない方は手間取ってしまう可能性もあります。
受験前にパソコンの操作に慣れておけば、スムーズに試験を受けられるので安心です。

合格率

消化器内視鏡技師の合格率が発表されていないため不明です。
ただし、消化器内視鏡技師を受験するには、実務経験のほか、講習会への参加や症例の取り扱いなど、複数の条件を満たさなければなりません。
そもそもの取得ハードルが高いため、簡単に取得できる資格ではないと言えるでしょう。

看護師が消化器内視鏡技師を取得する際の注意点

消化器内視鏡技師はメリットの多い資格ですが、人によっては「思っていたのと違った」とミスマッチに悩んでしまうかもしれません。
看護師が消化器内視鏡技師を取得する際の注意点として、下記が挙げられます。

  • 更新手続きが必要である
  • 資格の維持が難しい
  • 資格の取得・維持に費用がかかる

どのような点に注意が必要なのか、先述したメリットと比較しながら確認してみましょう。

更新手続きが必要である

消化器内視鏡技師は、5年ごとに更新手続きが必要です。
もしも2年以上更新手続きを怠ってしまうと、資格が喪失となり、試験を受けなおさなければなりません。
日本消化器内視鏡技師会で更新手続きを受け付けているため、更新申請書を作成し、所定の手続きを行います。

資格の維持が難しい

消化器内視鏡技師の資格を維持するには、更新手続き以外に一定のポイントの取得も必須です。
学会や研究会に1回出席すると10点獲得でき、5年間で30点以上のポイント取得できるように活動します。
また、機器取り扱い講習会の基礎編もしくは実践編への参加も欠かせません。

資格の取得・維持に費用がかかる

消化器内視鏡技師の試験を受けるには、受験料の1万円がかかり、合格すると認定料としてさらに1万円必要となります。
別途で、学会員として30歳未満は10,000円、30歳以上では15,000円の年会費を支払わなければなりません。
また、資格更新の手数料も3,000円かかり、2年間滞納すると資格が失効するので注意してください。

消化器内視鏡技師以外に看護師におすすめの資格

内視鏡業務に関わる看護師が取得すると良い資格は、消化器内視鏡技師だけではありません。
ここでは消化器内視鏡技師以外に看護師におすすめの資格を紹介します。
どのような場面で役立つかも併せてお伝えするので、資格取得に役立ててみましょう。

読影支援技師

読影支援技師は日本カプセル内視鏡学会による認定資格です。
カプセル内視鏡とは、およそ2cmのカプセル内視鏡を患者様に服用してもらい、小腸の中を撮影する検査で、小腸の病変を診断します。
患者様への負担も少なく、注目が集まっている検査の一つです。
画像を読解する技術が求められることから、読影支援技師の需要が高まっています。
看護師が読影支援技師を取得するには、下記の基準を満たす必要があるでしょう。

  • 申請書
  • 本学会準学会員証明書
  • 本学会員の認定申請の推薦書
  • 画像診断支援を年間10症例以上経験したことを記す実績証明書
  • 本学会が実施する小腸カプセル内視鏡eラーニング受講修了証

准看護師の場合、消化器内視鏡技師を取得していなければ受験できないので要注意です。

出典
日本カプセル内視鏡学会「認定技師制度規則」(2025年2月10日参照)

日本口腔ケア学会認定資格

日本口腔ケア学会認定資格は、日本口腔ケア学会によって定められた資格です。
口腔ケアの知識、技術の普及、質の向上による国民の福祉への貢献を目的としています。
難易度や取得ハードルによって、1~5級まで分かれているのが特徴です。
口腔ケアの基礎や症状別のケア方法など、口腔全般に関する知識が深まるので、消化器疾患を抱える患者様が多い内視鏡室でも役立つでしょう。

出典
日本口腔ケア学会「口腔ケア認定制度」(2025年2月10日参照)

栄養サポートチーム専門療法士 (NST専門療法士)

栄養サポートチーム専門療法士 (NST専門療法士)は、日本栄養治療学会が認定する資格です。
看護師が資格を取得するには下記の条件を満たすことが必要です。

  • 本学会である
  • 3年以上、医療・福祉施設に勤務し、栄養サポート業務に従事した経験がある
  • 必須単位数30単位以上を有する
  • 認定教育施設において、合計40時間の実地修練を修了している

消化器疾患の患者様は食生活に支障をきたし、栄養状態に影響していることもあります。
満足できる食生活が送れるように患者様を支えたい看護師におすすめの資格です。

出典
日本栄養治療学会「日本栄養治療学会 栄養サポートチーム専門療法士認定規程」(2025年2月10日参照)

消化器内視鏡技師を目指す看護師によくある質問

ここでは消化器内視鏡技師を目指す看護師によくある質問を紹介します。

准看護師が消化器内視鏡技師を取得するにはどうすればいいですか?

消化器内視鏡技師の受験者は、第一種対象者(看護師や薬剤師など国家資格取得者)と第二種(准看護師)に分けられます。
第一種対象者は、消化器内視鏡全般に関する試験を受けるのに対し、第二種対象者は別途で解剖学、生理学、薬理学などの基礎的医学試験も受けなければなりません。
試験範囲が広くなるので、医学的知識についてもしっかり学ぶ必要があるでしょう。

パートタイム勤務でも実務経験として認められますか?

パートタイム勤務でも、学会の参加数や症例数といった受験資格を満たせば、消化器内視鏡技師の受験資格を得ることは可能です。
ただし、受験資格を満たしているかは、書類審査会で審査されます。
受験申し込み後、郵送で書類審査の合格通知が届くのを待ちましょう。

まとめ

消化器内視鏡技師は、総合病院の内視鏡室をはじめ、消化器系の病院・クリニックで活躍したい看護師にぴったりの資格です。
内視鏡に関する専門性を高められるほか、自信を持って業務を続けやすくなるなど、さまざまなメリットが期待できます。
ただし、取得ハードルが高いほか、資格維持のための自己研鑽も欠かせません。
消化器内視鏡技師以外にも、読影支援技師や日本口腔ケア学会認定資格など、ほかの資格取得も視野に入れながら、スキルアップを目指してみましょう。

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この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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