オーストラリア、病棟仰天あるあるエピソード 第5弾  健康診断と病棟のお助けナース編

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
1225_TOP_医師3人.jpg

http://www.photo-ac.com/


西オーストラリア・パース在住11年、パース市内の公立病院一般内科勤務歴10年目のKayが日本の病棟ではありえない!仰天エピソードをお届けするシリーズ第5弾です。

今回は健康診断と日本では馴染みの少ないSDN(Staff Development Nurse)というナースのポジションについてご紹介します。


健康診断がない?!

 
日本の総合病院で働いていた時は、6か月毎の血液検査、1年に1回のX線検査を行い定期的な職員健康診断がありました。

検査結果をスタッフ同士で見せ合い「貧血気味だわ」「中性脂肪が。。。」「肝機能が悪いわ。お酒控えなきゃね。」などスタッフルームでスタッフによる健康自己診断会があったりしました。

こちらで働き始めて、最初の1年はこの職員健康診断が「いつくるんだろう?」とドキドキしながら、入職時に感染症や免疫系の血液検査をしたのでしばらくないのかも?なんて思いながら待っていました。

1年経ち、2年経ち…待てども待てども…ないんです!職員健康診断が!!
オージー(オーストラリア人の愛称)の同僚に聞いたら「そんなものはない!」と言われてがっかりしました。

基本的に針刺し事故以外は職員の血液検査はありません。
体調が気になる人は個人的にかかりつけの開業医(GP)に会って検査をしてもらうのがこちらでは一般的なんです。

女性特有のがん検診などはある一定の年齢(検査項目により対象年齢も異なります)に達すれば無料で検査してもらえます。

なんか体調がすぐれないな…と感じていても、GPの予約が面倒だったり、忙しかったり、気が乗らなかったりで発見が遅れ、見つかった時にはもう手遅れだったという患者さんが結構いるんです。

早期発見に努める予防医学的なことについては日本より遅れていると感じました。



看護免許は永久ではない?


1225_三つ編の女性.jpg

http://www.gratisography.com/


日本では一度看護師の国家試験をパスしてしまえば、看護免許の更新はありませんよね。

オーストラリアでは看護協会が統一される前は各州に看護協会があり、そこで看護登録をすると1年または3年ごとの更新が選べました。

2010年7月に看護協会が全国に統一されてからは1年に一回(5月31日が更新期限締め切り)更新しなければならなくなりました。

更新にあたり、アメリカのような免許更新試験はありませんが、年に20時間の看護に関する勉強をすることが義務付けられています。

更新時に時間数の提示を求められることはありませんが、看護協会側からランダムで選ばれると抜き打ちで提示を求められることがあるんです。

過去最低5年分の自己学習時間数の証明が必要になってくるので、自分で無くさないように管理することが必要になってきます。

過去5年のうちでオーストラリアの看護現場で働いた形跡がないと更新できない場合があります。

ですから、看護登録を維持するために年に7日ぐらいエージェンシーで働いているナースもいます。

ちなみに更新料は毎年$150(約1万3千円くらい)もかかるんですよ!
この更新料はタックスリターン(日本で言うと確定申告)の時に控除の対象になります。


SDNってなに?


日本で働いていた時は病棟での勉強会を持ち回りで看護師が行っていたり、Drにお願いして講義をしてもらったりしていました。

自分の時間とお金を使って研修に行ってそれをまとめて報告したり。

日常の業務だけでもいっぱいいっぱいなのに、勉強会の担当に当たった時は気が遠くなるほど憂鬱だったのを覚えています。

こっちに来てびっくりしたのはSDN(Staff Development Nurse)と呼ばれるポジションのナースが大体各病棟に一人雇われていることです。

SDNとは言わば、「職員教育係」でナースの病棟内での勉強会の準備をしたり、新人スタッフや実習生のオリエンテーション、評価、院内研修のオーガナイズ、院外研修の申し込みを手伝ってくれたり、相談に乗ったりしてくれます。 

直接患者さんとかかわることは少なく、主に病棟スタッフや看護実習生とかかわるのが仕事です。

それでも、たまに病棟がものすごく忙しくて、実習生や新人ナース研修などが入っていない場合は病棟の業務も手伝ってくれます。

病棟にSDN専用のオフィスがあり、普段はそこで仕事をしています。

病棟ナースが業務の手順や手技でわからないことや自信がない時には気軽にオフィスを覗いてSDNに聞くことができるんです。

SDNがいるから勤務中でも「これどうやるんだろう?」と言うことも気軽に聞けるし、初めてだから一緒にやってほしい、見ててほしい事なども他の病棟スタッフの業務を邪魔することなくSDNに頼むことができます。

看護経験、看護知識が豊富な人が多く、病棟スタッフのスキルや手技がアップデートされているかチェックしたり、キャリアなどの相談にも乗ってくれます。

常に看護スタッフと接しているのでその病棟のニーズに合った最新の情報を勉強できるのもSDNのおかげなんです。

病棟の患者さんとは直接かかわることは少ないですが、看護スタッフや学生の相談に乗ってくれたり、とても頼れる「姉御!兄貴!」といった感じでしょうか?



いかがでしたでしょうか?
職員健康診断がなかったりと比較的個人主義のオーストラリアですが、看護の仕事はチームワークがいのち!

そのチームワークを支えるSDNと言う縁の下の力持ちも存在するんですね。

この記事への評価をお願いします。

この記事を、友人や同僚におすすめする可能性はどのくらいありますか。

  • 可能性は全くない
  • 可能性は極めて高い

ありがとうございます。

頂いた評価をもとにいまよりもっと良い記事を
お届けできるよう頑張ります!