
病院から介護施設に転職を検討中の看護師さんの中には、給料について気になっている方もいるかもしれません。介護施設で働く看護師の給与の相場には、職場や働き方で幅があります。
この記事では、介護施設における看護師の平均給与や年収を、全体と施設形態ごとで解説。オンコール手当に関してや、看護師が希望に近い条件で介護施設に転職する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
医療機関から介護施設への転職を検討している看護師の方は、給料水準が現在からどれくらい変化するのか気になるかもしれません。この項では、介護施設で働く看護師の給料相場について解説します。
日本看護協会の「2025年看護職員実態調査報告書(p.23)」によると、介護施設で働く看護師(正規雇用・フルタイム)の平均基本給額は27万1,370円で、平均税込給与額は36万4,445円です。
| 平均基本給額 | 平均税込給与額 |
| 27万1,370円 | 36万4,445円 |
参照:日本看護協会「2025年看護職員実態調査報告書(p.23)」
出典元の定義より、税込給与額は「基本給額に調整手当・夜勤手当・住宅手当・育児手当等の諸手当を含めた金額」です。税込給与額を見ると、基本給額に加えて支給される手当が9万円ほどと分かります。
▼関連記事
老健の看護師の給料はいくら?夜勤手当や賞与は?特養や病院との比較も解説
デイサービスで働く看護師の平均給料は?年収・時給や転職のポイントも紹介
税金や社会保険料が差し引かれた実際に支給される金額(手取り額)は、一般的に給与の75〜80%くらいが目安です。上記で紹介した平均税込給与額「36万4,445円」を参考にすると、介護施設で勤務する看護師の手取りは27万円〜29万円ほどが相場と考えられます。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(128p)」から、平均給与と平均実労働時間を参考にして独自に算出すると、介護施設で働くパート看護師の時給相場は1,700〜1,900円ほど(手当込)といえます。看護師の時給は、介護施設の規模や地域によっても異なるため、参考程度に押さえましょう。
▼関連記事
看護師の年収を年齢別に紹介!職種別・性別の比較や給料アップの方法も解説
病院から介護施設へ転職を検討している看護師さんにとっては、「転職後どれくらい給料が変わるんだろう」と気になっている方もいるはず。この項では、介護施設で働く看護師の事情に触れていきます。
日本看護協会の「2025年看護職員実態調査報告書(p.23)」によると、看護師全体の平均税込給与総額は39万4,088円です。全体の中で見ると、介護施設の看護師の給与は3万円ほど低いことが分かります。病院で勤務する看護師のみの平均税込給与額は39万6,127円なので、病院から介護施設へ転職する場合は給与水準が若干下がる可能性があるでしょう。
介護施設で働く看護師の給与が比較的低めなのは、病院に比べて夜勤が義務付けられている施設が少ないことが一因として考えられます。看護師の夜勤やオンコールがある介護施設だと、手当の支給分が関係して給与相場も高めになりやすいようです。
介護施設で働く看護師の勤務形態は、施設の種類によっても異なります。以下は、主要な介護施設の種類別に、看護師の夜勤・オンコールの有無をまとめたものです。
| 介護施設の種類 | 看護師の夜勤 | オンコール | 入居者さんの介護度 |
| 特別養護老人ホーム | ✕ | 〇 | 要介護3以上 |
| 介護老人保健施設 | 〇 | ✕ | 要介護1以上 |
| 有料老人ホーム | 施設による | 施設による | 施設による |
| サービス付き高齢者住宅 | 施設による | 施設による | 施設による |
| 通所介護施設(デイサービス) | ✕ | ✕ | 要支援1以上 |
特別養護老人ホームの看護師は、夜勤なし・オンコールありの場合が多いようです。一方で、介護老人保健施設は看護師の夜勤あり・オンコールなしの傾向にあります。同じ施設種別でも、看護師の働き方はそれぞれの職場で違うため、転職の際は応募先に確認することが重要です。
▼関連記事
特養看護師の夜間オンコールとは?メリットや向いている看護師の特徴を紹介
オンコール手当の支給額や担当頻度は、職場ごとで異なります。日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査(p.208)」によると、介護系サービスに勤務する看護師の「オンコール手当額」と「1ヵ月の担当回数」は以下のとおりです。
| 1回当たりの平均手当額 | 1ヵ月の平均対応回数(2024年12月) | |
| オンコール待機(待機のみ) | 1,137円 | 9.2回 |
| オンコール対応(電話対応) | 430円 | 3.7回 |
| 緊急出動(手当額は時間外手当を除く) | 946円 | 1.1回 |
参照:日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査(p.208)」
施設の種類にもよりますが、介護サービス全体で見ると「オンコール待機」の1ヵ月の対応回数は9.2回です。待機のみだったと仮定しても、月に1万円以上のオンコール手当が支給される可能性もあります。
▼関連記事
