
「眼科で働くには看護師と視能訓練士のどちらが良いの?」と悩んでいる看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、眼科看護師と視能訓練士の役割・仕事内容や働き方、年収などの違いについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、希望する働き方やキャリアに合うのは、眼科看護師なのか、視能訓練士なのか分かるでしょう。
眼科看護師として働きながら、視能訓練士の資格取得を視野に入れている方はぜひ参考にしてください。
視能訓練士は眼科領域における視機能の検査や訓練、視覚障害者への支援を専門とするスペシャリストです。
眼科医の指示に基づいて検査や視能訓練を行い、多岐にわたる業務を担います。
ここでは、視能訓練士の役割・仕事内容について分かりやすく解説するのでご覧ください。
視能矯正とは、主に斜視や弱視などの視機能障害を持つ患者様に対して行われる訓練です。
本来、視覚は8歳ごろまでしか発達しないとされており、低年齢の小児の視覚発達において視能矯正は重要な役割があります。
そこで、両眼視機能の評価や眼位の測定、眼球運動の観察といった視機能検査を実施し、結果に基いた視能訓練プログラムを行うのが視能訓練士の役割の一つです。
視能検査は視力検査や屈折検査、視野検査、眼圧検査、色覚検査、眼底写真撮影など、多岐にわたります。
眼鏡やコンタクトレンズの処方だけでなく、白内障や緑内障といった眼疾患を早期発見するために欠かせません。
機械的な測定ではなく、患者様の視覚の状態や眼の健康を視能訓練士が総合的に評価します。
視能訓練士は病院だけでなく、学校や職場、保健センターなどで行われる集団検診にも携わることも珍しくありません。
3歳児健診や就学時健診、成人の生活習慣病予防健診などで視機能検査を担当し、眼疾患の早期発見と予防に貢献します。
特に成人を対象とした生活習慣病予防健診では、加齢に伴う機能の変化や生活習慣病に関連した眼疾患の早期発見に努めることが大切です。
ロービジョンケアとは視力や視野が著しく低下し、通常の眼鏡やコンタクトレンズでは十分な視機能が得られない方に対する支援です。
拡大鏡や遮光眼鏡などの視覚補助具の選定と使用方法の指導、日常生活へのアドバイスなどを担います。
対象者は乳幼児から高齢者まで幅広いのが特徴です。
患者様の年齢に応じて、教育機関や就労支援機関、視覚リハビリテーション施設などと連携していきます。
「眼科で働くなら看護師よりも視能訓練士の方が良いの?」と悩んでいる看護師は少なくありません。
視能訓練士と眼科看護師は、いずれも眼科で働く医療従事者ではあるものの、下記のような違いがあります。
視能訓練士の資格取得に迷っている方は、看護師と視能訓練士を比較してみましょう。
視能訓練士は眼科領域に関する専門的な知識・スキルを習得するのに対し、看護師は幅広い医療知識・スキルを身につけており、眼科領域に特化しています。
そのため、診察室の備品チェックなどの医師の診察補助、点滴や採血、点眼などの医療的処置は眼科看護師が対応しなければなりません。
また、医療行為にあたらない視力検査やケア、リハビリテーション指導は、視能訓練士でも対応できます。
日勤帯中心で働く視能訓練士に比べて、夜勤のある看護師の方が年収が高いのが一般的です。
厚生労働省の「job tag」によると、視能訓練士の全国的平均年収は444.2万円としています。
一方、同じく「job tag」における看護師の全国的平均年収は519.7万円であり、視能訓練士よりもおよそ80万円高いことが分かるでしょう。
視能訓練士は日中の診療において、視機能の検査や訓練を行うため、規則正しい生活を送れます。
また、クリニックや病院の外来の休診日である、日・祝日が固定休です。
一方、眼科看護師は勤務先によっては夜勤に対応しなければならず、勤務時間や休日も不規則になりやすい点に注意しなければなりません。
ただし、視能訓練士に比べて眼科看護師の方が求人案件数が多いため、職場の選択肢が多いのは看護師ならではの魅力です。
視能訓練士は国家試験に合格すれば取得できますが、最低でも1年以上の通学が必要となるため、取得ハードルが低い資格ではありません。
看護師が視能訓練士になるには、下記の内容を把握しておきましょう。
国家試験の合格基準や合格するためのポイントなどもお伝えするので、資格取得にお役立てください。
視能訓練士になるには、高校卒業後に下記のいずれかのルートを選択する必要があります。
| ルート種類 | 通学年数 |
| 視能訓練士養成所に通う | 3年以上 |
| 大学や短大、看護師や保育所の養成機関を経て、視能訓練士養成所に通う | 1年以上 |
| 外国の視能訓練士の学校を卒業する | – |
すでに看護師として働いている場合、視能訓練士養成所に1年以上修業してから国家試験を受けるルートが最短です。
ただし、1年制の視能訓練士養成所に入学するためには、厚生労働省が指定する科目を履修しなければなりません。
不足科目の有無は卒業した看護学校で確認し、もしも不足科目があれば通信制の大学などで履修できます。
視能訓練士になるには、国家試験に合格しなければなりません。
国家試験の受験資格は下記の条件のうち、いずれか1つを満たす必要があります。
国家試験は年に1回のみ、東京都または大阪府にて開催されます。
視能訓練士の国家試験の出題科目は下記の5科目です。
マークシート方式で出題され、一般問題と臨床問題を合わせた全150問となります。
試験時間は午前と午後に各2時間ずつであり、面接試験や実技試験などはありません。
