西オーストラリア・パース在住11年、パース市内の公立病院一般内科勤務歴10年目のKayです。
日本で「グローバル化!」と言われだして、久しくたちました。
今の時代海外旅行へは気軽に安く行けますし、ネットでの情報などもあり世界はますます身近なものになってきています。
それに伴い日本のあらゆる場面で英単語が使われ、英語が日本語化されている単語もあると思います。
医療現場でも略語や医療専門用語として使われることが多い「医療英単語」、実は使ってみたら全く通じないものもあるのです。
今日はそんな看護用語をご紹介します。
医療現場でよく耳にする看護用語で使われているものは、実は英語ではなく実はドイツ語だったというものが意外と多いのです。
最近はアメリカの医療に最も影響を受けている日本ですが、昔はドイツ医療に強い影響を受けており、医師もカルテは患者さんがパッと見てもわからないようにドイツ語の単語を使って書くのが主流でした。
今でも医療用語でドイツ語が色濃く残っているのはその影響が多いのですね。
なので、当然英語圏のオーストラリアでは通じないのです。
例えば
アナムネ:ドイツ語のAnamuneseより来ています。入院時に既往歴や入院歴を聞いたりすることですね。英語では「Nursing Admission Assessment」
コート:ドイツ語のKotより。大便を意味します。英語では「Faeces」
デクビ:ドイツ語のDecubitusより。褥瘡、床ずれを意味します。英語では「Bed Sore」もしくは「Pressure Sore」がよく使われます。
ステルベン:ドイツ語のSterbenより。死亡することを指します。英語では「Deceased」「Past Away」
カルテ:ドイツ語のKarteより。英語では「Medical Chart」「Medical Note」
もっと上級なのがドイツ語と英語をくっつけた「マーゲンチューブ」。
そう、胃の内容物を出すためや嚥下が困難な人の経管栄養を使用する時に使う鼻から胃内に挿入するチューブのこと(胃管)ですね。
英語では「Nasal Gastric Tube(ネイザル ガストリックチューブ)」と呼ばれ、略して「NGT」と言われます。
申し送りで「この患者さんはマーゲンチューブが入っていて・・・」と同僚ナースに言ったら「え?何のチューブ?どこに入ってるの?」と聞かれました。
そりゃあ、通じませんよね。だってマーゲンはドイツ語ですもの・・・。
でも、ドイツからの移民の患者さんやドイツ人の同僚ナースとの会話にはとても便利ですよ。
英語で書くと通じるのに発音がローマ字読みであるために通じないものもあります。
「プシコ」は精神科のことを意味して使ったりしますね。
英語で書くとPsychiatry 発音は「サイキアトリー」なので「プシコ」と言っても通じません。
同じ原理で医療現場で「ギネ」と呼ばれる婦人科(Gynaecology)、「ウロ」と呼ばれる泌尿器科(Urology)、「デルマ」と呼ばれる皮膚科(Dermatology)もそのままのローマ字読み発音では通じません。
ほかのナースから申し送りを受けた時に「この患者さんサイアノーシスが見られたので、酸素飽和度をチェックして酸素投与を始めました。」と言われた時は頭の中がはてなマークでいっぱいになりました。
「???サイアノーシス???」
「唇も青くなって膝あたりも血色が悪くてね。」と言われてチアノーゼのことだと分かりました。
後で看護記録を見たらCyanosisと書いてありました!
日本語と英語じゃ発音が違うんですね!
略語によっては、オーストラリアだとちょっと違う意味で使われているというものもあります。
例えばIVH。日本では軽中心静脈高カロリー輸液のことを言いますね。
オーストラリアの病院でIVHと言うと普通の「持続点滴(Intra Venous Hydration )」を意味します。
軽中心静脈高カロリー輸液のことはTPN(Total Parenteral Nutrition)と言います。
ENT(エント)は退院と言う意味で、日本の現場で働いていた時には使っていましたがこちらでENTと言うと「耳鼻咽喉科(Ear-Nose-Throat)」のことを指します。
ちなみに退院は英語で言うと「Discharge(D/C)」と言います。
IVCは下大静脈の意味ですがオーストラリアの病院ではIVCと書くと「点滴の留置針(Intra Venous Cannula)」のことを指します。
日本の看護現場でよく使われていた「バルーンカテーテル(膀胱留置カテーテル)」もこちらではIDC (Indwelling Catheter)と呼ばれます。
こちらに来た当初は、バルンカテーテルのことを英語で何ていうのか分からず凄く困りました。
<終わりの文章>
いかがでしたでしょうか?
英語だと思っていた医療用語も実際は通じないことも多く、こちらに来た当初はとても苦労しました。
発音が悪いのか?とイントネーションを変えてみたりもしました。
発音の仕方によってもまったく通じない用語があり、なぜ通じないのか理由が分かったら通じるようになってきましたよ。
病棟に英語圏の外国人の方が入院された場合の参考になさっていただければ嬉しいです。
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