
本記事では、認知症予防の専門知識を体系的に学べる養成講座を提供する法人、助産師による継続的な育児支援を行うNPO法人、そして医療現場の両手を解放するハンズフリー通信ツールを開発した企業をご紹介します。
それぞれ異なる分野で活動していますが、「現場の声から生まれた実践的な支援」「専門家による伴走型のサポート」「対象者のQOL向上を目指す姿勢」という共通点でつながっています。認知症予防の知識を深めたい方、妊産婦への継続支援に関心がある方、チーム医療の質を高めたい看護師さんは、ぜひ最後までご覧ください。
一般社団法人日本ブレインケア・認知症予防研究所は、認知症予防に関する専門知識を持つ医師たちが集まり、2018年に設立された組織です。超高齢社会を迎え、認知症患者数が増加する中、症状が現れる前の予防的介入の重要性に着目しています。

同研究所では、認知症予防やシニア向け事業を展開する企業に対し、商品開発のコンサルティング、医学的評価、エビデンス収集、臨床研究などを提供。企業の認知症予防事業の品質向上を支援することで、認知症にならずに済む社会の実現に貢献するとともに、「ブレインケア」という概念の普及・啓発を通じて、認知症予防に対する社会意識の変革にも寄与しています。
「ブレインケア・メディカル・プロフェッショナル養成講座」は、認知症予防に関する専門的な知識とスキルを学べるオンライン講座です。認知症予防医療を行うブレインケアクリニックでのスタッフ教育プログラムをもとに開発され、物忘れや集中力低下など、認知機能に問題を抱える患者への対応力を高めたい医療従事者を対象としています。

各講義は約5分から10分程度の動画で構成され、休憩時間や移動時間でも視聴できます。週1回のペースで進めても数ヶ月で修了できる設計で、AIチャットによる学習支援や会員専用のコミュニティでの質問対応など、サポート体制も整っています。
新しい知見が得られた場合は動画の追加・更新が行われ、2〜3か月に一度、リアルタイムセミナーで研究を紹介する機会も設けられています。
同講座のカリキュラムは、認知症の基礎知識から実践的な内容まで幅広く網羅しています。「認知症は治療可能な時代へ」という講義で認知症医療の現状を学び、「なぜ認知症が起こるのか」というメカニズムの理解へと進む構成です。
さらに、物忘れのさまざまな要因と症状の見分け方、物忘れ相談の受け方といった実務的なスキルに加え、専門医への紹介が必要なケースの判断基準も習得できます。
検査に関する内容が充実しているのも本講座の特徴です。アルツハイマーズリンクス検査については、検査の概要から結果の伝え方、脳蛋白・成長因子・腸管神経・病原体・化学物質・食品・血液脳関門といった各検査項目の詳細な解説まで、10講義にわたって展開されています。
MCIスクリーニング検査プラスでは、検査の内容だけでなく結果に基づく対策の伝え方まで学べます。睡眠時無呼吸検査、IgG遅延型食品アレルギー検査、マイコトックス検査についても、それぞれの意義と活用法を理解できる内容です。
栄養面では、認知症予防に役立つ栄養素の作用機序と推奨方法を学ぶほか、サプリメントの見極め方や認知症予防に役立つグッズ・サービスについても紹介されています。講座を修了すると「認定BMP」の資格が得られ、セミナー講師として活動する道も開かれます。
認知症予防の専門知識を深め、患者への提案力を高めたい医療従事者にとって、実践的なスキルを身につけられる貴重な学びの場といえるでしょう。
東京都文京区を拠点に活動するNPO法人育児サポートdouce.は、妊娠期から産後の家族を支援する団体です。年々短縮される産後の入院期間に対応し、退院後の家族が健やかに育児できる環境づくりに取り組んでいます。20年以上にわたり出産の現場に関わり、保育園やベビーシッターなど親子支援の豊富な経験を持つ助産師が運営を担っています。

2017年から父親が活躍できる妊娠出産育児学級の開催に注力し、2019年には厚生労働省「健康寿命を伸ばそう!アワード(母子保健分野)」において、父親学級再構築の取り組みにより子ども家庭局長優良賞を受賞しました。
妊娠中からの準備の重要性を伝え、男女双方に正しい情報を提供することで、家族全体が育児に参加しやすい環境づくりに寄与し、地域の母子保健に貢献しています。
同法人では、育児相談事業、産後ケア事業、赤ちゃんとの触れ合い事業、出産前教育事業の4つの柱で、経験豊富な助産師による各種学級と個別相談サービスを提供しています。オンラインと対面の両方に対応し、利用者のニーズに合わせた柔軟なサポート体制を整えています。

