循環器疾患の予防に特化した専門性を身につけて活躍できる【循環器病予防療養指導士】

高血圧や脂質異常症などの生活習慣病は、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な循環器疾患を引き起こすリスクファクターとして知られています。
超高齢社会を迎えた日本において、これらの疾患予防は国民の健康寿命を伸ばすうえで大きな課題と言えるでしょう。

そこで本記事では、日本高血圧学会・日本循環器病予防学会・日本動脈硬化学会の3学会が共催する専門資格「循環器病予防療養指導士」についてご紹介します。
同専門資格の概要から取得条件、運営する各学会まで幅広く解説しているので、循環器疾患の予防に関心のある看護師さん、専門性を高めてスキルアップを目指している方はぜひ参考にしてみてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

循環器病予防療養指導士とは

高血圧や脂質異常症などの生活習慣病は、心筋梗塞や脳卒中といった循環器疾患を引き起こす危険因子です。
患者の健康寿命を延ばすにはこれらの疾患を早期のうちに予防し、エビデンスに基づいた適切な患者への支援が求められます。

そこで2015年に設けられたのが、「循環器病予防療養指導士」という専門資格。循環器疾患の予防に向けた総合的な知識と技術を身につけ、患者の生活習慣改善や地域住民の健康意識の向上をサポートできる専門性が高い資格となっています。
対象となるのは、看護師や保健師などの国家資格を持つ医療従事者です。

資格を共催・運営する学会のご紹介

循環器病予防療養指導士の資格は、日本高血圧学会・日本循環器病予防学会・日本動脈硬化学会の3学会が共催しています。

特定非営利活動法人日本高血圧学会

高血圧とその関連分野における研究推進と学術発展を目的として、1978年に設立された特定非営利活動法人日本高血圧学会。脳卒中や心血管病のリスク因子である高血圧の制圧に向け、専門職を対象にした研究から人々への啓発まで、多角的な活動を展開しています。

学術面では、学術集会の開催をはじめ、「高血圧管理・治療ガイドライン(JSH2025)」の作成や、機関誌「Hypertension Research」で研究成果を発信。一方、教育資材の作成および配布、世界高血圧の日のイベントといった人々に寄り添った生活習慣改善の推進と高血圧に関する正しい知識の普及・啓発活動にも尽力しています。
また、専門性の高い人材を育成するための資格認定制度を設けているのも特長です。

一般社団法人 日本循環器病予防学会

1966年当時、社会的に大きな課題となっていた脳卒中や高血圧の予防・制圧を目指し、医師や看護師、保健師、栄養士などの多職種が結集して設立された「日本循環器管理研究協議会」を前身に持つ一般社団法人 日本循環器病予防学会は、職種の垣根を越えた疾患予防を実践し、予防医学の発展に取り組んでいます。

代表的な取り組みとしては、これまでに多くの修了者を輩出してきた「日本循環器病予防セミナー」や、「保健指導レベルアップセミナー」、さらにはコホート研究「NIPPON DATA」が挙げられます。
また、臨床における予防医学からポピュレーションアプローチまで幅広い視点に基づき、学術集会の開催や学会誌「日本循環器病予防学会誌」の発行などを通じて、国民の健康向上に寄与することを目指す法人です。

一般社団法人 日本動脈硬化学会

動脈硬化の成因解明と予防・治療法の研究を目的として、1974年に学会設立した一般社団法人 日本動脈硬化学会。基礎研究から臨床応用、疫学研究まで多様な領域を網羅する専門学会として発展を続けています。

同法人の代表的な活動には、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」や「メタボリック症候群の診断基準」の策定などがあり、日本のアテローム性脳心血管疾患発症予防に大きく貢献しています。
また、学術集会の開催や学会誌「Journal of Atherosclerosis and Thrombosis」の発行を通じて国内外に最新の研究成果を発信。さらに300人に1人の有病率である遺伝性疾患「家族性高コレステロール血症」に関するセミナーや多職種の医療従事者に向けた症例検討セミナーなど、動脈硬化診療の教育・啓発活動も積極的に行っています。

資格取得のメリット・条件

循環器病予防療養指導士の資格を取得することで得られるメリットはさまざまです。
チーム医療における役割が明確になり専門職の強みを発揮できる、確かな知識と技術による保健指導で患者や地域住民の皆さんの健康増進を支援できる、信頼性が高いために多方へ自分の専門性をアピールできる、自分の専門性を改めて認識してモチベーションを高められる、などが挙げられます。

受験するには、以下の条件を満たさなければいけません。
・看護師や保健師など認定委員会が定めた医療系の国家資格を有しており、かつ同専門資格に関連する指導実務経験が3年以上あること
・日本高血圧学会、日本循環器病予防学会、日本動脈硬化学会のいずれかの学会員であること
・各学会が主催する指定研修を受講すること

認定試験に晴れて合格すると、循環器病予防療養指導士としての活動をスタートできます。
認定後は5年毎の更新制で、認定委員会が定めた学術集会や講習会などで20単位以上、活動実績報告で5ポイント以上が必要です。

同専門資格は、循環器疾患の予防に特化した知識と技術を持つ医療従事者として、今後ますます重要な役割を担っていくことが期待されています。
「循環器疾患の予防に力を入れていきたい」「保健指導をさらに深めていきたい」「専門性を高めてキャリアの幅を広げたい」という看護師の方にとって、心強い道しるべとなってくれるのではないでしょうか。

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