また、視能訓練士の試験は下記のように配点されています。
| 出題内容 | 出題数 | 1問あたりの点数 | 満点 |
| 一般問題 | 130問 | 1点 | 130点満点 |
| 臨床問題 | 20問 | 2点 | 40点満点 |
170点満点のうち、正答率60%の102点以上が合格基準となっています。
視能訓練士国家試験の過去5年間の合格率は80~90%で推移しており、国家資格の中でも比較的合格しやすいとされています。
国家試験の出題科目は養成所で学ぶことができるため、普段から集中して授業に取り組んでいれば、予備校に通う必要もありません。
視能訓練士は養成所に通学しなければ受験資格が得られないため、国家試験そのものの難易度よりも、国家試験の受験資格を得るまでの道のりが険しいと言えるでしょう。
視能訓練士を取得すると眼科領域のスペシャリストを目指すことができ、眼科看護師とってメリットが多い資格です。
眼科看護師が視能訓練士を目指すメリットとして、下記が挙げられます。
視能訓練士の魅力も併せてお伝えするので確認してみましょう。
看護師は解剖生理学について学んでいるため、眼科分野の基礎的な知識は習得しています。
しかし、視能訓練士になれば、臨床実習を通じて実践的なスキルや専門的な知識を身につけることができるでしょう。
また、視能訓練士が在籍していない小規模なクリニックでは、看護師と視能訓練士を兼務する可能性もあります。
それぞれの資格の強みを活かすことで、自信をもって患者様と関われるようになるのはうれしいポイントです。
眼科は基本的に自立した患者様が多いため、看護師が身体介助を行う場面は少ないものの、視力の低下した患者様の歩行をサポートすることもあります。
一方、視能訓練士は患者様の検査や訓練を主に担うため、身体介助を行う場面がほとんどありません。
また、職場によって看護師は夜勤に対応する必要がありますが、視能訓練士は日勤中心に働くため、規則正しい生活を送りやすいでしょう。
身体的な負担が少ない働き方をしたい方にとって、視能訓練士はぴったりの資格です。
視能訓練士は国家資格であり、取得後の更新は不要です。
資格維持のための費用がかからず、学会やセミナーへの参加といった要件も定められていません。
一生モノの資格として、眼科分野の知識・スキルを証明できるのは視能訓練士ならではの魅力と言えるでしょう。
視能訓練士はメリットが多い一方で、取得にあたっていくつか注意したい点もあります。
ここでは、眼科看護師が視能訓練士を目指す際の注意点を紹介するので確認してみましょう。
視能訓練士は眼科領域における専門的な知識・スキルを習得できるため、看護師とのダブルライセンスで活躍の場を広げることができます。
しかし、眼科以外の領域では視能訓練士の資格を活かしにくいです。
将来的に眼科以外へのキャリアチェンジを検討している場合、不向きな資格と言えるでしょう。
視能訓練士になるには3~4カ月ほどの臨床実習が必須となるため、現状として通信課程を設置している養成所がありません。
看護師から視能訓練士を目指す場合、少なくとも1年以上は養成所に通学する必要があります。
ただし、夜間やオンラインの講義を取り入れている養成所なら、実習期間のみ仕事を調整すれば無理なく卒業を目指すことも可能です。
看護師が眼科領域でスキルアップのために資格を取得する場合、視能訓練士以外の選択肢はほとんどありません。
しかし、資格取得以外にも眼科看護師がスキルアップする方法はいくつかあります。
ここでは、眼科看護師がスキルアップする方法について紹介するので参考にしてみましょう。
以前は日本眼科医会が「眼科コメディカル」という資格を定めていました。
しかし、現在は資格が廃止され、代わりに各都道府県で「眼科メディカルスタッフ講習会」が開催されています。
看護師や視能訓練士、眼科スタッフなどを対象に、眼科で働くうえで必要な知識・スキルを学べるでしょう。
眼科では白内障や緑内障、レーシック手術などさまざまな日帰り手術を行っている病院もあります。
手術に対応している眼科病院に勤務すると、手術の準備や器械出し業務など、眼科看護師として専門性を高めることができるでしょう。
看護師としてスキルアップしたいのであれば、手術に対応している病院で経験を積むのも選択肢の一つです。
ここでは、眼科看護師の視能訓練士取得についてよくある質問を紹介します。
眼科看護師と視能訓練士は、いずれも国家資格であり、眼科で活躍するスペシャリストです。
どちらが上位資格であるかは定められていません。
それぞれの専門性を発揮しながら、協働していくことが望まれます。
視力検査や眼圧検査などは無資格でも行えるため、小規模なクリニックでは医師が検査から治療まで全て対応していることも少なくありません。
したがって、対応できる業務範囲がより広い視能訓練士の方が、看護師よりも重宝される傾向にあります。
しかし、視能訓練士は医療的ケアを提供できず、手術に対応している大規模な眼科では看護師の需要が高まるでしょう。
眼科看護師は幅広い医療知識やスキルを身につけており、中でも眼科領域に特化している看護師です。
一方、視能訓練士は眼科領域のスペシャリストであり、多岐にわたる業務を担います。
看護師がスキルアップのために視能訓練士の資格を取得する場合、指定の養成施設に通学し、国家試験に合格しなければなりません。
眼科領域で専門性を高めたい方や、キャリアチェンジしたい方は、資格取得を検討してみましょう。
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