代表的なサービスである「ママと学ぶパパ塾」は、これからパパになる方を対象とした学級で、これまでに300名以上が参加し、多くの参加者から好評を得ています。妊娠初期から産後まで、段階に応じた4つの講座を展開しており、パパが知っておくべき「パパミッション」を具体的に学べる参加型の内容が特徴です。ママだけ、パパだけの参加も可能で、全講座を受講するとパパ塾修了書が発行されます。
また、これからお孫さんを迎える方を対象とした「祖父母塾」も開催しており、年々変化する出産や育児の今の情報を学び、みんなで育児に取り組めるような内容となっています。
個別相談では、出産前指導、育児相談、授乳支援といった時期に応じたケアを受けられます。出産前8か月からは分娩の進み方や陣痛を乗り切る方法、母乳とミルクの利点などについて相談できます。
育児相談では退院後から出産後3か月までを中心に、赤ちゃんの抱っこの仕方や沐浴など、小さな心配や不安を早めに解決できるよう支援。また授乳支援では、おっぱいの含ませ方や効果的な吸わせ方など、授乳技術について具体的な指導を実施しています。
サービスは完全予約制で、自宅だけでなく実家や勤め先近くでの相談にも対応し、利用者の状況に応じた柔軟なサポートを実現しています。オンライン相談も充実しており、妊婦さんから産後のママ・パパまで、悩みや不安に対応しています。
病院での限られた入院期間では十分に指導しきれない授乳技術や育児のアドバイスを、専門性の高い助産師が家庭環境で丁寧にフォローする取り組みは、医療従事者や看護師の方々にとって参考になるでしょう。
こうした地域の支援リソースとの連携は、産後の母子を支える医療体制を考えるうえで、ひとつの視点を提供してくれるのではないでしょうか。
株式会社BONXは、2014年に設立された、音声コミュニケーション技術を専門とするテクノロジー企業です。創業者がスノーボード中に仲間と話したいという思いから事業を立ち上げ、「人類の新しいコミュニケーションを作る」というビジョンへ発展しました。様々なコミュニケーションデバイスの開発、製造に取り組んでおり、一般向けのインカムアプリ「BONX」、ビジネス向けの「BONX WORK」も展開しています。

同社の強みは、独自のグループトークテクノロジーにあります。発話検知技術やノイズフィルターなどの独自技術を搭載し、距離無制限で常時接続できるシステムを実現。インカムアプリ「BONX WORK」は、大手ラグジュアリーブランド、医療・介護、建設、小売といった多様な業界での導入実績を持ち、現場で働く「デスクレスワーカー」の業務改善に貢献しています。現場でのやり取りをスムーズにすることで、チーム全体の効率向上と働く人々の満足度向上に寄与しています。
BONX WORKは、いつでもどこでも声でつながる現場コミュニケーションのワンストップソリューションです。専用イヤフォンとスマートフォンアプリを組み合わせ、インターネット通信により距離無制限で通話が可能。微弱電波環境でも自動再接続し、発話を自動認識する技術により話しかけるだけで音声が届きます。
医療従事者は、処置中や医療機器の操作中など両手が塞がっている時でも、ほかのスタッフや医師と円滑なやり取りができます。

通話方法は、ボタンを押している間だけ送信される「プッシュトゥートーク」と、発話時にのみ音声を拾う「ハンズフリー」の2種類です。「グループトーク機能」では1つのルームに最大500名参加でき、「ユニットトーク機能」では同時に最大7つのルームで会話できます。フロア別、部署別、患者ケアチーム別など、柔軟にトークルームを構築でき、参加したい会話を選ぶことが可能です。また「プライベートトーク機能」を使えば、ルーム内の他のメンバーに会話を聞かれることなく、特定の相手との会話にも対応しています。
通話機能以外にも、「チャット・音声読み上げ機能」では、テキストメッセージ、音声メッセージ、画像、定型文を送信でき、テキストは自動で音声変換されて耳に届きます。処置中でスマートフォンを見られない状況でも、他従業員からの指示や他部署からの連絡を確実に受け取れます。
さらに、「録音・文字起こし機能」によりルーム内の会話内容がテキスト化され、音声も同時に記録されるため、聞き漏らした内容も後から振り返ることができます。そして「ライブ配信機能」を使えば、現場の状況を映像でリアルタイムに共有し、離れた場所にいる医師や専門スタッフに患者の様子を見せながら相談できます。
BONXのデバイスは、幅広い現場に対応する機能性とデザイン性を備えています。防水・防塵性能、連続10時間使用、ノイズ対策を搭載し、軽量でシンプルな設計は長時間の装着でも負担が少なく、豊富なオプションパーツを使うことで現場環境に合わせた調整が可能です。
BONX WORKの導入により、医療従事者は移動時間の削減、情報共有の精度向上、チーム間連携の強化を実現できます。患者ケアの品質向上と働きやすい環境づくりを両立する選択肢となるでしょう。
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