認知症の研究があちこちで行われている昨今ですが、研究結果を見ずとも看護師のみなさんは、“認知症の方にとってコミュニケーションが大切”ということを感じていらっしゃるのではないでしょうか。
コミュニケーションなど、外部からの脳への刺激や、言葉の理解や判断力、自分の思いを言語に変える行為は、脳を活性化させます。
また誰とも接することのない生活より、誰かと共感しあったり、受け入れてもらえることで得られる安心感が、人にとって大切なことも多くの看護師さんたちは理解されていると思います。
認知症の方は、思うようにいかないことが多く、苛立ったり、不安になることがよくあります。そんな中で、看護師の温かな会話が助けとなる機会も多いのではないでしょうか。
今回は、認知症の方との会話で、看護師が気をつけるべきことを考えてみたいと思います。
身体的に言語を発声することが困難な方の場合は、相手のペースを大事にすることが必要です。相手が話すのをしっかり待ってあげること。間があっても、こちらから矢継ぎ早に話しかけるのではなく、相手をしっかり観察し、相手が話したいのか、話を待っているのかを判断することが大切です。
こちらから話すときは、シンプルでわかりやすい言葉で話しかけるよう気をつけます。
話したいのに言葉がうまく出てこない方の場合は、うまく思い出せない自分に苛立ったり、落ち込ませないように相手にプレッシャーを与えないことが大切です。柔和な雰囲気で待つことや、必要ならわかりやすい質問をすることも必要。
こちらからの話題は、長いセンテンスを使わずに、シンプルな文で答えやすい話題を心がけるとよいかと思います。
他にもさまざまなタイプの認知症の方がいらっしゃるかと思いますが、基本は、言葉以外の“思い”を汲み取ることが大切ということです。どんな声のトーンで、どんな発声をしているか、表情に変化はないかなどをよく観察し、話題だけではなく、相手の嬉しい・苦しい・悲しい・つらいなどの感情表現を感じ取ることが、認知症の会話の中で最も重要なポイントと言えます。
認知症の方と会話するために気をつけるべき主なことをまとめました。
・具体的な聞き方で、相手が理解できる質問をする。
・相手にとってわかりやすい話題を振る。
・相手が話す気持ちをうしなわせない。
・不安定な感情を察知したら、無理をしない。
・相手を否定しない、不安にさせない。
・会話だけでなく、ハンドタッチ、スキンシップも大切です。
・いつ・どこで・誰が・何を、必要な情報は略さないでください。
・対応にマニュアルはなく、相手と自分という間柄で成り立つコミュニケーションを大事にする。認知症の方にとって、会話がどんなに困難な場合であっても、やはり人として会話によるコミュニケーションは大切で、必要なものです。
看護師は、相手の感情や状況に応じた会話ができるよう、観察・理解・判断・選択をしながら、相手のペースで、相手主導の会話を試みるよう心がけていく必要があります。
今後、本格的に高齢化社会を迎えるわが国の医療現場では今、こうしたスキルが求められているのです。
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