日勤のみで働く看護師の給料は?平均額や夜勤なしの職場例、年収アップ方法
この項では、レバウェル看護の独自調査(2024年3月)から、介護施設の種類別に看護師の平均年収を紹介します。以下は、「特養」「老健」「有料老人ホーム」「サ高住」「デイサービス」で勤務する看護師の平均月給・賞与・年収です。
| 施設種別 | 平均月給 | 平均賞与 | 平均年収(月給×12+賞与) |
| 特別養護老人ホーム | 30万9,000円 | 76万8,333円 | 447万6,333円 |
| 介護老人保健施設 | 32万2,151円 | 78万5,600円 | 465万1,412円 |
| 有料老人ホーム | 34万7,914円 | 51万3,714円 | 468万8,682円 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 30万円 | 30万円 | 390万円 |
| 通所介護施設(デイサービス) | 26万2,500円 | 20万円 | 335万円 |
ここで挙げた施設種別の中では、有料老人ホームで働く看護師の平均年収がもっとも高くなっています。基本的に夜勤が求められる老健の看護師も、平均年収が高めです。一方で、夜勤やオンコールがないデイサービスの看護師は、年収が比較的低いのが特徴的だといえます。
▶「特別養護老人ホーム(特養)」の看護師求人一覧
▶「有料老人ホーム」の看護師求人一覧
▶「デイサービス」の看護師求人一覧
▼関連記事
准看護師と介護福祉士の給料の違いは?施設ごとの比較、給与アップの方法
看護師が希望に近い給料水準で働ける介護施設へ転職するには、施設ごとの特徴を把握し、複数の求人を比較検討することが重要です。
介護施設の求人を探す際は、必ず複数の職場を比較するようにしましょう。たとえば、「夜勤あり」という条件が一緒でも、介護施設の運営母体や雇用形態・勤務形態、業務内容などが異なれば、給料に差が出るからです。
高収入を得やすいのは、24時間体制で看護師が常駐する職場や、利用者さんの医療需要が高い施設といえます。「夜勤は苦手だけど、給与水準は下げたくない」という看護師さんの場合は、オンコール待機に対応している介護施設の中から求人を選ぶのもおすすめです。
▼関連記事
老健看護師の仕事ってどう?年収580万円・勤続12年のベテランに聞いた、急性期との違い【体験談】
比較的高めな給与が叶いやすいのは、基本給(給料)に加えて、手当が充実している介護施設です。介護施設に勤務する看護師に支給される手当には、夜勤手当やオンコール手当、緊急訪問手当などがあり、1回あたりの金額も職場ごとに異なります。福利厚生として、住宅手当や家族手当を用意している職場も中にはあるようです。
介護施設に転職した看護師さんの給与や働き方の変化は、「看護師さんのキャリア図鑑」の事例も参考にしてみてください。
介護施設に転職する際、「給与はこれくらい欲しい!」という希望を叶えるには、看護師専門の転職エージェントを活用するのもおすすめです。キャリアアドバイザーが、非公開求人も含めた幅広い求人情報の中から、希望に合う条件の求人を紹介してくれます。より広い選択肢から選ぶことで、より自分にマッチする転職先が見つかりやすくなるはずです。
▼関連記事
看護師は転職で給料交渉できる!最適なタイミングと年収アップのコツ
ここでは、介護施設で働く看護師の給料に関するよくある疑問について、Q&A形式でお答えします。
介護士・看護師の職種は、ともに処遇改善の動きが近年あります。しかし、介護施設で働く看護師を対象とした処遇改善は今のところありません。ただ、介護・看護の需要の高まりが加速していく見通しがあることから、今後、介護施設の看護師の給料がアップする可能性はあるでしょう。
高級老人ホームとは、有料老人ホームの1種です。運営している母体の規模が大きい傾向にあるため、看護師の給与や福利厚生が高待遇なケースもあります。施設によりますが、高級老人ホームは看護師の配置人数は少なめで、地域によって施設数に差があるのが特徴です。看護師の求人数が限られている場合もあるため、倍率は高めでしょう。
介護施設で働く看護師(常勤・月給)の平均給与は36万4,445円で、手取りは27万円〜29万円ほどが相場だと考えられます。また、パート看護師の平均時給は1,700~1,900円ほど(手当込)です。施設の種類や個々の働き方によっても、介護施設で働く看護師の給料水準は異なります。介護施設の中で見ると、看護師も夜勤が必要な職場は、手当の支給分で給与が高めな傾向にあるようです。看護師が介護施設に転職する際は、給与面だけでなく、看護師の勤務体制や業務内容も踏まえて求人を選ぶことが大切になります。
「希望が叶う介護施設の求人が見つからない」という方は、「レバウェル看護」に相談してみませんか?「レバウェル看護」は、看護師に特化した転職支援サービスです。
保有する幅広い介護施設の求人の中から、キャリアアドバイザーが、給与・働きやすさの両面からあなたにマッチする職場をご提案いたします。希望の条件を伝えれば、自分に合った職場を効率的に探せるでしょう。相談のみの利用も可能です。
「介護施設に転職したい」と考えている看護師さんは、「レバウェル看護」にぜひご相談ください。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載