厚生労働省は2015年12月から、常時50人以上の従業員を雇用している企業を対象にストレスチェックを義務づけ、各企業にストレス管理を呼びかけている現状です。
厚生労働省
http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou.html
国が制度を作ってまで取り組んでいるわけですから、いかにストレス社会であるかがわかります。そして看護師は、メンタルケアが重要視される職業のひとつなのです。
日本看護協会の調べでは、病気による長期休暇をとった看護師の3分の1はメンタル不調が原因。日々のストレスが積み重なり、精神疾患を引き起こす看護師が増えています。
日本看護協会
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/safety/mental/index.html
肉体的な疲労はしっかり休養を取ることで回復できますが、精神的なストレスは厄介なものです。
心の奥深くに根付き、場合によってはトラウマになって残ってしまうこともあるので、治ったと思っていても再発してしまう可能性もあります。
「絶対にミスをしてはいけない」、「配慮を怠ってはならない」、「常に気を抜いてはならない」、「もっと勉強して成長しなさい」など看護師の間でよく聞かれることですが、これらに共通するのは“できて当たり前”という周囲の認識です。
その壁がプレッシャーとなって看護師たちが多くの自己犠牲を払っているというのが現状。
集中力を継続し、目には見えない緊張感に押し潰されそうになることも度々あるのです。
しかし、看護師も一人の人間です。心が折れそうになったり、責任感の重圧から逃げ出したくなるときもあるはず。または「もっと成長しなければ」、「もっと勉強しなければ」と自らを追い込んでいる看護師も少なくはないのです。
そうした高いレベルの理想の中で、自分の知識不足やアセスメント力の不足と向き合い、“できて当たり前”のプレッシャーと日々戦っているために、看護師はメンタルの不調が原因で退職する人が多いのかもしれません。
“できて当たり前”が求められる環境で“できていない自分”に気づいたとき、自尊心が薄れ自己信頼がもてなくなり、不安が膨らみ大きなストレスを抱えます。
つまり、自分で自分を責める看護師が多く、ネガティブの渦に呑み込まれそこから抜け出せず日々の業務をこなしているのです。
この状況を「悩みは誰にだってある」と一言で片づけるのはあまりにも過酷なのではないでしょうか。
看護師は命の現場で自分の責任の重さを感じていて、どんなに辛い時でも笑顔を絶やしてはいけないと思っています。それゆえに、自分の心や感情は後回しにして患者のことをまず考えるのが自分の務めだと思っているのです。
「できて当たり前」「悩みは誰にだってある」という精神状態が長く続き、自分の心の不調が置いていかれてしまっている状況です。だからこそ、看護師には充実したメンタルケアが必要なのです。
看護師は人の生と向き合い、精神的な労力を強いられる職業。ストレスを感じても我慢し、日々の業務をこなしている看護師がほとんどです。
ある日、突然、精神的な不調を起こし看護師を辞めていくケースも少なくなりません。自分を労わるためにも日頃からストレス管理に目を向け、メンタルケアを心がける必要があります。
また、心療内科のストレスチェックやリエゾンナースに相談するのも一つの方法です。ほかにも、友人や同僚に話を聞いてもらって、不満を吐き出すということも大切です。
看護師の仕事はやりがいがあり誇りをもてる職業です。けれど、ストレスでメンタルをやられてしまっては元の子もありません。
どんな些細な不安や悩みでも、専門家や友人、同僚や家族に相談して心を軽くするように心がけて下さい。
看護師である自分自身こそメンタルケアが大切なことを、くれぐれも忘れずにいてくださいね。
看護師が自身の不調より患者さまのことを優先してしまうことや、できて当たり前と思われている現状などでメンタルヘルスに不調をきたすという現状は、国や医療関係者の制度や意識の改革が必要なレベルとなっています。
しかしながら、そうした動きが実際に現場まで浸透するにはまだまだ時間がかかりそうです。
まずは自分自身の心の健康に敏感であること、しっかりとケアをすることが大切ですよ。
どうかご自身の心のSOSを聞き取り、充実した看護ライフを送ってくださいね。
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